見出し画像

わたしが、介護のスイッチになる。Join for Kaigo 秋本可愛さん(後編)

学時代に認知症高齢者のためのフリーペーパーを制作したことから介護の世界と関わり始めたという「株式会社Join for Kaigo」代表の秋本可愛さん。若手介護人材のためのコミュニティー「KAIGO LEADERS」を運営し、若者が介護に関心を持つきっかけや活躍できる環境づくりを目指し様々な事業を展開しています。元々「HEISEI KAIGO LEADARS」という名前で始まったコミュニティーは新しい令和の時代に向かってどう「Dooo」していくのか・・・後編も秋本さんにどんどん語っていただきます。

動画でご覧になりたい方はこちら⇑をクリック

柿次郎:「介護めっちゃイイ話」みたいな「本」を作ると良いかもしれないですね。

秋本:つくりたーい。編集してくれます!?

柿次郎:はははは…できるかなぁ~。興味あるひと、めちゃくちゃ居ると思いますよ。こういう場きっかけでエピソードを全国から、現場のいい話、「#介護めっちゃイイ話」ツイッターアカウントとか作ったらめちゃめちゃリツイートされて、すぐ本になりますね。

秋本:ツイッターで?発信していけばいいですか?

柿次郎:「140文字の介護ちょっといい話」みたいなのをためていくと、みんなめちゃめちゃ反応すると思いますよ。するとすぐ興味持った出版社の人から連絡きますよ。

秋本:よし、メンバーとすぐやります。毎日あるんですよ・・・現場の中で、エモいストーリーとかほっこりした話は日々の現場の中で転がりまくっているので。介護職の人は知っているのだけれど、個人で発信するのは個人情報とかで難しかったりするので、それをまとめてやれば・・・。

柿次郎:誰がどこで・・・とか無しにすれば。完全にベストセラー決まりましたね。

秋本:よし!

柿次郎:めっちゃ良いと思います。笑

*****Dooo*****

柿次郎:人と人との関わりの中で変えられる要素もあれば、これからテクノロジーで人間ができない事とか。例えば介護だったら、トイレの問題とか。そこら辺って結構実感していますか?テクノロジー進化してよかったぁ・・・みたいな。

秋本:テクノロジーの進化は大きいなぁ・・・とは思ってます。まだまだFAXとか使われている業界なので、どれくらい全体のボリュームとして進化しているかっていうところは、まだまだなところがあると思うんですけど。

例えばそれこそ、前に「Dooo」に出られていた「D-Free」の中西(敦士)さんとか。トイレの排泄を予知してくれるっていうところとか、(腰の負担を軽減する)「HAL」とか。ベッドを下げて上げて一人当たりかかっていた時間が、ベッド下げなくてもオムツ交換とかできるようになって。

柿次郎:いわゆるハイテクなテクノロジーの一方で、今FAXでやり取りしている人たちが急にパソコン使ったりとかスマートフォンで複雑な操作を求められることってあるじゃないですか。そういうテクノロジーを何でもハイテクなまま取り入れていいってわけでもないんですね?

秋本:そうですね。使いやすいシンプルなやつ、ローテクでも。「何でFAXままなんですか?」って聞いたら、「こっちの方が早いからだよ」って言われちゃう…。笑

柿次郎:みんな言いますよね。漁業の現場でもさっきのFAX問題と一緒で、魚がどれくらい獲れたかを全部帳簿で書いて、それをデジタル化することによって魚の資源も取りすぎないとか、正確なデータの中から分析して現場にいる人だけが魚の資源とか値段を把握しちゃうと外から関与しようがない。

秋本:介護もそうですね。このおばちゃんだけこの人のケアできるみたいなのものが、その人との関係性の中でもちろんあるんですけど。その人のちょっとした変化とかそういったところに気付ける視点を持っているのがそのおばちゃんしかいないとかだと、それが共有することってすごい大事だなって思いますね。

柿次郎:そういった介護もデータを収集していって再現性のあるようなものをつくろうみたいな動きあるんですか?いわゆるビッグデータみたいな。

秋本:ありますね。今「ウェルモ」っていう会社が福岡と東京と札幌でも展開し始めていると思うんですけど。1つ1つ事業所の空き状況とか、こういう疾患に対応できる事業所なのかとか。例えばめちゃめちゃ囲碁の好きなおじいちゃんで、囲碁が好きということをアクティビティとして生かせる、対応できるスタッフがいるのかとか。そういった体の疾患とか情報から趣味嗜好の情報まで、まずアナログに収集するところからそこは泥臭くやっていらっしゃるんですけど、それを見える化することによっていわゆるケアプランを作るケアマネージャーさんもすごく楽になったりとか。よりコミュニケーションの方に時間を使うことができるようになったりとか、今まではケースの相談が来たら空いてるかどうかを電話とかFAXとかで確認してやっていたものをより効率化していこうっていう動くはありますね。

*****Dooo*****

柿次郎:影響を受けた本だとかそこら辺の話も聞いていいですか?

秋本:自分のリーダーとしてのあり方に悩んだ時期があって、その時に出会った本なんですけど。

柿次郎:シンクロニシティ・・・

秋本:これはジョセフ・ジャウォースキーって人が、自分の体験を元にリーダーシップとは何かって言うことを語ってくれているですけど。その考え方とかに影響を受けて、リーダーシップって役職者が持つものではなく、そもそも自分のあり方の問題なんだなってことに気づけた時に面白いと思って。私、「人の可能性を発揮できる環境」とかを作りたいなって思っているので、それも凄く影響とか学びが多くて今の活動にもかなり生きています。

柿次郎:しかも秋本さんのメモ入り・・・。

秋本:でもこれ2年目の時なんで、私のメモしたとこ大丈夫かな・・・。

柿次郎:「命」に丸をしていましたね。笑

秋本:恥ずかしい。笑

(○をつけている部分探す柿次郎・・・)

柿次郎:「恐ろしいクラッシュで命を落としかけ・・・」

秋本:なんでそこだけ丸を。もしかしたら中古買ってるかもしれない。笑

柿次郎:え!?そうなんですか?それで色んな人が読み進めていって僕もメモしたものを渡していくって言うのも面白いですね。

秋本:しかも、そこの文章全然重要そうじゃない・・・笑

柿次郎:そうなんですよ(笑) 

*****Dooo*****

柿次郎:さらに今後何をやっていきたいかとか、これから課題が大きくなる37万人、介護人材が足りない、テクノロジーがいろいろ入ってくるかもしれないけど・・・みたいな。お話を聞いていると台湾で講演やられたりとか。

秋本:はい、台湾はここ1年ぐらい向こう(台湾)の行政の人が視察に来てくれたりコンタクト取ってくださったりっていうことが何回か続いて、この前ちょうど先週(台湾に)行ってきたんですけど。同じように高齢化が進んでいて、台湾はこれから日本より早いスピードで高齢化が進むので、結構日本の取り組みに注目していて、人材不足っていうところも(日本と)同じようになっていくので、「今、日本の取り組み知りたい!」と言って私たちを呼んでくれたりしてこの前は講演させてもらったんですけど。今後も一緒に企画を今進めていこうとしています。


柿次郎:僕もなんかローカル系でずっとやっているんですけど、「greenz(グリーンズ)」っていうメディアの人と話していると、日本のソーシャル領域とか社会課題をメディア的に発信するとかっていうものが5年ぐらい遅れている、台湾・韓国とかが。距離も近いし日本語通じる人も多いしっていうので今年来年とかで「アジア、日本やってきたことをどうMixしていくかってことが結構大きくなるよ」って言われて。

秋本:地方創生のイベントだったんですよ私が呼ばれたのは。

柿次郎:台湾の?

秋本:はい、介護の人材確保ではなくその文脈でもお声かけ頂いてはいたんですけど。この前にイベントは地方創生元年って今年台湾が言われていて。日本の地方創生のお偉いさんとかみんな来ていて、やっぱりそこの課題も近いみたいで。

柿次郎:そうなんですね。それって意外と面白い事実ですね。その時は日本語で講演するんですか?

秋本:日本語で講演して同時通訳で話してくださいました。
意外と通じてて面白かったです笑

柿次郎:そんなに気にならないくらいに喋れる?もし僕に万が一白羽の矢が立ったら安心ですね、日本語でいけるのであれば笑

秋本:大丈夫です、日本語で。笑

柿次郎:今後大きいプロジェクトやイベントとか考えてたりしますか?

秋本:直近は2019年4月28日に・・・私たち元々は「HEISEI KAIGO LEADARS」って名前だったんですけど、昨年8月に時代変わる前に名前変えちゃったんですけど、平成最後に何かしたいねって4月28日「KAIGO LEADARS FORUM 2019」っていうイベントをやります。このイベントは新しい時代のスタンダードをつくっていくであろうプレイヤーたちに登壇してもらって、その人たちが繋がるようなきっかけとしてのイベントを考えています。

*****Dooo*****

柿次郎:全然年下でも年上でも同じ業界じゃなくても、この人の生き方姿勢とかがすごく良いなぁとか。今度Doooに呼びたいみたいな人は?

秋本:今度の4月28日のイベントの登壇するゲストの人たちみんな本当にこれからの高齢化社会の新しい価値観をつくっていく人だなぁとすごく尊敬している人たちばかりなんですけど。例えば兵庫で「はっぴーの家ろっけん」っていう。

秋本:サービス付き高齢者住宅をやっている首藤義敬さんっていう人は2週間で200人ぐらい入居者さん以外の人たちが集まるような場所をつくっていたり。

「R65不動産」っていう高齢者向けの住宅、賃貸とかの不動産の会社をやっている山本遼くんって人がいるんですけど。彼も高齢者になったら、孤独死とかの問題で借りづらいっていう問題を解決していたりとか。だから今、介護の領域も広い意味で色んな角度から課題に対して取り組んでいるプレイヤーがいるので、そういう人たちの動くは常に結構見ています。

柿次郎:なるほど。

秋本:首藤さんとかは、別に介護やりたいわけじゃないからこその「普通の感覚」でおじいちゃんおばあちゃんとかと関わっている中でもエピソードとかがすごい良いなと思っていて。レビー小体型の認知症とかになってくると幻視というか、色んなものが見えちゃったりするんですけど。人がいっぱい見えちゃうおばあちゃんがいて、普通だったらどうやったら見えないようにするかとか、どうやったら安心してもらえるかとかを考えちゃう…専門職としては。だけど、いっぱい見えるなら、もっともっと見せてあげればいいんじゃないかって言って・・・

パーティーをやって、すごいたくさんの人を呼んで、たくさんの人とおばあちゃんのいる空間をつくったりとか。そのおばあちゃんも急に泣き始めちゃって、「何で泣いたんだろう?」と思って話聞いてみると、「若い人と一緒にいる空間に自分がいるのが嬉しくて泣いている」と。なんかめっちゃ良いなと思って。

どうしても介護っていう方から入っちゃうと「課題」として見ちゃって、お世話するとかどうサポートするかってことに考えちゃうんですけど。もっと楽しくやっていいんだなってことを教えてくれたのは首藤さんですね。

*****Dooo*****

柿次郎:はい、秋本さん今日はありがとうございました!

秋本:ありがとうございました。

柿次郎:「Dooo」どうでした?

秋本:楽しかったです!

柿次郎:普通の取材とも違う感じあるんですよね。この距離でずっと喋るっていうのが。それが「Dooo」の面白いとこかなって。

秋本:面白かったです。結構ゆるめで何でも色々話しちゃったから大丈夫かな?って思いながら。笑

柿次郎:今後ね、ちょっと僕も介護に興味持ったんで。介護のちょっとイイ話、もし動いたらめちゃめちゃリツイートしていきますね。

秋本:是非よろしくお願いします!

柿次郎:発案者として!責任感をね!そうですね、世の中が変化する中での課題解決を頑張っている人たち、「Dooo」の人たちを呼んでいきたいんで!

秋本:私も「Dooo」し続けられるように頑張ります!

柿次郎:そうですね、一番は健康ですね。
 (※実は、秋本さんの体調不良で一度収録が延期に・・・)

秋本:健康ですね!前回すいませんでした・・・

柿次郎:いやいや全然大丈夫です!僕もあの時、相当疲れていたので・・・じゃあ今後もよろしくお願いします!

秋本:よろしくお願いします!

柿次郎:じゃあ、みんな!今後も「Dooo」していこっ!

*****Dooo*****


前編(note)はこちら