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#タクシードライバーは見た「一瞬で世界が変わる車内」

タクシーでは、一日に3,40組のお客様をお乗せする。
多い人では5,60組。

そんなタクシーは車内でいろいろな会話や出来事が繰り広げられ
その度に車内は世界が変わっていく。

高齢者の方をお乗せすれば、その方の話相手として楽しく会話し、
少々明るい雰囲気となる。

いろんな会話で笑顔が絶えないグループが乗ってくると
賑やかな雰囲気になる。

一切喋らないグループが乗ってくると
重苦しくなる。

ヒソヒソと喋るカップルが乗ってくると、
妙に運転手を意識されてる気がしてなんだか気まずい。

その一つ一つに好きも嫌いもなく、
お客様が乗り変わっていく度に感じられるこの空気が面白い。

「ギャハギャハ」笑っていたグループをお送りした後に、
無音で一切喋らないカップルが乗ってきたりすると、
高低差が凄い。

さすがに胃がキューッとなることはないが、
ひとつのアトラクションを体験している感覚はある。

今まで何人の笑い声と泣き声と怒りと静寂を聞いてきただろう。

一片たりとも同じ世界は見たことない。
違うからこそきっといい。

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