ディープラーニングから学ぶ、楽器上達方法
最近、ディープラーニングのプログラミングを個人的に勉強中でして、その中から、「なんかこれ、楽器を練習するときの考え方とかの参考になるな」と思ったことがあるので、紹介してみようかなと思います。
・・・すごく難しい話が始まりそうでしょう?
いやいや、そんなことはありません。
確かにディープラーニングの詳しい話をすれば数式とか出てきてうんざりするんですが、そこはもう相当ざっくり説明しますので。
ディープラーニングとは
まず、ディープラーニングって何か分かりますか?
SiriとかPepperとか、最近はAI(人工知能)を使ったアプリやロボットが注目されてますよね?
将棋とかでも、AIがプロ棋士に勝っちゃったり。
そのAIがどうやって将棋を学習したのか。
それは「機械学習」というものを使って学習しているんですね
要するに機械=コンピューター自身が学習を進めるってことです。
その機械学習の中でも特に、「人間の脳を模したニューラルネットワーク学習をたくさん使う方法」が、ディープラーニングです。
だから、ディープラーニングって、学習方法の一つの呼び方なんですね。
まあそれは頭の片隅に置いておいて、次からが本題。
ディープラーニングのだいたいの動き
大事なのは、「ディープラーニングって結局、どんな風に学習してるの?」ってことです。
それを楽器の練習の参考にしようということですから。
ディープラーニングって言うのは、人間の脳みそと同じような仕組みで学習しています。
ざっくり言うと、
「とりあえず やってみたけど ダメだった」
でも
「ちょっとだけ やり方変えたら 良くなった」
っていう経験の積み重ねで学習する方法なんです。
人間にとっては当たり前の学習方法ですね。
ただ、ここまで簡単な説明にしてしまうと、ディープラーニングからは何も学べません。
楽器練習の参考にするべきポイント
もうちょっと細かく、ディープラーニングの動きを文字にしてみましょう。ディープラーニングでは、
1. とりあえず何かやってみた
↓
2. こんな結果になった
↓
3. ちょっとやり方変えてみた
↓
4. ちょっと悪くなった
↓
5. 違う方向性でやり方を変えてみた
↓
6.ちょっと良くなった
っていう感じのことを繰り返すんです。
そうして、だいたいこんな感じでうまくいくなぁ~っていう風に自分だけのセオリーを確立するんです。
はい、この 1. ~ 6. が楽器練習の参考にするべきポイントです。
それぞれ詳しく見てみましょう。
1. とりあえず何かやってみた
これは何を意味しているかと言うと、
「ごちゃごちゃ考えず、とりあえず何か楽器から音を出してみろ!」
ってことです。話はそれからです。
よくいますよね?正解を探すばっかりで、楽器に触りもしない人。
それは学習のスタート地点にすら立っていないということです。
ディープラーニングが、そう教えてくれます。
2. こんな結果になった
とりあえずやってみた結果を、ちゃんと検証しましょう。
うまくできたのか、うまくできなかったのか。
どう、うまくできなかったのか。
結果を自分で判断することが大切です。
じゃないと、その後の学習が良くなっているのか、悪くなっているのか、分かりません。
「結果(=音)を自分で判断する」という行為を怠っている人は結構います。
自分が出した音を一切気にしない人、また、習っている先生に全ての判断を任せてしまう人など。
こういう人は、成長しないということです。
ディープラーニングが、そう教えてくれます。
3. ちょっとやり方変えてみた
良い結果を出すために、ちょっとやり方を変えてみましょう。
やり方を変えても必ずうまく行くとは限りませんが、何かしらの変化を起こさないと成長することはありませんね。
同じやり方を繰り返すのは非常に楽で、何も考えなくてもできます。
なので変化を起こすなら、意識的にやり方を変えてみることが大事です。
それを工夫といいます。
工夫なしでは、成長しないということです。
ディープラーニングが、そう教えてくれます。
4. ちょっと悪くなった
ちょっとやり方変えてみて、どうなったのか、それもちゃんと検証する必要があります。
2. と似ていますが、前と比べて良くなったのか悪くなったのか、曇りなき眼で見定め、決める必要があります。
練習方法とか奏法をちょっと変えることはあっても、変えて良かったかどうか、ちゃんと考えてない人もよく見かけますね。
「先輩に言われて変えてみた。良くなってるのか知らんけど。」
みたいな感じに他人任せだと、成長しません。
ディープラーニングが、そう教えてくれます。
5. 違う方向性でやり方を変えてみた
もし、やり方を変えてみて悪くなったのなら、それは変える方向性を間違えたということです。
方向性を180度変えてやってみましょう。
やり方を変えてみて、悪くなったと思ったら、やり方を元に戻してしまう人がいます。
現状維持なんでそれ以上悪くはならないんですが、、、それ以上良くもなりません。
やはり成長するためには、変化が必要です。
そのためには、逆転の発想から攻めるのもありということです。
ディープラーニングが、そう教えてくれます。
6. ちょっと良くなった
悪くなる方向性と逆の方向性で試してみると、大抵は良くなるものですが、どう変化したのか、やっぱりちゃんと判断をしなければいけません。
これでも悪くなる、もしくはあまり変わらないとなると、それは割と完成された状態と考えられるので、現状維持でいいと思います。
こういう感じのことを繰り返して学習を進めていくんですね。
逆に言うと、「これらが一部でも欠けると、学習が進みません!」
つまり、学習するって、かなり意識的に工夫しないといけないんです。
ディープラーニングが、そう教えてくれます!
過学習に注意!
このようにディープラーニングは、やり方に若干の変化(=工夫)を加えながら、繰り返し繰り返し学習を行います。
しかし、実は学習しすぎると逆に正答率が悪くなるという現象が起きてしまいます。
それを「過学習」と言います。
過ぎたるは猶及ばざるが如し。
ここがディープラーニングの興味深いところだと思います。
過学習について、もう少し説明します。
ディープラーニングでは学習用の「学習データ」と、学習結果から未知のデータに対してちゃんと正答できるかどうかを調べるための「テストデータ」というものを用意します。
学習データを使った授業を受けて、テストデータを使った期末試験に臨むって感じです。
で、ここで言う過学習とは、
「同じ内容の授業ばかり受け過ぎてしまった状態」
となります。
するとどうなるか。
授業内の質問には完璧に答えられるけど、期末試験の成績は悪い。
という状態になります。
つまり、学習データの正答率ばかり高くて、テストデータの正答率が低くなる現象です。
応用が利かなくなると言えば分かりやすいでしょうか。
この過学習状態となってしまった人も、よく見かけます。
どんな楽器でも基礎練は大事ですが、基礎練しかできなくなっている人。
基礎練を音楽にまで昇華できない人。
万年同じ曲やジャンルばっかりやってて、初見の曲やジャンルに対してのクオリティが著しく落ちる人。
どれも過学習状態です。
過学習にならないために
じゃあ練習をやめろということかというと、そうではありません。
ディープラーニングにおいて、過学習の対応方法は、
「学習データを増やす」
「学習データを適切なものに変える」
の2つが代表的です。(当然、学習を止めるという選択肢もありますが、、、)
要するに、学習に行き詰まったら、
「練習方法の種類を増やす、または、変える!」
ってことが大事です。
ただ単に同じ練習を大量の時間をかければいいってものじゃなく、ある程度まで成長したら別の練習をしないと、過学習状態になってしまい、結果的に腕が落ちますよって話です。
怖いですね~。
まとめ
ということで、ディープラーニングを参考にして、効果的な楽器練習方法が見えてきました。
1. とりあえずやってみる
2. 検証する
3. 工夫する
4. 良し悪しを判断する
5. さらに工夫する
6. 良し悪しを判断する
… 5. 〜 6. の繰り返し …
7. ある程度成長したら、別の練習方法に移る
これを見ると、まず第一に大切なのは「工夫」と「検証」ってことが言えそうです。
そして後々、練習方法の種類を増やしていく。
これであなたも成長間違いなし!
ディープラーニングが、そう教えてくれます。
高知で音楽スタジオの経営を始めました。
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