見出し画像

#タクシードライバーは見た「違反後の釈明」

タクシーで街中を走っていれば、毎日のように違反で取り締まりを受けている車を見る。
大人しく受け入れる者もいれば何かしらの釈明をしている者もいる。

ある時、お客様を乗せして走っていると、違反で捕まり、警察官から取り締まりを受けている車がいた。
運転していたのは40代ほどの男性で、真横を通り過ぎると、警察官に突っかかるようにイチャモンをつけるような態度。
そんな光景は何度も見ているので気にはしないが、
僕がお客様を目的地まで送り、走り回って約一時間後再び同じ場所を通ると、まだイチャモンつけてる。
しかも警察官増えてる。
窓を開けて様子を眺めていると、無線で話してる警察官が応援を要請している。

驚いた。

まずその時点で時間が勿体ない。
一時間もそんなことに時間を使っている。

正直どんな状況での違反なのか見てないから分からないが
イチャモンを付け警察官に詰め寄る様子から思った。

「(きっとコイツ、普段から違反してるぞ)」

決めつけは良くないことは分かっている。
ただ、当たり前のように違反をして、たまたま警察官が見ていないから切符を切られない輩が存在して、いつかそいつらが事故を起こす可能性があることを考えるとそう思いたくなる。
身から出た錆び。それを警察官が磨いてくれているのかもしれない。

そもそも、取り締まりを受けるのは交通ルールに反したから受けているわけで、それが違反でなければ受けない。
特に難しいことではない。
初めての道であれば、絶対に違反をしないというのは難しいだろうが、たまに許してくれる警察官もいる。
それ以外の、普段から違反行為を行っている輩は
結局長期的に見た損失を考えられていないということ。多少急いだって、時間が縮まることもない。

簡単な選択肢を誤っている。
普段からやっていることが
警察官が見張っている場所か、見張っていない場所かだけの話。
いずれ捕まる。
それでイチャモンをつける。

そして、何も産まれない時間もお金も失う時間を過ごす。

そこでやるべきなのは、素直に受け止め、日ごろの行いが悪かったと反省し、さっさと手続きを終わらす。
これ以外にない。
そこでイチャモンつけたりするからまた違反をする、もしくは事故をする。
タクシー運転手でも事故や違反をする人はだいたい決まった人。

取り締まりを受けたときには、もっと考えるべきことがある。
「いずれ起こしていたかもしれない大事故の前に、自分の運転のいい加減さに気付かせてもらえてよかった」
これくらいでなきゃいけないと、
タクシー運転手デビューから二日後には一日二回の違反、その後2週間で免停になりかけた運転手は思う。
お陰様でその後一年以上無事故無違反、さらに今も違反は、、この間駐車禁止を取られた。
三年ぶりの違反。

そんなことは置いといて、
もし、その違反することが当たり前になっている運転を続けていたら、事故を起こす可能性は格段に高くなる。
事故を起こすことによって車にキズが付く、自分がケガをするだけならまだ良いにしても、人を傷つけた後ににようやく気付いてからでは遅い。
本当に遅い。

事故によって同乗者をケガさせてしまった後に、ましてやそれが家族や恋人だった場合に、
人を轢いてしまった後に、
悪ければ人の殺めることになってしまった後に
悔んでも本当に遅い。

違反で捕まることは、
その可能性を減らしてくれた、気付かせてくれた機会として捉えなければならないと僕は思う。
最悪の事態を想像してみて、それがどれ程大きな損失になるかの判断をしておかないと取り返しのつかないことになる。

なのに、イチャモンばかりつけている。

タクシー運転手として都内を走り、安全運転を心掛けても何度も危ない目に遭い、危ない瞬間も目撃してきた。
感じるのは、ほんの一瞬の間違いが大きな事故に繋がること。

交通ルールを守ることは周りの歩行者や他車を含め自分や家族の命を守ることだと思っていた方が得だと思う。




この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?