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続編「高速を降り間違うと地獄へ続くよう」タクシー運転手のしくじり話

こんにちは、タクシーをエンタメにしています。
ヨナシロです。

本日は、タクシー運転手として起こしてしまった高速の降り間違いのしくじり話の続編です。

前回の振り返りと予告
ユビヶ丘という知らない地名を言われながらもなんとか「百合ヶ丘」という地名を聞き取れたヨナシロ。
ナビに心を寄せながら中央道の降り場「稲城」をめざしていた。
しかし、事件は起きる。
僕「(あれ、これ降りていいのかな、、、あ、
  ヤバイヤバイヤバイあーっ!)」
信頼できるはずのナビだったが、そのナビがヨナシロを困惑させる。

ーーー

タクシー運転手として初めての一人乗務、
緊張はしながらも問題なく夜を迎えた。

その夜にお乗せしたお客様は小田急線の百合ヶ丘駅近く。
高速を使って帰ることをご希望された。
幸い、以前住んでいた地域に近く、車で通ったこともあるため全く知らない地域ではないことに少しだけ安心感があった。

ただ、稲城という降り口で降りたことはない。

そこだけが不安だ。

ナビが指示を出すなか、高速へ乗った。
高速は高架になっている。
その高架に登ってゲートをくぐるときは、なぜか変な高揚感に包まれる。
それは今もそう。

緊張感が高まると表現すればそれまでなのだろうけど、
そうじゃなくて、なにか特別な感覚があるような気がする。
難なく合流し、アクセルを踏む。
グーっと上がっていくスピードに鼓動の高まりを感じながら進んで行く。

一定の流れの中に入れば、あとは目的の降り口まで安全運転で進むだけだ。

深夜ということもあって台数は少なく、あっという間に目的の降り口が近づいてきた。
ナビ上に表示されている、高速を降りる指示は「調布IC」

(オレンジの高速を右から左へ向かっています) 引用 Googleマップ

ん?
ナビ上の指示は「調布IC」で降りるようになっている。
しかし、お客様から言われた降り口は「稲城IC」

どういうことだろう?

まだタクシー運転手デビュー1日目の自分にはどの判断をすれば良いのかが全く分からない。
その上「稲城IC」の場所も分からない。

高速道路は普通、降り口を緑の掲示板で大きく案内してくれる。
残り1km、残り600m、残り200m。

そのはずが、まだ「稲城IC」の案内が見当たらない。
しかし「調布IC」の降り口が迫っているのがナビ上でも、案内板でも見て取れる。

「(これはどうすればいいんだ。
「調布IC」で降りればよいのか?
その前に「稲城IC」ってどこだ?
ナビはお客様の住所を入れている。
ならばナビに従えばよいのか?
しかし、お客様は「稲城で降りてくれ」と言っていた。
お客様に聞けばよいのか?
あ、お客様寝てる。)」

という思考を回しながらも、車は次第に調布ICへと近付いている。
あれ、どうすればいいんだ?

そもそもナビどうのよりも、「稲城IC」の場所さえわかればそこで降りればよいだけなんだけど。
どこなんだ?
あ、調布ICが見えてきた。

どうしよう、ナビ通りここで降りようかな。
でも、勝手に降りるのは良くないかもしれない。
お客様は「稲城」と言っていた。

分からない、どうしよう、あ、調布IC目の前だ、
あ、えっと、やばい、、ヤバイ、、

ヤバイヤバイヤバイヤバイ、ああーー!

テンパりながら、調布ICを過ぎていくことになった。

でも「稲城IC」はまだ出てきてない。
きっとこの先にあるはずだ。
そう気持ちを切り替えればよかったのだろうが、
調布ICを降り損ねたことで、さらに混乱していく。

ナビは、一度通り過ぎたとしても次のルートを提示してくれる。
そこにはようやく「稲城IC」で降りるよう指示変更されていた。

これを見て、もう安心のはずだ。
しかし、「調布IC」で降りなければいけなかったかもしれない。
という無駄な思い込みによってまだ平常心を取り戻せていない。

するとすぐに稲城の案内板が見えてきた。

「調布IC」から「稲城IC」までは、高速で普通に走っていればすぐだ。

(オレンジの高速を右から左へ走っています) 引用 Googleマップ

調布ICで降りなかったことで、間違ったのではないか?
とテンパっている僕にとって、この時間がほんの一瞬に感じるほどあっという間に訪れた。
ナビ上にも稲城ICの表示が出ているし、高速の案内板も確認できる。

よし、ここで降りよう。

と、少し平常心を取り戻しかけた矢先。

ん??

ん???

案内板の表示に目をやると、そこにはややこしい指示が出されている。

(稲城で降りる際の案内板) 引用 Googleマップ 写真

これは?どういうこと?

お客様は確か、「稲城で降りて稲城大橋を渡って」
と仰っていた。
「稲城IC」の表示ではあるものの、稲城大橋へ行くにはもう少し先まで進んで左方向になるという矢印が出ている。

これまた大変。

再びテンパり地獄に突入する。

「(あれ、これ稲城だよな。
ここで降りればいいの?
でも稲城大橋は真っ直ぐ行って左の矢印が出てる。
ということはもう少し先まで進んだほうがいいのか?
というか、調布で降りたほうが良かったんじゃないか?
やばい、どうしよう。)」

そんな思考を1秒ほど回すだけでこの案内板を通過した。

「(いや、でも案内板には真っ直ぐいって左という表示が出ていた。
この先真っ直ぐ行けば稲城大橋に向かう道が出てくるはずだ。
大丈夫、稲城大橋へ向かう側道が出てくる。
しっかり左車線を走っておこう)」

「(大丈夫、側道は出てくる。。。)」

「(左車線を注意深く走ってけば稲城大橋へ向かうことが出来る。。。)」

「(そう、大丈夫、、、)」

「(左車線を走っていれば、、、、)」

「(稲城大橋へ向かう、、道が、、、)」

「・・・・・・・・・」


出てこない!!!!!!!!

きっとあの案内板の下の側道を行った先の矢印だったんだ。

もう稲城で降りるための側道は出てこない。

やってしまった。。。

この先降りる場所は、「国立府中IC」という指示がナビに出ている。
距離は約7km!!!!!

7kmも高速を降りることが出来ずに、お客様の目的地から遠ざからなければならない。
遠ざかっていくことが分かっていても、アクセルを踏み続けなければならない。
そして深夜で辺りは暗い。
何故か他に車が走っておらず、
1人、国立府中へと向かう。

ああ、地獄へ続く道のようだ。

ただ、まだ問題が残っている。
これだけ遠ざかっている状況の中、お客様が眠っている。
とりあえず、「料金はいつもの金額で大丈夫です」と言うことだけは決めているが、この惨状に気付いたときにどうなるのだろう。

頼むから起きないでくれ。
必ず目的地に向かうから、
料金もいつもの値段で大丈夫だから、
目的地までは静かにしていてくれ。

そう願うとともに、再びアクセルを踏む力が強くなる。

しかし、どれだけ走るもなかなか次のICである「国立府中IC」が現れない。
それもそのはず、これだけ離れているのだから。

(オレンジの高速を左から右へ走っています) 引用 Googleマップ

7kmという距離だけ聞けばそんなに遠くも感じない。
しかし、目的地から遠ざかっていくということが圧し掛かった時。
それは途方もない距離に感じる。
そしてなかなか現れない「国立府中IC」

ああ、本当に地獄へ続くようだ。

そう嘆くしかない状況の中、急にお客様が目を覚ました。

やばい。
声もかけてないし、ひっそりとしていたが、なぜか目を覚ました。

客「んん、、あぁ、あれ、ちょっと高いな~どこ走ってんの?」
僕「あぁ、すみません、お客様、稲城を降り損ねてしまいまして、国立府中まで向かっております」
客「はぁなんで?てかこの金額払わないよ?」
僕「はい、大丈夫です、いつもご利用の金額だけで結構ですので」
客「なにこれ、国立府中まで向かってんの?」
僕「は、はい、そうです」
客「大丈夫なの?目的地まで行けるの?」
僕「はい、それは大丈夫です」
客「ほんとこんなに払わないからね?」
僕「はい、大丈夫です」

寝ぼけているせいもあってか、そこまで激昂はしなかった。
少しだけ救われた。

それから、緊張は解けるも、やたらと長い下道を背中に汗をかきながら進み。
なんとか目的地に辿りついた。

お客様を起こすと、特に問題はなく、
「いつもは9000円ぐらだから」
というだけで、終えた。

金額は7000円ほどオーバーしていた記憶がある。
それを初日から自腹で払うことになった。

以降、高速道路での間違いは一度もない。




ーーー

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ヨナシロ【タクシーエピソードコレクター】

『タクシーをエンタメにして、新たなエンタメのジャンルをつくる!』 運転手や利用者のエピソードを集める「タクシーエピソードコレクター」、#タクシーで記事を漁っています。 自身のエピソード「#タクシードライバーは見た」も月~金更新中! タクシー運転手(東京) 沖縄出身

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