何暗

生きる勇気がある。

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  • 何光さんの話

    日記的な話ですが、何暗さんの話ではありません。 何光さんの話です。 虚実入り乱れています。

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    随想的なもの、評論的なもの。 わりあい大事に書いています。

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    小説、詩めいたもの。またはそれに関する話。 興に即して書くから即興です。

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    和歌がすきですきですきなので、好きな和歌のことを書いています。

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はじめまして、何暗さんと何明さん

自己紹介の記事というものに、はじめて必要性を感じたので、書くことにした。 わたしは長年、自分の名前が好きではなかった。別に名前の文字続きがいやなのではない(好きでもないが)。自分に社会的な名前が与えられていること、その名前がこの肉体、社会的存在としての自分に紐付けられていることそのものがいやだったのであって、自分の名前が諒太郎でもピカチュウでも何でもいやだっただろう。名乗るとき、わたしはわたしがここに存在するという事実を認めなくてはならなくなる。自己紹介するときはいつも、自

    • 書くと飢える

      本を読めなくなって長い間がたった。 読めないというのは、自分なんかがこんなにいい本を読むのが申し訳なくて、早く死んでこの蔵書を野に放つべきではと思わずにいられなくて読めない、の略だ。 読めないので、昔本が好きだったなんて信じられないくらい読まなくなった。 読まなくなった結果、読めなくなった。 今度の読めなくなったは、どこかに静止してじっと文字を追いテキストを読むという地味で退屈な作業にたえられなくなった、の略である。 こうなると、どう考えても、もう本など好きではない。

      • 眠らずに本を読みたい

        汚染水コントロールできてないならどこの国もみんな万一に備えて自国民の健康を守るため、ってボイコットしてくれないかな… オリンピックいらない… というのはともかく、今締め切りに追い込まれていて、読んで書かないといけないのに、読めない。 全く読めない。寝てしまうからだ。 わたしには、本より好きなものも、大切なものもなかったはずなのに、寝てしまう。とてもつらい。 思い返してみれば前からそうだった。まともに文章を読めたのいつが最後だろう。集中したり、おもしろいと思ってしまうと寝

        • 抑圧は人を詩人にしない

          高校生の頃、現代詩フォーラムというサイトがあって、そこで時々書いていた人がいた。 実はその人は隣の高校に通ってて、わたしの友達の友達だった。わたしはその人の詩を自分の同時代人の詩だ、と感じていたが、まさか本当に、そこまで近かったとは思いもしなかった。 色々あって、ほんの数分だけ会えたその人は、とても美人だった。 彼女とわたしは、とりあえずツイッターで相互フォローの関係になった。しかし、わたしに話しかける勇気はなく、ずっと片思いのように見つめて、ごく稀にいいねしていた。 そ

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          あなたに語る言葉を捨てる

          noteを再開して間もない頃は、もう少し言葉を引き絞っていた。 しかし次第に、思考の贅肉を捨てるために、書くことで癒されるために、書くことで眠るために書くようになった。 こうやって書き散らすのは、休むためにはとてもよいのだけれど、実際のところ、つまらない。だれか、だれなのかも全くわからないだれか人間のために書いているからだ。仮に、その人のことをあなたと呼んでおこうか。 本当に楽しいのは、あなたのために書くときではない。言葉のために書いているときだ。 言葉は本質的に一人に

          あなたに語る言葉を捨てる

          後回しにしないでいいってこんなに楽なの

          さっき、手書きの文字で書けなくなっていることが、山積するタスクに気を取られ続けて能力低下→自信喪失→能力低下→タスク雪だるま→能力低下……のスパイラルを招いているんじゃないか、と考えた(こんなふうには書いてませんけど)。 そう考えたら、突然元気が出てきた。 ゴミ捨ての準備をして、部屋を少し片付けて、トイレットペーパーかえて、少し残ってたごはんを片付けて、目に付いたものに片端から手をつけた。 びっくりした。 やることを後に回さずに今やるのって、こんなに楽なんだ。 薄々そう

          後回しにしないでいいってこんなに楽なの

          文字を書けないことが全てな気がする

          ADHDかもしれない、と思い始めた。 ただ、一時的にADHD的な癖がついてしまうこともあるらしいので、ADHDぽい人向けライフハック的なものを見て学んでいる。 実際のところ、ADHDかもしれないかどうかは、そのうちお医者さんの手ではっきり明かされることで、今はわからない(薬代もなかなかだし、できればそうじゃないといいけど)。 どうしようもないのだが、たしかにわたしはASDというよりはADHDよりではあろう。しかし昔からこんなだったわけではない。 ADHDのチェックリストをみ

          文字を書けないことが全てな気がする

          認めたくないことに真実はあるのか雨のメトロノーム

          少し熱が出たり、少し紅斑が出た程度のことで、毎度わたしはGoogleにかじりつきになる。 これは何の病気なの、チェックリストから当てはまる項目を一心に探す。 好奇心任せのことだが、自分で自分をチヤホヤヨシヨシする娯楽でもある。 しかし、逆に、わたしが一心に見なかったことにするチェックリストがある。ADHDのチェックリストだ。 性格としては昔からおとなしいと言われてきた。そして同時にそそっかしいとか、手遊びしすぎだとか、人の話を聞いていないだとか、忘れっぽいだとか。 ずっと

          認めたくないことに真実はあるのか雨のメトロノーム

          消費税10%になったらわたしは日本円をやめる

          前々から考えていたことに深く関わるので、今はあまり詳しく言わないけど。 万が一このまま消費税が上がるなら、たぶんわたしはもう日本円をスーパーやコンビニで使うのを極力やめる。 できる範囲で物々交換すると思う。 生理用品とか、トイレットペーパーとか、人間が手作業で作れないものは仕方ない。上がらないうちに買いだめする。 お肉はこの際やめる。残酷とか、動物倫理の問題は難しすぎるので少しおいておく。 草を育てて、その草を動物に与えて、その動物を人間が食べるって効率が悪すぎてやって

          消費税10%になったらわたしは日本円をやめる

          さいおうがうまちゃん

          公園を歩いていたとき、昔好きだった人が犬をいぬちゃんと呼んでて笑った。 年下のわたしに合わせて、その人はのらねこをねこちゃんと呼んでいた。 それはわかるのだけれど、いぬをいぬちゃんは面白かった。 動物の名前って、ねこはねこってかんじでかわいし、いぬはいぬって感じでかわいいし、うさぎはうさぎかわいい、とりはとりかわいい。 たぬきやきつねもずるい。 名前をつける天才がいたんだなぁとおもう。 昨日は本気で体調が悪くて、いつもしゃべり足りないのに、息が切れて、これ以上しゃべれねぇ

          さいおうがうまちゃん

          ゑりこむこころみ

          眠りがおかしいので、病院に泊まり込んで検査を受けている。 22時消灯。スマホは電源を落とす。 普段は文章を書いていると寝られるので、何か書きながら寝ているけれど、今日は頼るものがない。 眠れない。腰が痛み出す。 心の底が暗い。 この寝付けない情けなさ、つらさを久しく忘れていた。高校生のころ、眠れなくて、眠れなくて、起き上がって布団を殴ったり泣いたりして疲れ果てたころ、ようやく眠れた。 横になると眠れないから、座ったままの姿勢で。 今はさすがにもう怒ったり泣いたりしない

          ゑりこむこころみ

          時代は荒川区だし築古雑居ビルじゃん、

          トレンドを追わなくなって久しいが、しかし、なんとなく自分の肌感覚として時代の空気をつかむ力はある、と思っている。 ハイファッションのことはわからないし、ファッション自体に興味を持てなくなってからだいぶ経っているから、ファッションの話ではない。 人間の生活に必要なあらゆるプロダクト全体に漂う、テンションみたいなものの話である。 それがつかめると言ってみたのは、わたしセンスいいってことを主張しようとしてのことではない。 こういうもの求めてるよね、そりゃはやるよね、という感じのも

          時代は荒川区だし築古雑居ビルじゃん、

          あいつの日本語をぶっつぶしてやるんだわたしは

          日本語一般にもいろいろいろいろいろいろ思うところがあるが、中でもいけすかない文章を書く人がいる。 学校の先生にいかにもチヤホヤされそうな、読書感想文みたいな文体である。なんでもないことにむやみな起伏をつけて、劇的な体をよそおう。 とはいえ実際のところ、そこではどんな美徳も醜悪もよろめいていないので、全く劇的ではない。 その人は自分では芸術が好きなつもりでいるようだけど、劇的なるものというのを理解する日は、あの人にはこないのではないだろうか。 価値観が揺らぐことを嫌がり、本

          あいつの日本語をぶっつぶしてやるんだわたしは

          蟲師の漆原先生の何年かぶりかに描かれた淡幽お嬢さんが、なんだかお年を召された雰囲気でよい、と思って、関係ないけど前書きかけたのを推敲してたら、またうっかり消してしまってかなしい…魔女宅は芸術家小説だってはなし……わたしnote向いてないわ、このUI慣れないわ……つら

          蟲師の漆原先生の何年かぶりかに描かれた淡幽お嬢さんが、なんだかお年を召された雰囲気でよい、と思って、関係ないけど前書きかけたのを推敲してたら、またうっかり消してしまってかなしい…魔女宅は芸術家小説だってはなし……わたしnote向いてないわ、このUI慣れないわ……つら

          海王みちるさんはわたしの誇りなので

          海王みちるさんとは、美少女戦士セーラームーンに登場する、地球、太陽系、最終的には銀河系を守るべくたたかう戦士である。クロスのパンプスとチョーカーがかわいい優雅なお姉様、セーラーネプチューンだ。 芸術を愛する筋金入りのお嬢様だけれども、セーラー戦士の中では特にシビアな態度を堅持する人である。 そして、わたしの敬愛してやまない人である。 彼女には、大事なパートナーがいる。天王はるか、セーラーウラヌスだ。タキシードさんよりもイケメンとの説もある金髪ショートの美人さんである。

          海王みちるさんはわたしの誇りなので

          年若いものがいてくれること

          わたしは長らく抑鬱的な状態にあった。しかしここ数ヶ月で、めきめき元気になりつつある。 きっかけはわかっている。 四月から、10ほど年の離れた女の子たちに教えていることだ。 以前は、むしろ誰かに教えなくてはならないということが、苦しみの種だった。 この仕事を始めてからも、最初は疲労感と不安が勝っていた。 しかしいつからだろうか、自分よりも年若い人たちが身近にいてくれるということが、わたしの大きな支えになってくれていることに気がついた。 後輩たちのことも、かわいくて仕方がない

          年若いものがいてくれること