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通貨『L』がタクシー業界を変える。

タクシー運転手をしていると、チップを頂くことがある。

お釣りを受け取るのが面倒だからと、2,30円の事もあれば
意気投合して5000円ほどになることもある。

金額だけでいえば、もちろん5000円の方が嬉しいのは当然だけど
チップをくれる優しさでいえば、どちらもその気持ちが嬉しい。
もっと言えば、「この運転手にはチップをあげたい」と思ってもらえたことが嬉しい。
仕事のやり甲斐に繋がるしお客様を想って良いサービスを提供したいと思える。

そんなチップに関することで、この前こんな出来事があった。


抜粋
「近くで悪いね~」とおじちゃんが乗ってきた。
「脚が悪くてね、このJPNタクシーは乗り降りが楽で
いつも助けてもらっているよ」と笑顔が印象的。
「すみませんね~、近いのに悪いね~」
を繰り返していたその口癖におじちゃんの背景が見えた。
降りる際、
「少ないけど、これでコーヒーでも飲んで」
と、くれた100円玉は何にも替えられない価値のある百円だった。

この時にもらった100円というのは缶コーヒーやお水を買えるくらいの価値がある。
けど、僕の中では同じ100円でもそれ以上の価値をその百円玉に感じていた。

チップで頂く“お金”の価値

今、世の中の価値を図る基準になるのはお金がほとんど。

上記の話で例えるなら、おじちゃんは百円玉硬貨で気持ちを表現し、受け取った方の僕の嬉しい気持ちも百円玉硬貨として保存する。
厳密にはモノに変えて保存することも可能だけど、それは一度お金として受け取ったから可能(そのお金で何かを買える)なだけ。
最初から100円分のうまい棒を渡されても、その気持ちは嬉しいし100円として同等の価値であることには変わりないけど、うまい棒が苦手な人が受け取った場合、一瞬にして100円としての価値は無くなる。
要らないモノだから。
(たまに要らないお菓子とかも貰うし、正直、それお客様が要らない物をくれただけでは?っていうモノもある)

だから、基本的にチップをくれる方はお金を渡してくれるけど、僕がこのおじちゃんから受け取った100円以上の価値を感じる百円玉は、100円としてしか保存はできない。
どれだけ優しさの気持ちを感じていようが。

そんな、金額以上に価値を感じるチップはきっとタクシー運転手ならみんなもらったことはあって、贈る方も受け取る方ももっとその優しさが表にでても良いと思うのだけど
その手段はない。今はお金としてチップをあげる以外に喜ばれる方法がないから。
それも、懐に入るか缶コーヒーに変わるか(100円分のモノを買う)の二つしかない。

そして、そんなお金も、増えれば増えるほど価値は下がっていく。
同じチップの話でこんなことがあった。

令和の始まって数日経った頃、何も言わずに平成31年硬貨の100円玉をチップとして置いて降りて行ったおじさんがいた。
(おじさんが粋なのか気付いてないのかは分かりません)


平成31年は5カ月しかない、そして、平成時代は終わった。
そんな年の他の年の硬貨より価値があるように感じる。
少ししかないから。
1000枚発行発行される百円玉より、10枚しか発行されない百円玉に価値を感じるという理屈は誰でも理解できると思う。

その日の夜、またそれに関して考える出来事があった。
10円玉のお釣りを用意しようと崩したところ、平成31年硬貨の10円玉が大量に出てきた。

他の年よりは少ないであろう平成31年硬貨の百円玉に価値を感じていたが、
そんなに大量に出てくるのであれば、例え5カ月しかない平成31年硬貨の価値も下がってしまう。
大量にモノが作られれば、一つあたりの価値は下がってしまうから。

今や1円玉が落ちているのを見つけて、「やったー!一円みっけ!」と喜び拾う人はほぼいない。
その時点でその一円玉に1円の価値もないといってもいいと僕は思う。

そんな、増えれば増えるほど価値は下がり、硬貨として保存することしかできないお金でチップが払われている。
もっとそれ以上の優しさがあるはずなのに。

言葉の贈り物

どれだけ、チップを貰うことの多い運転手でも、そのチップを貰えるほどの信用度がお金に変わるだけでは可視化されない。
積み重なることもない。
貯金はできるが、お金自体の価値としての貯金なだけで、本来そのチップに含まれた優しさの貯金はできない。
大量に発行されているお金自体の価値も下がっている。

そんな中で、チップとして(というよりこれからの世の中で)使われるべきものはこれだと思うサービスがある。

それが、レターポット。
簡単にいうと、文字を通過にして送ることの出来るサービス。

言葉自体が通貨となり、贈った数も受け取った数もその通貨の流通量が可視化される。
言葉を贈る人は、贈ることを当たり前としているgiveをしている方。
受け取る人は、受け取るだけのgiveをした方。
どちらも、「人に対して優しさや恩を送る」という信頼度が見えるサービス。

説明は省略させてください。こちらの記事で。

受け取った数が可視化されるということは、
受け取るだけのgive(信頼を得る行動)をしたということが分かる。

簡単にいうと、「ありがとう」と言われるほど、そのレターを受けとるほど信頼が積み重なる。

同じgiveでも、チップを受け取ることとレターポットを受け取る事には大きな違いがある。
100円のチップを頂いたとして両方を考えてみる。

まずは現金のチップ
100円玉で貰った100円としての価値しかないチップはその人が100円分の買い物をするか、貯金するしか方法はない。
しかし、チップを受け取ったならば、そこには少なからずお客様は感謝し、気持ちを送りたいという信用が発生しているはず。

図で説明してみる。

【チップは100円としてしか機能しない】

100円玉のチップで感謝の気持ちを受け取るということは、
気持ち自体は受け取ることは出来るが
可視化されず、気持ちの上でしかやりとりされない。

その運転手の優しさへの感謝として100円が贈られているのにも関わらず優しさの信頼度は積み重なっていかず、100円が増えるばかり。

【貯金は増えるが信用は溜まらない】

どんなに「ありがとう」の気持ちとして100円を受け取っても、「ありがとう」が積み重ならない、これは本当に勿体ない!

今度はレターポットを利用しているとして、同じく100円分のレターを受け取る。
換金できる機能がついていないレターポットでは、最初こそ、頂いたチップの価値を感じにくいかもしれない。
しかし、チップとして受け取れば受け取るほど、そのレターの数は溜まり
そのレターの数が多ければ多いほど信用が高くなる。

【100円分の信用としても、誰かへ送る感謝の気持ちとしても機能する】

100円分のレターは、受け取った人からまた次の人へ「ありがとう」を送ることが出来る、受け取った数は信用として数値化される。
100円玉のチップと同じように感謝を受けているが、レターではその運転手が受け取った「ありがとう」が可視化され積み重なっていく。
いずれ信用評価が高いタクシー運転手を選べるような仕組みが確立すれば、その運転手は依頼される数が増え、すると売上(=収入)も上がる。
同じように頂いたチップでも、その優しさが可視化されるかされないかだけで、後の運転手の収入にも関わってくる。

【レターが溜まると信用が増える】

そして、その溜まった信用は後にクラウドファンディング等を使えば現金に変えることも可能になる。
現実的な話で言うと、信用度の高い運転手さんが8月に旅行に行くことになった際の航空券の資金をクラウドファンディングで調達することが出来るかもしれない。
クラウドファンディングまでやらなくても、ポルカというさらに簡単にWEB上でお金を集められる募金箱のような物もある。

運転手がお客様を想って仕事をし、その分還ってくる仕組みになれば
サービスをより良くしようと思えるようになるし、
そんな運転手が増えれば、利用者は安心してタクシーを利用できる。

すると、全体的にタクシーに嫌な思いをするお客様よりも良い思いをするお客様が増えていく。
夢物語に聞こえるかもしれないが、今の仕組みというだけで損している運転手も利用者もいっぱいいるんじゃないかと思う。

出来る出来ないは置いといて、どっちが良いかは明確!
だったら良い方を選んだほうがいい。

上記の話をまとめると、
お客様を想う接客をするタクシー運転手がいても、
“100円玉で受け取るチップ”だと「ありがとう」が見えないが、“レターで受け取るチップ”だと「ありがとう」が見えるようになる。

そして、その積み重なった信用はその後に大きな影響を与える。

という、言葉の贈り物の話でした。

よく分からない方は、こちらの記事も分かりやすいです。


使いこなせていないのですが、僕もレターポットやっています。
今後、レターポットでタクシーの信用可視化への実験を行っていきます。

ありがとうございました!


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~東京の坂図鑑~
本郷通り
東京都千代田区神田錦町および内神田の神田橋交差点から北区滝野川の飛鳥山交差点に至る道路の通称。
文京区本郷を通ることから、この名が付けられた。
江戸時代に整備された日光街道の脇街道で、徳川将軍家が日光東照宮に参詣する際に使用された街道。将軍が通過するので“日光御成街道”とも呼ばれる。
(Wikipedia情報)
湯島聖堂、東京大学、六義園を通る。
通り沿いに東大赤門を見る事が出来る。
(ヨナシロ情報)

引用 Googleマップ

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ヨナシロ【タクシーエピソードコレクター】

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