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【読書日記】タコの才能

原題:Octopus! The Most Mysterious Creature in the Sea
著:キャサリン・ハーモン・カレッジ
訳:高瀬素子
太田出版

これまで読んだタコの本は、
  ①生態や習性
  ②漁・食・文化
に特化していた。
①は皮膚がどうとか、知能がどうとか、そういう話。
②はタコツボ漁、料理、祭祀や神話・伝説での扱い。
どっちにもさらっと触れてあるんだけど、この本が他と違うのは、人間がタコから何を学んでいるかが書かれているところ。
タコを真似て、瞬時に色が変わる素材や複雑な動きをするロボットアームが研究されている。
とても頭のいい人たちが寄ってたかって研究しているのに、本物のタコには敵わないらしい。
しかも、タコは皮膚の色を変えるのも、腕を使って何かをつかむのも、全部ひとつの体でやっている。
要素に分解しても人間には模倣できないのに、タコってすごい。
タコの動きは複雑すぎて、タコの脳の容量では処理しきれないらしい。
一部の研究者は「身体的知能」「インターネットに近い」と言っている。
タコの腕の付け根には神経節があるから、人間ほど中央集権的な神経回路ではないんだと思う。
判断機能が分散されているのと、ひとつにまとまっているのと、模倣する側としては後者の方がやりやすいんだろうか。


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