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美容外科を目指す人に伝えたいこと〜後編〜

こんにちは!
今日も、僕のnoteをお読みいただきありがとうございます。

前回のnoteでは、美容外科医を目指す人に向けて
メッセージをお伝えしました。
まだ、お読みでない方は、ぜひ前回のnoteをご一読いただけたら嬉しいです。

さて、今回はその後編です。
外科から美容の世界に入って、もうすぐ30年になる僕なりのメッセージです。

■責任をもって仕上げる意識

美容外科医を目指す人、または新米のドクターに意識していただきたいことがあります。
一つは、患者さんに施す治療に責任を持つことです。

一般の医療と美容医療では、同じ医療でも根本的な部分が違います。
医療は病気を治す行為です。
対して、美容医療は健康な人たちに対して、プラスαのQOLを高めるためのものです。

美容医療を受ける患者さんは、心の中にコンプレックスはあると思いますが、少なくとも不健康ではありません。
患者さんの願望を叶えるために、健康な顔や体にメスを入れる仕事です。
だからこそ、責任がありますし、「結果」をもって仕上げることが、とても大切になります。

前回のnoteでも話しましたが、例えば、埋没法しかできなくて、埋没法で手術して変になってしまったら、それが自分の限界。

自分できちんとできるように技術を磨くか、できないなら、できる医師を紹介するところまでケアするべき。

自分ができなかったからといって、患者さんを突き放すのはNGです!
医者である前に人間であることを忘れてないでいただきたいですね。

■美容外科医でも救命技術は身に着けておきたい

もう一つ、若い美容外科医のドクターに身に着けていただきたい技術が「救命救急」です。

これは知り合いの女性から聞いたお話。
その女性のお嬢さんの旦那さんは脳外科医だったのですが、
脳外をやめて、ある美容外科クリニックに入ったのだそうです。

ある日、クリニックの院長先生の手術に立ち会う機会があったのですが、
手術中、患者さんの容態が急変してしまいました。
さあ、どうするのだろうと見ていたところ、院長先生は救命の技術がないのか、アタフタとするばかり……。

そこで、スキルのある脳外科医の旦那さんが、患者さんをレスキューして、搬送先の病院まで付き添ったのだそうです。

美容外科の手術では麻酔を扱いますから、このような事故は起こり得ます。
何かあったときにレスキューできる最低限の救命技術は身に着けておきたいところ。
形成外科や外科の経験があれば、そのなかで救命技術を学びますから、
突然の事態でもアタフタしないで済みます。

どの世界でも、基礎を知らない人は、相当の苦労をすると思います。
ビジネスの世界であれば、エリートで進んできた人たちがしないような失敗を散々するでしょう。

それを美容医療にあてはめたとき、初期研修の後に美容に入って成功する人はいるかもしれませんが、ビジネスの失敗と医療の失敗は質が違います。
ビジネスでは通じる失敗も、医療となるとそうはいきません。

美容外科医を目指す人たちには、
できるだけ広い知識と経験を積んで、美容外科医をやってほしいです。
最後は専門性を持っていてもよいのですが、入口が狭いとその後に限界を感じることが多くなります。

■美容医療は人を前向きにする仕事

若い頃から美容医療を目指す人が増えた背景には、
「医療はマイナスな職業ではない」と認識されてきたことが挙げられると思います。

美容医療は、キレイになることで、人の心を前向きにする医療です。
昔の医者は、病気を治すぞ!という使命感に燃えて医者になったのだと思いますが、美容医療は基本、生き死にはかかわりがありません。

最近は、美容医療が大衆化していますから、大変そうなイメージもなくなりつつあります。

私が美容外科医として新米だった頃、とある美容外科の先輩からこんな話を聞きました。

商店街を歩いていたとき、街角インタビューで、「ご職業は?」と聞かれたときのこと。
先輩は「美容外科医」と恥ずかしくて言えず、とっさに「会社員」と答えたというのです。

美容外科医であることが恥ずかしいと感じる時代があったと知り、少々驚きました。

今は、「美容外科医です!」と堂々と言える世の中になっていると認識していますし、少なくともネガティブなイメージは昔より少なくなっています。
全体的にこの業界は明るく、追い風になっているのではないでしょうか。


最後までお読みいただき、ありがとうございました!

美容を提供する側も受ける側もオープンになっています。

どのようなサービスも、確かなものを提供し、もし弊害が出たら改善することで成熟するものですが、美容外科はこれから、まだまだ成長できる分野です。

以前、講演で「日本の美容外科は成熟期に入っている」と話したことがあるのですが、「まだ成長期の真っただ中」と修正しないといけないかもしれませんね。

では、今回はこの辺で。
次回のnoteもお楽しみに!

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