夏らしい歌ってみた・オリジナル曲を紹介する会

8月半ばの夏真っ盛り!暑いけど爽やかな陽気が続きますね!

…と言いたいところですが、今年の夏はいつもと違って雨が多く、ちょっとおかしな感じです。気温が低めなのはいいですが、夏らしさはあまりないかもしれませんね。

そこで今回は、現実がダメならバーチャルの世界で夏を感じればいいじゃないということで、夏らしい歌ってみたを紹介したいと思います。できるだけ最近投稿されたものに限って紹介するので、新たな曲との出会いにもなるかも?

それでは参りましょう!

1.青と夏 / Mrs. GREEN APPLE ‐ MaiRさん

Vsinger、MaiRさんの最新の「歌ってみた」です。Mrs. GREEN APPLEさんの「青と夏」。

まさに王道の青春ソングといった感じで、爽やかさ、切なさなど夏が持つ様々な表情が詰まった楽曲です。

自分は映画やドラマの主人公では無いし、関係ないと思っている人に向けられた、「あなたが主役だ、恐れずに青春に飛び込んでいこう」というメッセージがあって、聴いていると勇気をもらえます。

そんなメッセージ性の強い歌詞ですから、MaiRさんも歌詞の一語一語をしっかりと歌っている印象です。

特にいいなと思うのが、“運命が突き動かされてゆく 赤い糸が音を立てる 主役は貴方だ”という部分。その直前のBメロではしっとりと歌っていたのが、パっと変わって力強い歌唱を見せてくれます。“主役は貴方だ”のときにMaiRさんがこちらを手で指してくれるのがとてもよくて、胸が熱くなります。

サビを中心に裏声をきれいに聴かせてくれるところが多くあって、存分に夏を感じられる仕上がりです。私はどちらかと言うと夏よりも冬が好きなのですが、それでも「夏もアリだな…」と思わされました。

また、MVもオリジナルで作られていて、そちらの出来も素晴らしいです。海、青空、ひまわりと、夏という言葉から連想できるものをこれでもかと詰め込んであって、爽やかなイメージを作り上げています。夕空に変わるシーンもあって、青一色にならないのもいいですね。青春は、いいことばかりではないので、そういったところも表現したいという意図もあるのかもしれません。

歌詞が原稿用紙に書かれていくのも、青春の中心である学生を意識してでしょうか。

で、ここからは勝手な考察なんですけど、このMVで描かれているひまわりは、青春を謳歌している人たちそのものを表現しているのではないでしょうか。MaiRさんの歌声に感化されてきれいに咲き誇る姿は、そのように見えます。

また、曲の始まりと、1番の終わり、そしてラストにひまわりが1つだけ映るシーンがあるのですが、これはこの曲のメッセージを届けたい存在=あなたを表しているのではないかと考えます。映し方としては恐らく全部同じなのですが、歌詞とリンクして、初めは自信なさげにポツンと立っているように見えますし、ラストでは曲から勇気をもらって、自信を持ってしっかりと仁王立ちしているように見えます。勝手な解釈ですけど、曲を通して変わっていく姿を、うまく表現していると思います。

爽やかさ100%のMVと、MaiRさんの力強く、切ない歌声が合わさった最強の夏ソング。ぜひ、夏が終わる前に聴いていただきたいです。

2.夏色のルージュ / yamada ‐ 月ノ輪乃愛さん

クマと見せかけてパンダのVsinger、月ノ輪乃愛さんの「夏色のルージュ」です。

私は、この曲を月ノ輪乃愛さんの「歌ってみた」で初めて聴いたんですけど、凄く面白い曲だなと思いました。

曲調は明るめなのに、描かれているのは別れを決めたカップルの最後のデートという切ない内容。

で、これは恐らくわざとなんですけど、言い回しがことごとくキザというか、はっきり言ってダサい。“君は僕のCatcher in the Rye!”だとか、“濡れた裾さえBeautifulGirlさ!”だとか、かっこよく決めようとしてるけど決まらないんです。でも、その感じが等身大で、親近感を覚えます。

メロディーが明るいのと、言い回しのダサさによって、別れがテーマにありながら聴いた感じが重くなりすぎないような気がします。イラストが漫画チックなのも凄くマッチしていますね。色使いがシンプルなのもグッド。

この曲の主人公は男性なんですけど、それを女性の月ノ輪乃愛さんが歌うのが趣があります。メロディーに合わせた優しさと、歌詞に合わせた切なさと、両方が入り混じったような歌声がとても心地よい。

月ノ輪乃愛さんのTwitterをフォローすると分かるんですけど、月ノ輪乃愛さんは毎日のようにお昼寝をしています。この「歌ってみた」は、聴き心地が軽いので、そんなお昼寝の時に合うような気がしますね。ぜひ、夏のお昼にまったりしながら聴いてみてください。

3.夏夜のマジック / indigo la End ‐ 小森めとさん

「ブイアパ」所属の小森めとさんの「歌ってみた」です。曲は「夏夜のマジック」。

またまた私は原曲を知らなくて、しかも「indigo la End」という歌手名を聞いてもピンとこなかったのですが、実はバンドの名前で、「ゲスの極み乙女。」のボーカル・ギターを担当する川谷絵音さんが所属するもう1つのバンドであるということです。

「夏夜のマジック」というタイトルからは、明るい曲調がイメージされますが、とても切ない曲です。夏を想像させるものに出会う度に別れた彼女のことを思い出す主人公。夏の夜が醸し出す雰囲気によって、もう1度彼女と恋仲になることを密かに期待する…という内容。とにかくサビの歌詞が天才的です。

小森めとさんは、ゲーム配信が活動の中心で、ゲームのスキル、トーク力に優れているVtuberさんですが、歌の方も高い実力を持っています。

どんな曲でも歌いこなせる、と言うよりは、合う曲を歌えば凄くハマるタイプで、この曲にも、その優しいウィスパーボイスの歌声がぴったりとマッチしています。コーラスもとてもきれい。

まさに夏の夜に聴きたい「歌ってみた」と言えますね。幻想的な気持ちになれます。

そしてもう1つ、この「歌ってみた」は、サウンドにも注目。小森めとさんと同じ「ブイアパ」に所属する花奏かのんさんが音源の制作を担当しています(多分)。特に、ベースの音は存在感が強いので、私と同じく音楽に詳しくない方でも感じとりやすいかもしれません。

小森めとさんは、普段の姿と、歌っている時に見せる姿にギャップがあって、だからこそ人を惹きつけます。この「歌ってみた」から小森めとさんを知った方は普段の姿をぜひとも見ていただきたいです。凄く面白いですよ!

4.夏祭り / JITTERIN'JINN ‐ 兎佐美さん

HandmadePotion所属のVtuber、兎佐美さんの新作「歌ってみた」です。JITTERIN'JINNの「夏祭り」を歌っています。

この曲は、歌配信でも「歌ってみた」でも多くの方が歌っている、言わずと知れた人気曲です。そしてこの「歌ってみた」で使用されている音源は、アレンジバージョンということで、定番の曲でありながら、少し違った印象も受けます。聴いていると某太鼓のゲームが思い出されますね。後は、盛り上がるところとそうでないところのメリハリも利いている感じがします。

歌声に関しては、兎佐美さんの凛とした感じが素敵です。普段の兎佐美さんはふわふわした話し方なんですけど、とてもそうは思えないくらい大人っぽさがあります。コーラスも原曲より多めでいい。他にも、間奏で加工が入ったセリフ?が入っていたり、遊び心も感じられます。

MVは、いつもイラストを担当している妹子さん(もこもこ妹子さん)の一枚絵をサビでバシッと見せながら、歌詞や、曲のテンションに合わせて線香花火の映像を使ったりと、作りがうまい。このMVも兎佐美さんが自身で担当しているのが凄いです!

兎佐美さんの「歌ってみた」は、毎回本人がMVを作ってらっしゃるんですけど、どれもクオリティが高いです。マルチな才能を持っていて、尊敬できます。

まだ兎佐美さんの「歌ってみた」を聴いたことがないよという方は、ぜひ、今回の「歌ってみた」を合わせて他の曲も聴いてみてください。視覚と聴覚両方で楽しむことが出来ますよ。

5.Henceforth / Orangestar ‐ 小純マアメさん

続いては小純マアメさんによる「Henceforth」を紹介します。

タイトルの「Henceforth」という言葉、聞きなれない方もいると思いますが、日本語にすると「今後、これから」という意味になるそうです。この曲は、Orangestarさんのこれからに向けての決意を表現した曲であるそうですが、まさにぴったりのタイトルと言えます。

歌詞を見てみると、活動休止中の葛藤(Orangestarさんはこの曲を発表するまで活動を休止していた)や、コロナの影響で活動を再開しても思ったようにファンと触れあえないことなどで、思い悩んでいるけど、前を向いて現状を打破しようとする気持ちが描かれています。

何かきっかけがあるわけでは無くて、ただ自分に「夏をもう一回」と言い聞かせ続けることで心を奮い立たせているんです。そこがコロナ禍の私たちとリンクすると思います。

今現在、コロナの問題は解決しているとは言えず、今年の夏も、行動が制限されて、思ったように楽しめない日々が続いています。

これから先、一体いつまでコロナに悩まされるのか、先は見えません。それでも、いつかまた夏を思いっきり楽しめる日が来るまで心を奮い立たせて頑張ろうと。そういう風に自分たちに置き換えて考えることもできますね。

歌詞についての話が長くなりましたが、ここから小純マアメさんの歌声へと話しを移します。

この曲は、サビ以外は低めの音が続き、サビは一転してかなりの高音になる、かなり難易度の高いものとなっています。その上で、曲の主人公=Orangestarさんの感情を的確に表現する必要があって、歌いこなすのは難しいと言えるでしょう。

ですが、小純マアメさんは、見事に歌いこなしています。注目すべきは歌詞に頻繁に出てくる“あぁ”という言葉。“あぁ”とそのままのときは葛藤、諦めなどの弱い気持ちが出ていて、逆に、ここに感嘆符(!のこと)がつくと、自分自身に言葉を言い聞かせているような、強い気持ちが出てきます。同じ“あぁ”でも、感情が変わってくるんです。

小純マアメさんはその歌い分けが非常に上手で、主人公の気持ちに寄り添い、しっかりと表現できています。だからこそ、この曲が伝えたいメッセージが真っすぐに伝わってくるんです。表現する力が凄いなと感心します。

MVは、イラストと空、そして歌詞を映すだけのシンプルなものですが、それもこの曲のメッセージを際立たせるいい作りです。

今の時代に必要なメッセージが詰まった小純マアメさんの「Henceforth」。ぜひ、聴いてみてください。

6.夏色DROPS ‐ GEMS COMPANY

最後に紹介するのは、今回唯一のオリジナル曲です。GEMS COMPANYの「夏色DROPS」。

私は、恥ずかしながら GEMS COMPANY=ジェムカンのメンバーで名前を覚えているのは数人だけで、全員の顔と名前が一致しているわけではありません。そんな超がつくほどのにわかなのですが、この曲があまりにも好きすぎるので紹介させてください(ちなみに推しは長谷みことさん。その他、水科葵さんも名前を認識しています)。

まず、曲の入りからいいんです。夏らしいメロディーと共にコーラスが入ってきて、それだけで“名曲の予感”がしてきます。

そして、ソロでしっとり聴かせるAメロから、Bメロに入るにつれて徐々に歌声が重なっていき、サビでは水着姿で踊るメンバーと共に華やかに盛り上がります。アイドル曲らしく盛り上がるんですけど、それだけでなく、情緒を感じさせられる味わい深さがあります。だから何度聴いても飽きがこない。

MVも作りがうまくて、例えば、Aメロ、Bメロではメンバーが海ではしゃぐ姿を映しているんですけど、これが個性が出ていてかわいいし、面白い。メンバーのことを知らなくても、「あぁ、この娘はこんな感じの性格なんだろうなぁ」と想像できます。

そして、サビでは先ほども書いたように水着姿で踊るメンバーの姿が、きらびやかなステージと共に描かれます。これが本当にきれいで、時間帯が夕暮れなのもあっていい雰囲気。ラストのサビで新メンバーの方(小瀬戸らむさんと言うらしい)がセンターになるのもいいですね。

最後に歌詞にも触れておきます。歌詞で描かれているのは夏という季節に対しての高揚感、期待などです。青空、夕焼け、お祭りの夜と、情景や時間を表す言葉と併せての感情表現が巧みで、夏の色々な表情をうまく切り取ることができています。

特に好きなのが“昼と夜を混ぜたマーブル”、“上書きじゃなく(別フォルダでね)”という部分で、言葉の選び方、使い方が秀逸だなと思います。

夏はとても楽しい季節で、思い出をたくさん作ることができるけど、一方で気づいたら終わってしまうような儚さもあります。だから、そんな夏を逃がさないように楽しんで、そして思い出を忘れないようにしっかりと心のアルバムに焼き付けておこう!というメッセージが伝わってきますね。

この曲は、歌詞も、メロディーも、歌声も、MVも全部のクオリティが高い名曲と言えます。メンバーの歌唱力も抜群!

皆さんも、今年の夏は、この曲と共にたくさんの思い出を作りましょう。勿論、過去の思い出に上書きしたりせずに、別フォルダに保存してくださいね!

まとめ

今回は、夏をテーマに「歌ってみた」とオリジナル曲を紹介してきました。改めて聴いてみると、やっぱり夏曲っていいですね。たとえ夏という季節はあまり好きじゃなくても、夏曲を聴くとアリかなと思えてきます。

初めにも書いた通り、今年の夏は雨が多くてあんまり夏らしさがありませんが、だからこそ、バーチャルで雰囲気だけでも夏を感じましょう!今回紹介した曲は色々な夏のイメージを描いているので、きっとこれだ!と思える曲があるはずです。

この記事が、新しい「歌ってみた」・オリジナル曲との出会いになることを願っています。



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