_タクシードライバーは見た__深夜の公園_のコピーのコピーのコピーのコピーのコピー__3_

#タクシードライバーは見た「人に見える」

夜になると、視界が悪くなる。
それに加え、疲れから視力も低下してくる。

出来るだけ近づかないと、しっかりと見たものを認識できない。

「あっ手を上げているっ」

そう思ってハザードを付けて近づくと、木である。

その後、

「あっ、お客様みつけた」

と思ったら、木である。

「なんだよ!」

と思っているうちに、本当に手を上げている人を通り過ぎてしまう。

木だけではない、街中の、道路わきに立っているものだったら
なんでも人に見える。

時たま、何かの紐がなびいていたりするが、
それなんてまさに手を上げて呼んでいるように見える。

「おい、なんだあれ!」

そう口に出してしまう。

そう、車内で一人、人に見えた、人に見えないというくだらない遊びが行われている。

そしてまた、お客様を見過ごしてしまう。

「あー、やっちまった」

タクシーを覗いてみると、独り言を喋っているのが見えるかもしれない。

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