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VoidTokyoのこと

おかげさまでこのジンも第五号が無事発刊。展示も盛況のうちに昨日終了してほっとしているところ。

今日は溜まった事務処理とか現像、セレクトやっていたらあっという間に一日が過ぎていく。時間は猛烈なスピードで過ぎ去る。もう今年も冬がいつの間にか終わり三寒四温。春はすぐそこに。

さて、このジンのことについては聞かれることがとても多くて順を追って。

まず始まりは自分自身の香凜展への参加。12名の作家が参加して香凜を一冊の写真集に、そして展示。
これが自分は完全に面食らった。というのもポートレートだから皆似たような写真がたくさん並ぶんだろうなと勝手に思っていたのが大間違い。


松田忠雄、相澤義和、小林修士、黒田明臣、西田幸司、萩原楽太郎、北原義紀、山田涼香、michi、OCTO、そして柴崎まどかと自分。

ひとりひとりの写真家によってこんなにも香凜は変わってくるのかという新鮮な驚きとレベルの高さ。
今思うと実に豪華な作家陣で、自分以外はその道で食べているプロフェッショナル。写真集の出来栄えも素晴らしく、これは自分にとってカルチャーショックだった。

https://camp-fire.jp/projects/14120/activities/23912


そんなこんなで展示在廊しているときにふと閃いたのが、じゃあ東京を被写体にしてストリート写真を同じような人数でジンにしたら面白いんじゃないかと。
その思いつきで、それまで気になっていたストリート写真家10名に声を掛けたところ全員が快諾。
そうしてVoidTokyoは産声をあげた。

テーマははっきりしていて、東京の今のストリート写真。これを一定期間内に撮影したものを次のジンに掲載、また次号はその次の期間内に撮影したものを掲載。という至ってシンプルなもの。
これを毎号繰り返すことにより変化著しい東京のアーカイブ化も出来るんじゃないかと考えた。

あとは走りながら考えてるという状況で現在に至っていて、幸いにしていろいろなところで紹介されたり声を掛けてくれる方々がいて、渋谷ツタヤが取扱を始めたり、ドイツ ハンブルク、イタリア トリエステでの展示とか、とんとんと来てしまった。

トリエステ展示の動画はこちら

幸運以外の何物でもない。

もちろんメンバー間ではあーでもないこーでもないという議論を繰り返して出版にいたるのだけれども、このメンバーにも恵まれた。
たいてい写真家というのは我が強いはずで、どこかでぶつかって空中分解とかあるんだろうとも覚悟していたのだけれども、それが不思議とうまい具合に噛み合ってここまで来た。
何もなかったとは言わないけれど、それよりも各メンバーのジンに懸ける思い、熱量の方が圧倒していた。

そして互いに切磋琢磨しながらここまで来た。

楽な作業ではない。皆時間がないし、それでも時間を割いて撮影を行い、セレクトを行い、次号への準備をする。
そうした繰り返しを、2020年のオリンピック終了まではやる、という当初の目標通りにここまでやってきた。

「紙媒体」への強いこだわりがもちろんあって、なぜならば、ネットのフィードで流れていってそれでおしまいというのをなんとかしたくて始めたものだから。

そして多くの方に見てほしいという願いから採算ぎりぎりの価格設定にもしている。

そういった思いが詰まったジンで、個々の作家の技量は勿論のこと、なにか勢いみたいなのが常にあるなと感じている。
いつも思っているのが前述した熱量で、これがなければ続かない。

この思いをしっかりとジンのなかに詰め込むこと。

そして当初思いつきで始めたこのジンも、いつの間にか自分たちが考えもしなかった程の熱気も帯び始め(それは昨夜の対談で肌で感じた)、これはいい感じになってきたなあとは思っている。

とはいえ、まだまだ写真勉強中の身。わからないことだらけ。暗中模索。
そうした考えの方が圧倒的に強く、全く気が休まることはない。
ますます身が引き締まる思い。

そのような今回の第五号、おかげさまで好評。

渋谷ツタヤ、池袋ジュンク堂でも販売始まっています。

ちょっと一息したらまた撮影へ。

個人のプロジェクト、そしてジンへの掲載写真、どれも頭を悩ますばかりだけれども、そうこうしてもがいていきながら、写真は撮っていくものなのだ。

あっという間に時が経つ。その刹那の瞬間を写真におさめていく。

写真の醍醐味。

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