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事業家としての価値観の変化

■はじめに
"もっと大きな、地球規模での課題にチャレンジしていきたい。"

今年に入り、その思いが一段と強くなり、一種の強迫観念としてまとわりつき、ついには、僕の中の強い価値観にまで落とし込まれていきました。

こう見えて、もともと正義感は強い方で、「ミドリムシをもって世界を救う!」的なことに、ずっと憧れを頂いているような人間で。でも、その正義感を向けるべき先が見つからないまま、見てみないふりをしている自分がいることにも気づきました。きっとそんな自分が許せなかったんでしょう。

そんな心境の変化も踏まえた上で、20代後半の人生を賭けてチャレンジし、絶賛全力コミット中のブクマ!について、なぜ僕がブクマ!の事業をやっているのか、その意義を自分自身の価値観の整理の意味を込めて、筆をしたためます。

※同業界にいる方は、同じような考えを持っている方が大半かと思いますが、しっかり自分の言葉で書くことに意味があると思い、数年ぶりのブログにチャレンジてみましたので、お時間ある際に一読いただけるとうれしいです。

■ブクマ!という事業の意義
①個人をエンパワーメントできる可能性
中高時代〜学生時代に、ヤフオク!、楽天オークションを使って小遣い稼ぎをしていた経験、これが今の自分の価値観の形成に大きく貢献しました。

例え少額であったとしても、自分でモノを売って、お金をもらうということがどれだけ人を夢中にさせ、充足感、満足感を得られるものであるか。いつからかインターネットは、人間の潜在能力を引き出し、人に夢や希望を与え、勇気づけることができる、個人をエンパワーメントできるものである、ということを肌身を持って体感してきました。

また、大学生時代に出場した学生向けマーケティングコンテストapplimでは、難民キャンプにおける、物質的な貧困が、心理的な貧困(真の貧困)を引き起こしているのではないか?という課題を設定し、寄付として服を届けるだけではなく、服を通じて「迷い、選ぶ楽しみ」をファッションショーを通じて届けることで、芯の貧困の解決とユニクロの価値を再定義するプロモーションアイディアをつくりました。

自らの意思をもって何かを選び取ることと、人生での選び取ることの数を増やすこと。商いは意思決定の質と数を増やしていく最適な手段の一つだと信じています。

自分の好きなモノを、好きな時間に、好きな人に売ることができる。人を夢中にさせ、充足感、満足感を得られるものであるからこそ、一部の人だけしかチャレンジできるものではあってはいけない。誰もが持つ個人の自尊心を保ち、勇気づけることで、人を人たらしめる、国の垣根を超えて、誰もがもつであろう課題を解決できる、そんな可能性の一端をブクマ!に感じています。

②資源の有限性と、消費行動の変化
先進国と新興国の資源格差について、誰もが一度は考えを巡らせては、もやもやした気持ちになったことがあるのではないでしょうか。僕はそんなもやもやを感じながらも、結局どうすることもできず、ただただ、この日本という国に生まれたことに感謝して、日々精一杯生きることしかできませんでした。

しかし、シェアリングエコノミー自体が、この地球規模での課題を解決する大きな一手になるかもしれないという考えに腹落ちしました。これはメルカリの代表取締役である山田進太郎さんから大きな影響を受けています。

これは先進国の人たちと同じ暮らしを新興国の全員が同じようにすることは資源の観点から不可能なことは明白です。だとすれば、新品を買って要らなくなったら捨てるという社会ではなく、要らなくなったら誰かに使ってもらうし、自分も良いものであれば中古の物を使っていくという社会になっていくと思います。

http://www.sensors.jp/post/shintaro-yamada-mercari.html

ちなみに、2014年の段階でカンボジアのEコマースはC2Cが主流になっているとのこと。B2Cの一般的なEコマースではなく、個人が掲示板で売買のやり取りをしているほうが一般的で、最近流行しているフリマアプリなどに近い形式で取引されているそうです。すでに新興国の現場で消費行動の変化が起こっているということ自体が、無視できない大きな事実。

一方で、シェアリングエコノミーという概念が確立されてから、リセールバリュー(一度購入したものを販売する際の、再販価値)を気にしながら購入し、利用するという人が増えるなど、新しい消費行動が見られるようになってきます。これ実はすごくおもしろいことだな、と思っていて。

大量消費社会においては、壊れたら買い替えるという消費サイクルのほうが、モノを大切に使うこと比べて心的負担が軽い、また、実際にモノを大切に使ったところで、自分の手元に見える形でのメリットが少なく、「モノを大切に使いましょう!」と言う論理だけでは、実はそこまで人は動かなかったのではないかと思っています。

書籍の例えとなってしまい恐縮ですが、1,000円で買った本を大切に読んで、読み終わったらブクマ!やメルカリで800円で売れる、なんてことはザラに起こっていて。そうなると、今までは大切に読んだ本を、ブックオフに持っていって10円査定されて嫌な思いにさせられる。このような状況では、リセールバリューなんてものは生まれず、大切に使うとお金になる、という目に見える形でのメリットが存在していませんでしたが、今では、それが誰にも平等な機会として存在するまでになっています。

資源を有効活用できるサービス、そのサービスを利用するための消費者行動の変化によって、もしかしたら地球規模で課題になっている資源の有効活用ができるかもしれない、その可能性をブクマ!に期待し、また自らの手で実現していきたいと強く思っています。

■最後に

僕らの日々の一つ一つの感情が、アイデアが、行動が、世の中の暮らしを変えることにつながっているか。いつか大きな自信をもって、答えられる日を迎えられるよう、もっともっと愚直に毎日を頑張ること。

数年後、当たり前のように、国内外問わず、みなさんに自分たちのサービスを使っていただけるような、そんな日を夢見て。