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SNS担当者(1年目)がやるべきこと

SNS担当者(1年目)がやるべきこと
2017年度の「TBS NEWS」SNS施策を振り返る

●「もったいない」を探そう

どんな会社にも「もったいない」は存在すると思います。TBSテレビ報道局の場合は「テレビ放送後、ある一定期間だけWEB上に公開されるものの、その後は再利用されないVTR」がそれにあたります。事件もの以外の「残せる企画」はSNS等に残していこうよ・・・という話から全ては始まりました。

●頑張っているのに「ほめられていない」人・組織をほめよう

報道局で一番褒められるのは、同業他社が追いかけてくるような「スクープ」を報道した時です。企画がどんなにWEBやSNSで再生回数を稼いだとしても、記者やディレクターが褒められることは、これまで一度もありませんでした。

2017年5月に「TBS NEWS」公式フェイスブックにアップした「大統領のいない夕食会で」という動画はSNSで拡散し、110万回以上再生されました。「ニュースを届ける」SNSの重要性を報道局の中で共有するためには、こうした取り組みを「正しく(少し大げさな位)評価してもらう」ことが重要でした。

数々の名作(迷作?)を生み出している夕方の報道番組、「Nスタ・Nコレ。」チームや、再生回数400万回超という「はっちゃん食堂」を最初に取材した朝の情報番組「あさチャン」チームなど、「スクープ」以外のネタも「正しく評価される」雰囲気をつくった事が、SNS施策を成功に導く上で重要だと感じました。

「TBS NEWS」公式Facebookだけで、407万回再生(4月18日現在)の動画も


●「数字」をとにかく調べて改善しよう

私は、かなりおおざっぱな性格なので、本当は数字を分析したり、そこから仮説を導くのは得意ではありません。しかも、ニュースの場合は単に再生回数を稼げばよいわけでもないので、目標の設定が非常に難しかったです。

とはいえ、テレビニュースの届きにくい、20代から30代に、いかにニュースを届けるか・・・という事が私の使命だったので、データ分析の素人ながらその点に関する数字はかなりこまかく見ました。

・ファーストカットはどんな映像が良いのか
・全体の尺は何分程度が最も見られるのか
・最後まで見られるために、VTR構成で注意することはあるのか
・無音で動画を見ている人は、どの位いるのか
・いつ動画をアップするのが効果的なのか

細かい企画ごとの「視聴データ」を、報道番組や記者にフィードバックすることもありました。「スクープ」や「視聴率」以外の「SNS上の新たな評価軸」については、特に若手記者たちが興味津々で、喜んで聞いてくれました。

●ライバルと直接会って、切磋琢磨しよう

SNS担当者は(ほとんどの企業で少人数で運営しているため)「孤独」です。でも、そんな時に同業他社の担当者と意見交換することが、非常に勉強になりましたし、気持ちをリフレッシュするのに役立ちました。「これが正解」という答えは無く、ライバルにも関わらず、妙な連帯感が芽生えているのも事実です。

●時々、SNS断ちをしよう

意図的にSNS断ちをすることをおススメします。全く異分野の勉強会に出る、子どもと遊ぶ、映画を見る なんでもかまいません。ただし、休むと確実にエンゲージメントや動画再生数、再生時間などは、下降します。

下降するグラフを見て、「さあ、また明日から頑張るか!」という程度の距離感がSNS担当者には必要だと思います。

他にも、まだやるべきことはあるのですが
それはまた次の機会に・・・


「TBS NEWS」公式フェイスブック ←まだ動画を見ていない方はこちら

「TBS NEWS」公式ツイッター ←こちらでも動画を強化していく方針です


「ニュースが少しだけスキになるノート」
「TBS NEWS」(デジタル&SNS)運営責任者 池田誠