【神の遣い?】 ハリガネムシは川の生態系を維持する役割がある凄い生物だった
「ハリガネムシ」
言わずもがな、カマキリのお尻から出てくる数十cmの虫です。
*見た目がかなり気持ち悪いため、画像はあえて載せません。
気になる方は、お手持ちのスマホやPCから検索してみてください。
ハリガネムシに対する私の印象は、こんな感じです。
この印象はあくまで、ハリガネムシを調べていない状態、かつ、己の勝手な先入観からきています。
しかし、これではハリガネムシに失礼、かつ、せめてハリガネムシを知ってから、あーだこーだ言おうということでハリガネムシを調べてみました。
結論、ハリガネムシは自然界になくてはならない存在で、見た目を凌駕するほどの重要な役割を担っているムシでした。
ハリガネムシは川で産卵し、孵化した幼虫は水生生物に食べられるのを淡々と待つ
ハリガネムシは川に生息し、川で産卵します。
卵は、1ヶ月程度で孵化し、ハリガネムシの幼虫が誕生。
その後、ハリガネムシの幼虫は、ヤゴやカワゲラなどの水生生物に食べられるのを待ちます。
(生まれてすぐ、食べられるのを待つってすごい…)
無事、水生生物に食べられると、ハリガネムシの幼虫は水生生物の体内に寄生し、水生生物が成虫になるまで寄生し続けます。
しかし、これで終わりではないのです。
自ら寄生している水生生物がカマキリやバッタなどの肉食昆虫に捕食されてから成虫になる
なんと、ハリガネムシ自らが寄生した水生生物がカマキリやバッタなどの肉食昆虫に捕食されると、ハリガネムシは肉食昆虫の腸内で初めて成長するのです。
実はハリガネムシは、水生生物に寄生している状態では仮眠状態を維持するそうなんですね。
そして、肉食昆虫の腸内で成虫になるとともに、寄生している肉食昆虫をマインドコントロールします。
肉食昆虫を自分の故郷である川へ誘導する
ハリガネムシは、寄生している肉食昆虫をマインドコントロールし、川へ入水させます。
ハリガネムシによってマインドコントロールされた肉食昆虫は、普段近づかないであろう川に向かい始め、自ら川に向かって飛び込んでいきます。
一説によると、肉食昆虫は水を欲して入水するというよりは、川に反射した"光"に向かって飛んだ結果、入水してしまうということらしいのです。
肉食昆虫が"無事"に川へ入水すると、ハリガネムシは「この時を待ってました」と言わんばかりに、肉食昆虫のお尻から出てきます。
お尻から出てきたハリガネムシは、川で生殖活動・産卵をして一生を終えます。
これまでの流れを整理すると、こんな感じになります。
一見、ハリガネムシの一生は川で完結しそうなのですが、なぜ寄生を繰り返してまでして川に戻ってくるのか?
それには科学では説明できないような理由がありました。
肉食昆虫が川魚の餌になり、苔などを食べる水生生物の個体数が維持される
川へ入水した肉食昆虫は、お尻からハリガネムシが出ると、息絶えるまで川で浮き続けます。
この水面に浮いている肉食昆虫を狙っているのが川魚です。
川魚は、水面に浮いている肉食昆虫を餌にして成長します。
食物連鎖の世界というか、自然のライフサイクルを体感するのですが、ここで一つ疑問が。
ハリガネムシが居なかったら、肉食昆虫はわざわざ川に向かって飛んでこない。この場合、川魚は何を食べるのか?
答えは、ハリガネムシが幼虫の段階で寄生する水生生物を食べて成長するのです。
水生生物は川の藻などを食べて生きるため、水生生物が川魚によって食べられてしまうと、川がどんどん藻で溢れてくるようなのです。
さらには、水生生物がいなくなると、川に落ちてきた葉っぱなどの分解も遅くなり、川の環境が悪い方向へ進んで行くとのこと。
ハリガネムシが居ない世界線を考えると、ハリガネムシは川の生態系維持の大きく貢献していることが分かりました。
まとめ
ハリガネムシの一生と役割を調べてみると、ハリガネムシは神の遣いのような役割を担っていて、川の生態系維持になくてはならない生物でした。
川で生まれて、川で育たない。
水生生物に幼虫の段階で食べられ、水生生物を食べた肉食昆虫の体内で成長。その後、肉食昆虫をコントロールして川に戻る。
ハリガネムシは、何故このような進化を遂げたのか。
神が川の生態系を維持させるために、意図的に生み出したとしか思えない生物。
自然というのは本当に興味深いですね。
今回は以上です。
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