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「ニュースキャスター」とは何者だ?【後編】

柿次郎:「Dooo」司会の徳谷柿次郎です。
今回もTBSの井上アナと皆川アナに色んな話を聞いていこうと思います。

TBSのニュースキャスターとして日々ニュースを届ける井上アナと皆川アナ。前回はニュースキャスターの生活や視聴者にニュースを見てもらうための苦悩を話してくれました。今回は二人の内面により深く迫ります。

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柿次郎:2人が「メディア人」を目指したきっかけ。
柿次郎・井上・皆川:「メディア人」って何ですか!!!
「メディア人」ってすごく嫌われそう・・・

井上:テレビに入ったきっかけ?

柿次郎:(皆川アナは)元々モデルとかされていた?

皆川:調べました・・・?(小声)

柿次郎:5分前にウィキペディア見ました。

皆川:私は表現するのが好きで、できればお芝居とかでお金を稼げればよかったけど。そうもうまくはいかないので就職しようと思って。

柿次郎:こういう経験はめちゃくちゃ活きそうですよね。

皆川:アナウンサーになると思っていなかったし、目指していなかったし。それまでにやっていたことは活かせているかな?という気はする。

井上:なぜテレビだったの?・・・普段、こういう話をしないから。

皆川:ホントはドラマを作りたかったんです。TBSのドラマが好きで。

柿次郎:TBSの番組いいですもんねえ~。

井上:(柿次郎に)何が良いですか?

柿次郎:東山紀之さんの『Zone』(1999~2004年放送)。
あれがめっちゃ好きです。ちゃんとありますよ・・・危ない、ハシゴの外し合いが。井上さんがテレビを目指したきっかけは?

井上:僕も皆川と同じで「アナウンサーになりたい」と昔からあったタイプではない。テレビはきっとこの先メディアとして厳しいだろうなあ・・・終わるのかな、終わらないのかな?その世界って面白いのかなと。そう思ったのがひとつです。

皆川:すごく変わった見方をしますね。

井上:大学時代にぼんやり思っていて。サラリーマンになってからアナウンサーになるのは難しそう。逆はできるかもしれない。あとはこの職業じゃないと出会えない人脈を築けそう。営業マンになって20代で総理大臣には会えないなとか。非日常的な緊張感の中で仕事するって面白そうだなとか。

皆川:自分に色々、負荷をかけますね。

柿次郎:それは悪い見方をすると小さいときから何でもできたから?やろうと思ったことを。いつもゲストの方に挫折とかを聞いていますけど、これ挫折だったなあとかは?

井上:挫折は面接とかでもよく聞かれたんですけど「自分で挫折と考える挫折は別にない」。嫌な感じですよね・・・。でも「これが挫折です」っていうのも嫌で。人から挫折じゃないといわれると何も言えなくなる。

柿次郎:主観と客観を常に行き来している?小さいときから?

井上:結構そうです。「趣味は何ですか?」と言われるのも困る。それを趣味といったら他にもっと趣味で楽しんでいる人がいるとすると、それは趣味ではない・・・なあ・・・と

皆川:大丈夫ですよ・・・

柿次郎:怖くなっちゃった。何かに狂ったことはありませんか?好きになって・・・

井上:あんまりないですね。我を忘れては。

柿次郎:人間のこと好きですか?

井上:「興味ある」という意味では大好きです!

柿次郎:前置きがやばいですもんね。例えば、犬がいて素直にかわいいという人もいるけど、これをかわいいというとちょっとあれかな・・みたいな。

井上:それは今のオンエアでも、まさにそうです。「カワイイものにカワイイって言いたくない」・・・かわいいとは思うんですよ。犬も大好きです。でもそれをかわいいということで「面白いか?」って。

柿次郎:常に自分に問いかけるんですか?

井上:自分が嫌な視聴者なんですよね。テレビ見ながらずっと文句言っている。「何だそれ?」って言いながら。

皆川:それを自分に言っている?

井上:そうそう。そういう自分がいつもいるようにしていて嫌な視聴者でありたい、自分が。

皆川:「そうだよね、そうだよね」じゃなくて「いやいや、井上違うだろ!それ言っていいの?」みたいな。

井上:「なぜその一言を発した?」と言っている自分がいてほしい。

柿次郎:その感じだと20年くらいやると精神的に崩壊しそうですよね。

井上:それを楽しみながらやっている感じではある。自分を追い詰めるわけではなくて。最終的には「もういいや、もう知らねえ、なるようになる、死にはしない」って思っている自分がいる。

柿次郎:お話聞いていると真逆すぎて、僕の中では会ったことがない人種ですね。「メディア人」!・・・メディア人はやっぱり違うな!

井上:でしょ?

柿次郎:でも落語家さんみたいな、落語絶対できますよ。

井上:落語は好きです。「面白いな」とは思います。

柿次郎:それも「めっちゃ好き」とかは言わないんですね。「面白いとは思う、興味はある、趣味ではない、特技でもない・・・・」
それが「メディア人」!(笑)

「Dooo!」

柿次郎:こういう姿自体がこれまで露出として今まではなかった?自分のことを話すって。

皆川:ラジオとかではないですか?

井上:ありますね。報道番組に就くとその機会は減る。

皆川:自分を前面に出すというのはないですよね。パーソナリティとして。特にTBSはテレビとラジオがあるので両方バランスをとって楽しむ。

井上:見方として確かにニュースって自分を出しづらいけど、その中でも皆、ちょっとずつせめぎあって枠を超えようとしているところを面白がってみてもらうというのも、ひとつニュースの面白がり方。

柿次郎:今度(自分を)出すちょっと前に合図(鼻を触ったり)出してもらえたら。

井上:今からいくよ!・・・って、めちゃめちゃダサくないですか?

柿次郎:でもそれを毎回やると番組をずっと見ますよ。いつ合図出すのかなって。たまにやらないと「見逃したかなって」。あれだったんじゃないかって。

井上:「いつもと違う合図が出てきたぞ」みたいな?

柿次郎:今後毎日チャンスあるので、(鼻を触るところを)見ていただけると。

皆川:(スタッフが出す)カンペの質問に答えられていないけど大丈夫ですか?

柿次郎:結構、無視するようにしているので。

皆川:そうなんですか?私たちはカンペを無視するのはダメですもんね。

井上:結構面白いですね。無視し続けてみるって・・・

「Dooo!」

柿次郎:ニュースってこんなに必要ですか?ニュース多いなって。

皆川:ニュースって多いですかね?

柿次郎:ずっとテレビ見ていたら多いなって思います。僕もウェブメディアを3、4つ抱えているけどやりたくないんですよ。もっと減ればいいのに。でも仕事だからやるっていう構造が色んなものを増やす。経済的にやらざるを得ないというところもあると思うので。

井上:同じだと思います。4つメディアをやっていて絞りたいけど増えていく。差別化も難しいって。まさにテレビも差別化したいんですけど、コメンテーターを新しい方を入れてみたり、ニュースの取り上げ方を変えてみたり、独自取材してみたり、やっているけど埋もれていく。お客さんにはわからない。同じに見えてしまう。新しいことやってみたいけど、中にいると新しいことが浮かんでこないというか。固定化している部分があるので。

柿次郎:柔らかくするって難しいですよね。

井上:テレビを作りましょうっていうときに「若い世代でざっくばらんにどんな番組を作ろうか」っていうことをできればいいなと思う。現実問題として・・・。ダメなところもあると思う。何でも言って良いのかテレビはというとそれもおかしいし、そういう意見があって作り上げるのはいいなぁと思います。そういう機会がないと思う。

柿次郎:最近気になったニュースはありますか?

井上:出演者で好きな人を作らないみたいなのがある。好きを作ると嫌いが出てしまう。苦手が出てしまう。だからニュースも・・・・・ダメかこの逃げ方。

皆川:私は最近で言うと東京都港区の南青山に児童相談所が入る施設を作る予定のニュース。でも反対の声もある。その前に東京・目黒区で5歳の女の子が亡くなった事件を取材していたので結構気になって。どういう意味で反対をしているのかなと気になって。取材もしたんですけど。「子供は宝だからなぁ・・・」と。私はすごく賛成。でも反対している人たちの言い分もわかるけど。うーん・・・

柿次郎:アメリカかどこかでも同じようなことが起きていますもんね。富裕層の人たちが集まって自分たちの理想の町を作って、税金払った分は返してほしいみたいな。「我が我が・・・」っていうのが今後、もっと増えていくのではと。

皆川:それがすごく危ぶまれるというか、そういう(分断の)動きが。

「Dooo!」

柿次郎:最後に2019年ということで、2020年にオリンピックがあって、2人は「日本はこうなるのかな~」というものは?2025年は?

皆川:私は車が好きだから2025年はどんな車が出ているのかな?とか自動運転がどこまで進んでいるのかなとか個人的には興味がある。

柿次郎:運転しなくなるというのは趣味的には面白くないですよね。

皆川:面白くないですけど、技術としてはすごく楽しみにしている自分がいて・・・今の有人タクシーとかなくなりますよね。無人になりますよね。そのときにどういう風に周りのインフラが整っていくのかとか、その過程を見たい。

柿次郎:早く2025年になってほしいと。いいですね。目がキラキラしている。人間性がちゃんとありますね。

井上:・・・こうならないでね。(笑)

柿次郎:でも井上さんはここでは言えないやばい趣味をお持ちだと思う。

井上:まあ・・・テレビなんて言えること少ないですから。一部ですよ。

柿次郎:井上さんは一つの質問で10個くらい引き出しがあって、「違う、違う、違う、これは言えないな、どうしよう」っていう顔をずっとしていたので。(井上:とりあえず開けますか?)引き出しが多くて。だからこういう番組は嫌なんでしょうね。すごくストレスを感じているはずです。好きなことを言う訓練をしていただきたい。次回のためにも。どれだけ人間性を取り戻していくのかと。

井上:いつ人間に戻るのか?と。

柿次郎:「Dooo」の収録お疲れ様でした。ほんとに面白かったです。
初めて「メディア人」にお会いできたので。未知の部族「メディア人」すごいなって。

皆川:これで「ニュースキャスター」が身近に感じてもらえればうれしいなと思います。

柿次郎:あとは井上さんの鼻の合図・・・。皆川さんは何か合図決めておきますか?

皆川:私???・・・こういう感じ(髪を触る)

柿次郎:それが出たら何かやらかすぞ!やらかして、はみ出て、遊んで何か新しいものが生まれると思う。「Dooo」は行動する、ということなので何か新しいことしましょう。それか、チャレンジしている人をこれまで通り応援しましょう。

皆川:そうですね!


それが「Dooo・・・・」「Dooo!」「・・・Dooo」

・・・合わなかった


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