七尾旅人 - 入管の歌(Live 2023.3)

入管法政府案の強行採決が迫っています。どうしても容認できません。

「入管の歌」のバンド編成ライブ映像を公開します。

「兵士A」を映像作品化した河合宏樹が撮影してくれました。

明日の国会前抗議を始め、全国で日夜続けられているアクションへの連帯として。

あえて演奏日時と場所は入れませんでしたが、この日の奏者は、瀬尾高志(コントラバス)TAIHEI(キーボード)小川翔(エレキギター)です。
繰り返し歌い続けてきたこの曲ですが、彼らの助力でまた異なる角度から、歪な入管行政によって切り裂かれた小さな家族の描写に取り組むことができました。感謝。


〈概要〉

2021年、入管法改悪の強行採決の際に急遽作成されたデモ音源が七尾旅人のnoteに掲載され、その後ストリングスアレンジが施された完成ヴァージョンが2022年のアルバム「Long Voyage」に収録された「入管の歌」

切実な難民申請を受け入れられず、施設内で衰弱していく両親とアクリル板越しに切り離され、「いずれ自分もここに収監されるのだ」と怯える少女をモチーフにして描いたこの楽曲のライブテイクを、これまで七尾の「兵士A」「蒼い魚」などの映像作品化を担って来たドキュメンタリー映画監督・河合宏樹が撮影、編集。

我々の子供と同じように、日本で生まれ、日本しか知らず、日本語しか喋れないのに、その日本によって可能性のすべてを刈り取られる子供たち。
家族のぬくもりを奪われ、尊厳を奪われ、自由に移動し、学び、将来を思い描くチャンスを奪われ、安心して医療を受ける機会さえ奪われた子供たちが、日本国内にたくさん存在している。

この数日間、難民審査参与員らの発言や齋藤法相の虚偽答弁をきっかけに、現行の難民認定システムにおける言語を絶するほどの腐敗と不公正が明らかになり、「難民は見つけられない」とする立法事実は総崩れの状態にも関わらず、自公維を中心とする与野党による入管法政府案の強行採決は目前に迫る。国際的な人権感覚から大きく逸脱し、難民を支援するどころか虐げる国であり続けてきた日本が、その状況をさらに強化させようとしている。我々は不当な人権侵害を受ける家族、子供たちのひとりひとりを思い浮かべ、この先の日本社会のあり方について、自らに問うことが出来るだろうか。追い詰められながらも、全国各地で市民による抗議が続いている。



〈テキスト〉

◉七尾旅人note(2021)
「入管の歌」

◉七尾旅人note(2023)
「想像力の限界を超えて - 入管の壁の向こうへ、アクリル板の向こうへ」


◉「入管のうた」スタジオ音源収録Album
『Long Voyage』
http://www.tavito.net/longvoyage/
https://tavitonanao.lnk.to/LongVoyage



〈歌詞〉

アクリル板の向こうに
切り離されたパパは
大きくなったねと
その壁越しに 
私の髪をなぜて
だけど私も大人になれば
きっとこの場所に
閉じ込められるの

帰る国を失い
ニッポンの檻のなか

アクリル板の向こうに
切り離されたママは
1日ごとに
おかしくなってく
自分の髪を引き抜いて
だけど私も大人になれば
きっとこの場所に
閉じ込められるの

帰る国を失い
ニッポンの檻のなか


〈演奏メンバー〉
七尾旅人(歌、ガットギター )
瀬尾高志(コントラバス)
TAIHEI(キーボード)
小川翔(エレキギター)


〈撮影メンバー〉
河合宏樹
岩波芳輝

noteでの記事は、単なる仕事の範疇を超えた出来事について、非力なりに精一杯書いています。サポートは、問題を深め、新たな創作につなげるため使用させて頂きます。深謝。