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#タクシードライバーは見た「お台場の白装束の女性」

この間、久しぶりに夜のお台場に行きました。
お台場海浜公園から見る景色は最高です。

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その時、ちょうどそのお台場海浜公園で体験したちょっとした心霊体験の話を思い出したので、今回はそのときのお話です。


これは、僕がまだタクシー運転手のお仕事を始める前の話である。

深夜に日雇いのアルバイトをしていた僕は、ちょうど今と同じような秋が近づいたころ、
お台場の有名な商業施設でアルバイトがあった。

大して面白くもない資材運びのお仕事が運よく規定の時間より早く終わり、
本来なら始発が動き出すころまで続く予定だったが、
たままた2時に終わることになった。

早く終わっても、時間分の給料が保証されているためラッキーではあるが、
電車は動いていないし、家からは20km以上も離れているお台場で、
しかも24時間営業のお店なんてほとんどない、
良いんだか悪いんだか分からない状況だった。

それでも、歩いて散策することが好きな僕にとっては最高で
しかも一度歩いてみたかったレインボーブリッジを渡れる良い機会が出来たと喜んでいた。

そもそも深夜に通れるのか?という疑問も浮かんだが、
日中から深夜までずっと外に居続けたため、スマホは電池切れで調べることも出来なかった。

とりあえず向かおう。

そう決めて歩き出した。
商業施設が立ち並び、コンビニのあるところは明るく、多少は人もいて、車も通るが、
レインボーブリッジに近づくにつれて暗くなり、人も車も見当たらなくなっていった。

レインボーブリッジまではお台場海浜公園のビーチに沿った道路の先にある。
左にビーチとフジテレビや海の向かいの高層ビル群を望み、
右は小学校や高層マンションが並ぶが深夜ということもあり音は何一つ聞こえない。

周りにも一切人がいない中で歩いていると、
ビーチ沿いから少し陸のほうへ上がったまばらに木が植えられたところに、
白い何かが見えた。

気になってそこに視線を注いでいると、暗くて見えにくいが
白装束でまとったように全身が白い服で覆われ、頭には三角形の幽霊の定番のやつを付けた女性がこちらに気付いた様子で、腰かけていた切り株の様なモノから立ち上がった。

えっ!と、

霊感はないが、なぜか不気味な感覚と、歩くのにちょうど良かった気温のはずが寒気を感じた。
ビーチとは言え、深夜も人が立ちよるような場所ではなく周りにも一切歩いている人いない。それを象徴するかのように、公園沿いには街灯が一切なかった。
僕の歩いている道路沿いに街灯があるくらい。
その道路沿いの街灯のこぼれた明かりでようやく白い布が見えるくらいだった。

その女性はこちらに視線を送りながら立ちつくしたまま。

一瞬の不気味さはあったが、初めて幽霊を見たことへの悦びと、
その幽霊があの三角形と白装束の「ザ・幽霊」といういで立ちで現れたことに、少し可笑しさを感じながら気付かないフリをして足早にレインボーブリッジへ向かった。

結局、深夜のレインボーブリッジは通れませんでした。

あの幽霊はなんだったんだろう。

というか、あんなあからさまに幽霊の格好して出てくるものですか?

三角形のやつ頭につけてたよ!

幽霊初体験を期待しすぎて可笑しなものでも見たのか?

真相はわからない。


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