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インターホンの時刻設定UI → ×

組み込み系のユーザーインターフェース設計者には、悩ましくもあり、コスト面や過去との整合性など諸々の事情により結局これが現実解なのかと思われるサンプルです。

最初に使い始める場合か、全てをリセットして初期状態に戻す場合ぐらいしか、利用者がこの「時刻設定」画面にお目にかかることはありません。コストパフォーマンスで考えれば「まあしょうがねえや」で済む場合も多いことでしょう。しかし、中間業者ではなく、最終消費者に設定を任せるのであれば、このユーザーインターフェースは望ましくありません。

良くも悪くもスマートフォンに慣れてしまった我々が、この種のユーザーインターフェースに対面すると、何の抵抗もなくタッチパネルだと思って、数字をカウントアップ/カウントダウンする黒い上下の矢印を直接タップしようとしてしまいます。

しかしこのパネルはタッチパネルではないので、押せません!数字を1から2にカウントアップするためには、下部にあるタブの「+」が割り当てられている物理ボタン「室内呼」を押さなければなりません。

私は中高年でかつ、専門家として古いUIの原理原則を蓄積しているので、この種のユーザーインターフェースを知識として理解できますが、若者層ではなぜそうなるか理解が困難になっているのではないかと危惧します。もはや意味がわからないのではないでしょうか。


※本記事は筆者ブログからの転載です。
Originally published at ktazuke.goat.me on Jun 30, 2018

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