タクシー運転手の_取扱い説明書

話しかけてくるタクシー運転手のトリセツ

この度は、タクシーをご利用いただき
誠にありがとうございます。

こちらでは、相性の悪いタクシー運転手と出会うあなた様へ
個性豊かなタクシー運転手の取扱方法をご説明してまいります。
タクシーは、乗るまでどんな運転手に出会うか分かりません。
ご不便、不愉快、苛立ち等起こしませぬようしっかりとお読みください。

このページで取扱いを説明する運転手は

話しかけてくるタクシー運転手

概要
タイプ・・・賢い、呑気、どうでもいい、経験豊富

見た目・・・様々

運転技術・・・たまに話すことに気を取られて間違える

お客様の消費する心・・・ちょっと学べる、癒される、楽しい、意外、面倒クサイ、めっちゃメンドクサイ

特徴

「とにかく声が大きい」
お客様と話すことが仕事の楽しみでもある運転手は常に腹から声を出します。車内がスピーカーのように響き渡ります。

「よく笑う」
おじちゃんの呑気にかわいい笑顔は仕事で疲れたあなたを癒します。
ガハハとガサツな笑いはあなたの悩みを吹き飛ばし、どうでもよくさせてくれます。

「ちゃんと聞いたら実のない話をしている」
お客様が反応しなくともどんどん一人で話す運転手。
よく聞いたら・・・何の話!?となることがあります。

「そんなことある?」な経験
タクシー運転手という仕事柄さまざまな経験を持つ運転手がいる。
なかには「うそだーっ!」と声が出てしまう話も。

「道を間違える」
お客様との会話が楽しみな運転手は、気づいたら目的地を通り過ぎることもあります。

お客様への効果

とにかく声が大きい運転手
このあと大事な仕事で集中したい、仕事帰りで疲れて眠りたい、
電話などやることがある。
といった方にはちょっと邪魔な存在となる。
しかし、運転手との出会いを楽しみたいお客様、
人との会話が好きなお客様であれば楽しめる。
ほろ酔いで気分がいいお客様とは意気投合することもあるが、
酔っ払いはどこに地雷があるか分からず怒らせてしまうこともある。

よく笑う運転手
声はそんなに大きくないが自分で喋り、自分で笑っていることがある
静かにしたいお客様であればじわじわと苛立ちを募らせるかもしれない。
一方で会話を楽しみたい人は笑い声に包まれるその空間が楽しいひと時になる。
「楽しいから笑うんじゃない。笑うから楽しいんだ」
とはよく言ったものだ。
そして、しっかりと見て感じてほしい。
よく笑う笑顔のかわいいおじちゃんが、
暗い表情の人間も多い日本を救うかもしれない。
令和の時代こそタクシー運転手だ。

どうでもいい話をずっとしている運転手
お客様がイヤホンをしていても、電話をしていても、寝ていても。
なんならうるさいからと無視をしていても、
一人で喋っている運転手。お客様を一番鬱陶しく思わせる。
しかし、考えてみてほしい。
「空気を読め」「言わなくても分かるだろ」
そんな暗黙の常識のようなものが蔓延る日本で自らの意志を貫き、
嫌われてでも自分の言葉を言える人間は数少ない。
どんな時も一人で喋り続ける運転手のような図太さがあれば、
あなたの人生を切り開けるかもしれない。

「そんなことある!?」な経験
タクシー運転手は様々な過去や人生経験を持つ。
お客様にとって聞いておけば役に立つ話に出会う可能性も十分にある。
そして、あらゆる人間ドラマを生で体験している。
世の中で一番怖いモノは・・・人間。。。
なんて聞くこともあるが、
一番興味深く面白いのも人間である。
スマホなんかに夢中になるより、リアルな物語を楽しんでみるのも良いかもしれない。

道を間違える
よく喋る運転手、お客様と話す運転手はそれが人生の楽しみである。
その瞬間、お客様との一期一会を大切にしている。
それを楽しむが故、そこに気を取られて道を間違える運転手もいる。
「運転手さん、面白いね~」
「優しい運転ですね~」
なんて褒めたら陽気になって
「え~い、ノンストップだーっ!」
と右折も左折もしなくなる。
つまり、行きたいところに行けないわけだ。
道を間違える運転手を責めたくなる気持ちは分かる。
だが、人生なんて、どう歩めば正解なんて答えはない。
何度も道を間違え、その都度正していくから自分の行きたい方向へ進んでいける。
今この瞬間が楽しめることが最高の人生だ。


話しかけられるのが嫌なあなたへ

どれだけ面白い運転手だったところで、お客様全員が話すことが楽しかったり、好きでないことは知っている。
話かけられるのが嫌で嫌でしょうがない人もいる。
仕事がある、疲れて眠りたい、といった理由を含め
ここでは話しかけられることが嫌いな人への対処法を説明する。

運転手に話しかけられることに対処する方法は主に3つある。

①相手を変える
一番難しいことかもしれない。
まず必要なことは運転手に伝える。
あまりに話しかけてくるのであれば、“眠たいので”“仕事をしたいので”
「話しかけないでください」と理由と共に伝える。
もし、その方法が取れずに「気まずくなるのが嫌」なんて言う人は
気を遣っているように見えて
“自分が伝えられない”ことを、“気まずくなるのが嫌”だから伝えない
という理由に置き換えているのかもしれない。(認知的不協和のようなこと)
二度と会うことがないタクシー運転手との間に気まずくなることでデメリットになることは何一つない。
運転手もバカではない、一言伝えればわかってくれるはず。
もし、そう伝えても話しかけてきたり、嫌な態度をされて
それにムカつくようなら容赦なくクレームをつけてしまえばよい。
(本当はその時間も無駄ですが。。。)

②自分を変える
相手に伝える事が一番簡単な方法ではあるが、それが出来ない人もいる。
そんな人は、眠ってみたり、イヤホンをしてみたり空気を感じ取ってもらう手段もあるが、そう簡単にはいかない。
アドラー心理学にこのような言葉がある。
「健全な人は、相手を変えようとせず自分が変わる。
不健全な人は、相手を操作し、変えようとする。」
タクシーでの僅か数分の出会いに当てはめることは違うかもしれないが、
基本的に話すのが好きな人に直接伝えずに感じ取ってもらうのは難しい。
もし、「話すことが嫌だけど話す」こと「黙ってくださいと伝える」ことを天秤にかけて
伝えることの方が難しいと感じるならば、相手に変わってもらうより
自分が変わってしまった方が手っ取り早く、楽でもある。
タクシーは会話を楽しむ時間に切り替えてしまおう。
モヤモヤしている時間がもったいない。

③何も言わずに吐き出す
相手を変えることが気まずくて、話したくはないが話すお客様もいるかもしれない。
そんなお客様はもう吐き出してしまった方が早い。
家族、友達、仕事仲間。
それに今は、SNSでいくらでも吐き出せる。
もし嫌な運転手がいたならば、「これこれが嫌だったー」と書く。
ちょっと余裕があれば、おもしろおかしいエピソードに変えてその話題でお酒の席が盛り上がるかもしれない。
Twitterでバズるかもしれない。
本当にムカつく運転手なら・・・・SNSじゃなくて直接クレームを!!


SNS上ではタクシーへの不満がいくつもある。(※※)
接客に関することや道の知識、話しかけてくる事への不満もある。
プロなんだからと相手の批判をすることも可能だが
それを面白がることも選択できる。
タクシーで“移動時間を買っている”という表現にあるように
時間は増やすことはできない。
その時間を運転手への批判や、不満を考える時間に使うのか自分が好きなことや、やりたいことに使うのかは自分次第。

※※
これは今のタクシー業界を肯定したい訳ではありません。
尽きる事のないタクシー運転手や業界への不満を嘆くより
捉え方を変えてしまう方が手っ取り早く楽になるという意味です。

この取扱い説明書をよく読んで
少しでもタクシーの利用が楽になることを願っています。


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