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現実の世界につながれないと感じるとき読む手紙

この手紙には二通の封筒があるようです。

あなたはこのどちらか好きな方を読むことができますし、両方読んでみてもいいでしょう。あるいは今読むものじゃないなと感じたら、読まないでそのままにしていてもかまいません。

あとになってから読まなかった方を読み直してみることもできます。

それぞれの封筒には手紙の最初の一文が記されています。気になった方を目次から選択して開封してみてください。

あなたは今、自分が現実の世界から切り離されたように感じている。

自分の中には深いイマジネーションの世界が広がっている、でもそれを形にして他の人の目に見せることができない。
あるいはあなたの前にあるものがボンヤリと非現実の世界に見えて、はっきりと形を取らずいつも移り変わってしまう、そう感じているのかもしれません。

今あなたは、自分自身の無意識の中を探索しているのでしょう。
心の中の夜の部分に、どんなヒントや宝物があるのか探しています。
そのため、物事の形が明るくはっきりする昼の世界に自分が関わりを持てないと感じている。
でもだからこそ、あなたの中の薄闇の彼方へ続く、無限の世界を冒険できるのではないでしょうか。

この無限の夜の世界の冒険を、あなたは本当は楽しんでいるのかもしれません。
「やっとビカビカと騒々しいまぶしい世界から離れることができた」と、夜の薄暗さの中に自分を溶かし込んで遊んでいる。
明るい昼の世界では持てない愛や喜びを探すために、あなたはこの世界へ自らの力でやってきたのです。

昼の世界ではギラギラした光によって影が作られ、そのコントラストの強さに惑わされることもあります。
光と影の強烈なギャップはあなたに余計なものを見せつけ、見るべきものを隠し、あなたをあちこちへ引きずり回してエネルギーを吸い取ることもあったのでしょう。
今のあなたはそうした白黒ハッキリした世界の疲れから切り離され、「全部見えるような気もするし、なにも見えないような気もするなあ」という温かい闇の中で自分の喜びを味わう時間を過ごしています。
こうした「夜の世界の楽園へアクセスする鍵」があなたの手の中にあり、それは喜びのためだけでなく、昼の世界の欺瞞を暴く力にもなるのではないかと思います。

あなたは自分がなにを欲しているのかわからなくなっている。

「これだ」と手に取ったものが、いつの間にか元の姿から変わっていき、「やはりこれではなかった」とあなたの意識の中心から離れていってしまう。
あるいは自分の興味の対象が定まらず、昨日好きだったものが今日は好きでなくなっていたりして、自分の身の置き所がいつまでも見つからないような感覚を持っているのでしょうか。

なにに焦点を向ければいいかわからなくて、移り変わっていくものをただ見送るエネルギーしか発揮できないとしたら、あなたは「なにか一つのものに集中することで、そこにエネルギーが吸い取られないようあえて焦点をぼやけさせている」可能性があります。

今のあなたのテーマは、なにかを楽しんだり喜んだりすること、あるいは誰かを愛したりすることです。
でもそれは強くのめり込むこととは全然違う「好き」なのでしょう。

好きの意識が一つのものに集中すると、そこに捕まって囚われてしまうのではないか。
もしくは自分の「好き」という感情がはっきりすると誰かにそれを利用され、エネルギーを奪われてしまうのではないか。
そうした束縛や略奪から、あなたの喜びや楽しみは守られているようです。

今のあなたは自分の喜びや楽しみ、愛を表現するために、なにかに集中してのめりこむ必要はありません。
あなたの「好き」がなにかの型に押し込められてしまわないために、あなたの意識は定まらずボンヤリとしているのです。

「お前はこれが好きだろう、さあ飛びついて来なさい」という罠のような誘惑にあなたは左右されません。
ただ目の前に流れて来たものを受け止めて「ああ、これはとても好きだなあ」と愛でたあと、それを手元に置こうと捕まえておくのではなくフワフワどこかへ漂っていくのを見守る。
あなたがそれを好きという気持ちで縛り付けず、また向こうからもあなたを縛り付けることがない。
そんな「好き」の形が今のあなたをふんわりと取り囲んでいるのではないかと思います。