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ものを買いたくなるタイミング、その理由

店をやっている以上、やっぱり商品を買ってもらいたいので、こんなことを考えている。

まず、もの(特に有形物)を買う状況は大別して次の3パターンになりそうだと思った。

1.今すぐに必要で、欲しいものは決まっている!

2.今すぐに必要だが、欲しいものは絞れていない。
3.必要には迫られていないけど、何かあれば欲しい。

それぞれどういう流れでコンバージョンに至るのか、店側はどうしなければいけないかを考えてみる。

1.今すぐに必要で、欲しいものは決まっている!

イメージしやすいのは資料目的の購入。目的や用途が明確だから、欲しいものがピンポイントに絞られている。
こういう場合、自分ならまずネットでタイトルを検索する。ヒットしたページのなかで、在庫がいくつかの店舗にあって、もし価格差があるなら安いものを選ぶと思う。
そのため、店側はまずSEO対策在庫の確保が最優先となる。新刊の場合、基本的に値下げはできないので、店の魅力も判断材料になるだろう。実店舗なら空間、ECサイトなら使いやすさなど。

2.今すぐに必要だが、欲しいものは絞れていない。

例えばギフト。所有者とその関心は絞られているものの、購入者には何がベストなのかわからない。
この場合、“そういうものがありそうな店”に行って、店員に尋ねるかな。ECサイトなら、ジャンルなどの大きなキーワードで検索してみる。
だから、店側はコンセプトを明確にして、まず購入先として選ばれなきゃいけない。そしてその分野に関しては絶対的な知識を備えていること。何よりお客さんが欲しいものをどんどん明確化して、近しいものを提案するコミュニケーション能力も必要だと思う。

3.必要には迫られていないけど、何かあれば欲しい。

街歩きやネットサーフィンでふらりと訪れたパターン。購買意欲がもともと低い。
自分だったら、気分に合うものが見つかるか、この店と関わりを作りたいと思ったら買う。
この“気分に合う”を作るのがまあ難しい。だけど、ピンときたときは購入時の印象がいつまでも記憶に残るから、リピーターになりやすい。“ここに来れば何かある”と思ってもらえたら最高だ。
そのためには、まず価格帯の幅を広げて、コンバージョンへのハードルを低くすることが大事だと思う。言ってしまえばおみやげみたいな感覚で買える、その店を訪れた証明になるものがあればいいというか。

4年店を続けてわかってきたのは、店のコンセプトが明確になればなるほど正直お客さんを選ぶことになってしまうということ。初めて来たお客さんにとって、それが本当にかすりもしなければ、その店に拒絶されたように感じるだろう。最初からそのコンセプトに合致するお客さんの数はたかが知れているから、新たなお客さんを呼び込まなければ、売上は見込めない。自分たちが提案したいものを大切にしつつ、その核に繋がる入口をしっかり考えておかないといけないな、と思ったのでした。

写真はついつい長居して本を掘ってしまうスノウショベリング。

本を買って、いろんな方に貸出もできればと思っています。