アルバート_アインシュタイン__1_

夫のDVに怯え、逃げてきた女性をお乗せしたタクシー運転手の話。

60を超えるおじさん運転手に聞いた。

「この仕事をしてて、なにかビックリするような体験ってありますか?」

「まあいろいろあるけど、
DVに怯えて逃げてきた女の人を乗っけたときだな」

東北地方の訛りでその時の出来事を話してくれた。

(特定出来る地域名などは控えます)


「へー、ケガとかが凄かったとかですか?」

「いや、そんなんじゃないんだけどさ、10年以上前かな?
この辺で乗っけたんだよ」

「はい。」

「冬なのにさ、薄着で、部屋からそのまま出てきたような恰好してて、
それに裸足なんだよ」

「はい!」

「でも手上げるから乗せて、行き先聞いてみたら行くところがないって」

「・・・。」

「それで、とりあえず少し走ってたら泣き出したんだよ、
嗚咽するくらいで話かけても返事できないし」

「・・・。」

「ようやく落ち着いて話聞いてみると、夫がすごい暴力をふるってくると、
だからその場から逃げたんだけど、どこに行くこともできないんだって」

「はい」

「でも、お金もないし、どうすることもできないから、
って俺に相談してきて」

「はい」

「そんなこと言われてもさ、俺も何も出来ることないし、仕事中でさ、
まぁ家が近かったから、俺の家に連れて行ったんだよ」

「はい」

「薄着だし裸足だし、寒そうだったから、俺の服とか貸して、とりあえず、この後のことは、仕事から帰ってから話そう、って家で休んでもらったんだよ」

「はい」

「それでも、まだ怯えててさ、大丈夫かな~とは思ったんだけど仕事戻って、それから半日くらいして帰って来たんだよ」

「はい」

「そしたらさ、家にいなくなってて、」

「え、」

「どうしたのかな~、と思ってたら、その人、、自殺してたんだよ」

「えー、、家のなかでですか?」

「いや、電車に飛び込んだ」

「・・・」

「だから、俺も平気でいられなかったよ」

「まぁ、そうですよね~」

「やっぱり相当追い詰められてたんじゃないかな?
この先行くとこも何もないから」

「なるほど~」


「あとは~、終電なくしてお金ないのにタクシー乗って来た大学生も家に泊めたな、寮が閉まってて帰れないからって相談されてさ・・・」

「はい」

「タクシー代も全額まけてやったのに、
なんにもお礼言われなかったよ(笑)」

「ははは(笑)結構泊めること多いんですね!」

「うん~、まあ最近は無いし、今の時代はそんなことないだろうからな」

困った人を家に泊める、
そんな優しさを感じるおじさんだったが、
一つ気になるのは。。。

自殺の最後をはぐらかされたこと。
あんまり詮索するのも悪いと思って聞かなかったが、
自殺、、と聞いた後の情報が少なかった。。

つくり話か?
とも思うのだが、その理由はおじさんが本を読むことが好きで本の話もしたことがあること。

信じてないわけではないが、、、
泊めることはよくあったらしい。


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