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オットー・ネーベル展

今日はBunkamura ザ・ミュージアムで開催している「オットー・ネーベル展」へ行った(その前に新国立美術館の「安藤忠雄展 挑戦」にも行ったんだけど、混雑で集中して観られなかった。余裕をもってスケジュールを組めなかったことを反省)。

オットー・ネーベルについては今回の展覧会で初めて知った。スイスを拠点にしつつも、ドイツ出身で、バウハウスの面々と交流があった芸術家。カンディンスキーやクレーの作品も展示されるとあり、とても気になっていた。

展覧会は、主に抽象画の作品を中心に構成。1920年代〜30年代におけるバウハウスのデザイン・アートの潮流と、ナチスの政治情勢などを絡めながら。スイスに亡命し、画家としての就労が厳しい環境ながらも色彩と抽象表現を追求した作品は、ダイレクトに感情に訴えかけてくる美しさ・新鮮さでとても感動した。

具体性の高いものは認識しやすいし、つい自分の“近い”経験のなかで参照しがちになる。リンゴを描いた静物画だと、「リンゴ美味しいよね、自分も好き」とか(決して絵が悪いのではなく、脳のキャッシュメモリまでしかリーチできないということ)。抽象性の高いものは、一瞬では理解しがたいぶんそれが何を表現しているのかを頭のデータベースの隅から隅までかっさらって答えを出そうとする。プロセッサがしゅんしゅん動く感覚がすこぶる楽しかった。

2年前は、横尾忠則も安藤忠雄も知らなかった。想像もつかないほど、随分芸術への関心が高くなったように思う。きっとこれこそが、7年前、田舎でくすぶっていた自分が知りたかったことなんだろう。

田舎は田舎でのんびりしていて、いらない消耗もしないからそれも自分にとって良いんだろうけど、やっぱりいろんなことを身をもって知ることに生きている意義を感じる。東京からすぐには離れられそうにない。

本を買って、いろんな方に貸出もできればと思っています。