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GIとは食後血糖値の上昇を示す指標で、グリセミック・インデックス(Glycemic Index)の略。

GIは、食品に含まれる糖質の吸収度合いを示し、摂取2時間までの血液中の糖濃度を計ったもの。

体内での血糖値上昇のメカニズム

ごはんやパンに代表される炭水化物が多い食べ物が口から入ると、食道を通り、胃や十二指腸で消化され小腸から吸収される。吸収された糖分はブドウ糖等として血管内に取り込まれる。

① 食べ物の中の糖分がブドウ糖として血液中に取り込まれる。
② ブドウ糖が増えることで、すい臓からインスリンが分泌される。
③ ブドウ糖は肝臓や筋肉、脂肪組織などの細胞に取り込まれるため、食事前の値まで血糖値が下がる。

これが健康な人の血糖に関するメカニズム。


血液中に糖が入ると、インスリンにより、血糖は多くの組織に取り込まれる。多くの糖を摂取した場合、インスリンが通常より多く分泌される。インスリンは脂肪合成を高め、脂肪分解を抑制する作用を持っている。したがって、組織で脂肪が蓄積されやすくなる。


インスリンの分泌が少ない、分泌のタイミングが遅い、インスリンの作用が低下するなどの理由から、うまく血糖の処理ができなくなると、血糖値が下がらなくなる。

食後数時間たっても、血糖値が下がらない状態が慢性的に続くのが、糖尿病と言われている。


血糖値が食後急激に上がらないような食事や質が糖尿病を防ぐためには大事なことだ。

食事や間食をすると、その直後から血糖値が上がる。その後、健康な人ならインスリンが十分に働いて、食後2時間もすると食べる前と同じ値まで戻る。治療をしていない糖尿病の人は、血糖値が低下しない。

血糖値の正常値は?
空腹時血糖値 99mg/dL以下
(日本人間ドック学会)
食後2時間血糖値 7.8mmol/L(140mg/dL)
(International Diabetes Federation)

インスリンの作用が正常に働くようにするには、食べ過ぎに注意し、肥満にならないようにすることが重要だ。血糖値が急激に上がりにくい食べ物を知って上手に生活に活かすことが、肥満や糖尿病の予防、ひいては健康維持につながる。

GIが高い食品は、一気に血糖値を上昇させるため、血液中の糖を処理するために多量のインスリンが分泌されたり、分泌が追いつかなくなるということが起こる。


逆にGIが低い食品では、糖がおだやかに取り込まれ、血糖値の上昇もゆるやかになるため、インスリンが分泌しすぎることなく、糖はすみやかに組織に吸収される。


このように、おだやかに糖を取り込む低GIの食品を知ることは、健康的な生活のためにとても重要だ。


人間にとって欠かせない栄養素である炭水化物を、ゆるやかに吸収することは、急激な血糖値の上昇や脂肪をつきやすくする肥満を防ぐためにも大切である。


医療従事者向けオンラインコミュニティ「KIUZKI」共同代表 『将来、「自分事」として働いていけるようにするために、現状の課題を知り、学び、互いに高め合っていく仲間を募集中』 https://xpert.link/community/1412