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たばふじロスの行方

2020年12月から大騒ぎをしてきましたが、
今年に入って、少しずつ気持ちが落ち着いてきました。
たばふじロスを卒業できたのか、まだなのか。
このnoteとのつき合い方も
だんだん変わっていきそうなので、
ここで久しぶりエッセイ回。

写真は、地元の博物館そばの森。
3月上旬はまだ寒いと思っていたら、
今年はもう春の青空。

*当方、よしもと興業の田畑勇一さん、藤本淳史さんを応援するオタクです。お2人は田畑藤本(通称「たばふじ」)という漫才コンビでしたが、2020年末で解散され、現在それぞれピン芸人として活躍されています。

ささやかな「喪の仕事」

芸人さんの解散に「喪失」なんて言葉を使うのは大袈裟だけど、
解散発表当時のショックは予想以上に強烈で、
無意識のうちに流れて止まらない涙を拭いながら、
当時の私がどれほどたばふじさんに寄りかかっていたかを知る。

それから先は、
「何も考えられない状態」に始まり、
「否定」と「怒り」と「抑うつ」のジェットコースター。
田畑さんと藤本さんの言動に揺れ、
自分の妄想に振り回され、
喪失した人の心のプロセス「喪の仕事」を
教科書通りに辿る。

頭でっかちで知識だけはあったから、
いずれこのトンネルを抜けることは知っていたけれど、
けっこう揺れるもんだな、なんて俯瞰で見たりしながら、
大好きな推しに「負の感情」を抱く自分に失望し、
先が見えない暗がりをとぼとぼと歩いてきた。

もうすぐ抜け出せそう。
また何か起こりそう。
自分のことなのに、わからないもどかしさ。
ささやかに、慎ましく、喪の仕事。

ゆっくりとゆっくりと

ありがたかったのは、
お二人が急にいなくならないでくれたこと。
それぞれが元気でいてくれるだけでなく、
お二人で担当されていたテレビやネットの番組が
しばらく継続し、
大人の距離感が織りなす穏やかで楽しい時間は、
混乱してとっ散らかった日常を癒してくれた。

まぁそれはそれで、
「再結成」の望みを捨てきれない原因にもなったけど。

解散の理由は今でもよくわからないし、
最近はゴシップ的なやつも飛び出して、
いよいよ真相は藪の中。

この1年、
お2人はそれぞれ、
ご自分なりに言葉を尽くして語ってくれたものの、
何を言われてもいまいちピンとこないまま、今に至る。

これまでずっと明快に
世の中のことを解き明かしてくれたお2人が、
ご自分たちの解散に関してだけ示さなかった、正解。

どんなに突き詰めてもわからないことだらけ。
田畑藤本のお2人が最後に見せてくれたのは、
そんな、世界の歯切れの悪さ。
きっと、世界の化けの皮の奥。

ゆっくりと、ゆっくりと、距離を空けていってくれた。

おそらくけっこう珍しい解散のしかた。
この、ゆるやかに降りていく階段は、
お2人にとっても必要だったのだろうし、
私が今、このことを胸に収めて立っていられるのは、
これだけ時間をかけてくれたおかげ。

新たな出会い

田畑さんと藤本さんが
解散後もそれぞれ活躍してくれているのは
とても幸せなこと。

ただ、「たばふじ漫才」と
「たばふじちゃんねる」の喪失はしんどかった。

勉強が好きで、
知らないことを自前の知識で考察するのが好きで、
絶えず何かインプットしていないと落ち着かなくて、
問題用紙に興奮して…。
そのあたりの、
人に言ったら引かれそうで表に出せない欲求を、
ちょうどよく満たしてくれた。
だからこそ、出会った時は嬉しくて飛びつき、
失った時は、足元を根こそぎ持っていかれたような
寂寥感に襲われた。

この供給だけは取り戻したくて、
藤本さんに東大漫談をねだりつつ、
他に満たしてくれる人はいないか探し回って、
偶然出会ったのがリップグリップ。

リップグリップ

洗練されたフレーズ。
絶妙に懐かしい分野の知識。
ニヤッとしてしまう終わり方。

月に1度の配信付ライブと月に1度追加される漫才動画。
チャンスは少ないけれど、見るたびに気持ちいい。

最近のお気に入り漫才「キャバクラ経営」↓

映画好きで下ネタが苦手でちょっと不器用な倉田さんと、
ゲーム好きで弁が立って毒気に満ちた岩永さん。
同級生コンビのバランスがとても魅力的で、
これからとても楽しみ。

ゆる言語学ラジオ

何かの拍子におすすめで出てきた
このチャンネルのおかげも大きい。

大学で言語学を専攻、現在出版社勤務の水野さん。
大学でコンピュータ科学を専攻、現在「インターネット芸人」を自称され、有料コンテンツの執筆を生業とされる堀元さん。
お二人の対談形式で進む、言語学のあれこれ。

最初に見たのが「部首」の回。

水野さんの
「部首で『ビクンッ』ってなる」
で始まり、
「皆さんの『推し部首』を教えてください」
で終わる動画。
次々と推し部首が湧くコメント欄…。

あぁ、ここかもしれない、私を潤してくれるのは。
ここなら、私が居てもいいかもしれない。

知識欲を満たしてくれるどころか
はるか上を行く両名の掛け合いと、
それをさらに凌駕する
用例(リスナー)の皆さんのコメントに圧倒されて、
最近 は 毎日 が 刺激的だ。

※↑の太字の一文の文法構造が気になった方は、
こちらの動画がおすすめです↓


私の推し部首は…のぎへん、かなぁ。
「秋」とか「穂」とか好きなんです。
クリシェ(ベタ)だな。

リップグリップとゆる言語学ラジオ。
この2つの新しい出会いのおかげで、
大宮クイズ王がなかなか開催されなくても、
田畑さんがいよいよ新コンビを組みそうでも、
比較的にこやかに過ごせている。


これからのたばふじオタク

さすがの私も気づいてきた。
藤本さんはピン芸人としてやっていきたくて、
田畑さんは漫才コンビを組みたくて、
そんなお2人が再結成する可能性が
だんだん薄くなってきたことは。

昨年のグノシーQのように、
解散してもワイワイ仲良くされると
「これでなんで解散せな…」となるけど、
最近は、ちゃんとちょっとだけギクシャクしてて、
やっと「元コンビ」らしくなってきたし。

藤本さんは、
クイズや情報系の、フィクションじゃない分野で、
テレビへの進出が少しずつ増えていて、
プログラミング技術を使ったお仕事も増えているそう。

田畑さんは、
同期の阿部直也さんとの漫才コンビが
おそらくもうまもなく。

漫才をしないたばふじさんからは
心が離れるかな、と思いきや、
やはり配信などでお会いすると
迷うことなく嬉しくて幸せで、
まだしばらくは推しでいてもらうことになりそう。


昨年、
田畑さんはご自分たちの理想を
「Wコージ」とおっしゃったけれど、
やっぱり私の理想は「河井山名」。
「藤本淳史」と「とらふぐ田畑」で、
60分ガチジェスチャー、めちゃタメ、滑狼…
同じライブに登場するお2人で笑いたい。

夢は、
大宮クイズ王とらふぐ×ダイタク回!
うーわ、見たすぎる!

これからの拙オタク日記

昨年の1年間は、
自分の記憶からたばふじさんが消えていくのが
怖くて怖くて、
取り憑かれたように書き留めてきた拙オタク日記。

お2人がどうもそう簡単には消えそうにないということが
だんだんわかってきたので、
これからは、全記録を目指さず、
ゆるーい思い出日記にしていくことになるかも。

そもそも計画的な執筆ではないので、
こう書いた次の回で
また大荒れになっている可能性もあるけど。

ー・    ー・・・    ・・    ーー・・    ーー・ー・    ・・

ネクタイを緩めるように
筆を緩めようと思って、
区切りのエッセイを書きました。

相変わらず、
田畑さんのゲリラ生配信を聴き逃して
半日ヘコむようなチョロいオタクをやってます。

たばふじさんのパブサをせずに
仕事に集中する日も増えて、
お、もしかして乗り越えたんじゃないか?と
書き始めてみたものの、
書く端からウジウジが頭をもたげてきて、
まだまだ悟りの境地にはほど遠いようです。

いつも駄文におつきあいいただき、
本当にありがとうございます。

皆さんの推しが、
今日も元気で尊くありますように。

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僭越ながら公開しました。