_タクシードライバーは見た__60歳を越えたタクシー運転手の幸せな働き方_のコピー__15_

#タクシードライバーは見た「港区女子が神をつくる」

やっぱり都心部のお客様は落ち着いていて気が楽。
「金持ち喧嘩せず」ではないが、
やっぱり両方を見ると比較が出来てしまい、
良さも悪さも見えてしまう。

郊外でも、いわゆる富裕層が集まる地域へ帰る方はとても余裕がある。
一方で、港区という一般的に収入の高い人が集まる地域もあるが、
人によっては少し苦しそうな人も見る。

収入だけで見ると良い方だが、
支出と、さらに税金等で見た場合、
案外苦しいなんていう記事は見たことがあるがそれなのかもしれない。

こういうことを書くと、
タクシーというあらゆるお客様をお乗せする仕事を利用して
ある種の“高みの見物”のような感じになりがちなので嫌なのだが、
僕は歩合なのにサボリすぎて手取り2万のこともあれば、
税金をほったらかしにしたせいで会社に給与差押えの通知が来るし、
急に山に登りたくて休むこともある、
大して人にやいやい言える立場ではない
どちらかというとクズの部類であることは言っておく。

そんな僕が単純に、
タクシー運転手として日々走る中で見ているだけだが、
港区女子はまぁ~急かす。

もちろん、全員ではない。

見ていて、それ苦しいんでは?
というほどの方もいて、
中にはなんの証拠もなく
「いつもは10分で着くのに今日はおっせぇ」
と言い出す始末。

火に油を注ぐことはしたくないので、
「そう言われましても」と受け容れる。

受け容れるにも理由があって、
正直Googleマップでルート出してもその時間では到着はならないし、
あらかじめ走りながら、
このルート、この混雑状況のどこにこれ以上早くすることが出来る余分があるか?
というのは把握した上で走っているので
更に何かを言って来るならいくらでも反論する手札も持っている。
つまり“10分で着く”は嘘。

だから、その「おっせぇ」の発言がなぜ出てくるのを考えると
自分の予定に間に合いそうにないからイライラしていて
感情をぶつけているだけに過ぎないことは予想できる。
本当に10分で着いたことがあるとするならば運が良すぎただけか、
クソほど飛ばした結果だから。

正直、クソほど飛ばしてそのお客様が何事もなく到着しても、
それが当たり前であれば、いずれ事故を起こし大けがをするお客様が出てくる。
知らないだけでタクシーの事故で大けがをした人も中には存在している。

全てをひっくるめると、受け容れるのが一番良いのかもしれない。
感情をぶつけられて反論し、口論になって
お互い嫌な気持ちになるのも嫌だし、
気持ちよくその予定に向かってもらいたい。


だから僕は決めた!

どんなに近い距離のお客様でも、
近いのにやいやい言うお客様でも、
やたら急かすお客様でも、
これ以上は早くならないのに遅いというお客様でも、
自分が言い間違えたのに怒りをぶつけてくるお客様でも、
車間距離をつめてくるハイエースでも、
中指を立ててくる歩行者でも、

全てを受け容れる神のようなタクシー運転手になる。


は?

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