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from one Nothing Happened to another




宇宙船地球号は発射される、人工衛星を見送らなかったことに後で気づく、現れた口に吸い込まれる、健康な食道を通る、とても長い、W2が折れる、E5も、ほかのもろもろも、ペットボトルは倒れて浮かぶ、光が速いかもしれない、広いところに着く、多分胃、広いがわからない、たまに遅いかもしれない、次元、留まる、動きだせる乗客、直されるペットボトル、また倒れて、違う方向に浮かぶ、中に住む何か、聖典を渡す、たぶん東南アジアの、受け取る、穴ができる、開いた瞬間か外に出てしまっている、椰子の木みたいなのが揺れる、外は聞いていた火星よりきれい、踊れと言われる、首を振る、水星に変わってしまっている、首の振り方から少年に君は女性ではないと言われる、そうかもしれないと思う、あなたはどうなんだろうと思う、あなたってなんだろうって思う、親しみが失せる、そんな親しみのまま少年と海で遊ぶ、砂浜を越えて海に浸かる、そのまま沖へ浮かばない、浮かばなくていい、沈む、沈めば海があるという、深いところこそ海だと、火花が散っている、多分海に着いた、君も起こしてみろという、暖かいからと、そういえばこれまで別に寒くなかった、火を起こせたら何もかもできるかもしれないと思う、少年が笑う、大きく笑う、喉にある、三日月がある、いつのまにか手を伸ばしまっている、表面を撫でる、ちょうどよく硬く濡れている、少年が朗らかに怒っている気がする、三日月が崩れる、奥から弱い光がある気がする、奥へ手を伸ばす、指先が何かに当たる、取り出すことができない、少年の内を外にする、外を内にする、ビー玉だったみたい、少年が内の外で笑っているのが聞こえる気がする、ビー玉を眺める、川の音の匂いがする、枝分かれても戻ってくる気がする川、魚がいない、ちしゃねこが流れる、それは思い出したこと、私ではない思い出、沈んだ何か?、それはあれであれはそれになっていたの、少し遠くにいた未来の人の思い出、2.5くらい、0.5が僕、0.3が私、0.3くらいを削る、丸くなるように気をつけながら削る、削って粉になったものを丸めて、それから0.1だけまた削る、同じようにして0.01くらいの粉が手元に、ちしゃねこは帰ってこない、だいぶ削っていたのに、ちしゃねこが帰ってこない、ねえ忘れていたの、聞こえていなかったの、揺れていたんだよ、崩れたんだよ、流れたんだよ、戻らないんだよ、戻ることにしていたよ、ちしゃねこが帰ってこない、ひっくり返ったんだよ、内は外だよ、外は内で、止まったんだよ、止まったまま、他のものばかりが動いているんだよ、気がするで固めたかっただけでしょ、忘れてしまうんでしょ、ちしゃねこが帰ってこない、帰ってくるみたいに帰ってこない、土が流れたから、川は初めから閉じていないから、耳を塞いでも意味がないよ、初めから声が多過ぎて何も聞こえないから、土は流れたから、川は止まったから、ちしゃねこは帰ってこないよ、騒いでも意味がないよ、初めから声が多過ぎて何も聞こえないから、光がなさ過ぎて何もかも見えてしまうから。目を少し開いて、耳を少しだけ塞いで。

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彼岸を前にすると言葉は踊ることしかできない

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