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小説

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記事一覧

仕事の愚痴

「瑞希ー」  すらっとした長身が店の中から出てくる。私は名前を呼んで手を振った。瑞希も手…

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タウタ
2年前
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青いバラとプリンセス

 メリークリスマス! と言うにはちょっと遅いな。もう二十七日だもんな。元気にしてたか、俺…

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タウタ
2年前
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ママ、あのね(3)

第一話 第二話 「ママ、あのね」  志保の仕事の愚痴は減っていた。少し前に、新入社員の教…

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タウタ
3年前

ママ、あのね(2)

第一話  彼には、他に好きな人ができたと振られた。一学年上の先輩。私は顔も名前も知らなか…

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タウタ
3年前

ママ、あのね(1)

 電車を降りるとセミの声が吹きつけた。山全体が振動しているみたい。自動改札のない駅に来る…

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タウタ
3年前
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【小説】どうぞ

 鞄からイヤホンを出すために、私は畳んだ傘を腕にかけた。制服のスカートにも脚にも触らない…

タウタ
4年前
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【小説】紅を差す人(2)

 林を見張り続けてまた何日か経った。伊都乃は気づいたらいるし、気づいたらいない。本当に勝手だ。  林は毎日いっしょうけんめい仕事をしている。加賀谷の家のために働いてる。もしかしたら秘密をもらしていることをごまかすために、いっしょうけんめい仕事をしているのかもしれない。たとえごまかすためでも、加賀谷の家のためになってるから、なんだか複雑な気分だ。秘密をもらすのをやめて、ただいっしょうけんめい働くだけにしてくれればいいと思う。  証拠が見つかったら、林はどうなるんだろう。やっぱり

【小説】紅を差す人(終)

「無理心中ということで片がついた。嫌な思いをさせたな。許せよ」 「いえ……お勤めですから…

タウタ
5年前
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【小説】紅を差す人(1)

 太陽が地面に落ちて溶けて広がったみたいだ。重そうに実った稲が風に吹かれて波打っている。…

タウタ
5年前