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千葉大停電でライフライン情報発信!TBSデジタル災害報道チーム「JINRIKI(ジンリキ)」

予想を遥かに超える被害をもたらした台風15号。現場の記者からはどんどん情報が入ってきますが、放送枠が限られたテレビではそれらを全て伝えきることができません。「被災地の方々にとって必要な情報を、どうにか届けることはできないのか」。そんな思いから私たちは、デジタル&SNSでのライフライン情報の発信を始めました。


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千葉県を中心に甚大な被害をもたらした台風15号。ゴルフ場のネットの支柱が倒れ、屋根が飛ばされる・・・。被害を受けた住宅は1万棟を超え、停電は一時93万軒にのぼるなど多くの方の生活に影響を及ぼしました。

台風が関東を通過した直後、9月9日朝の停電件数です。

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当初テレビでは、映像的に目立つ被害や都心の交通機関の乱れが主に報道されていましたが、被災地の電気・水道などインフラ面での復旧が進まず、深刻な状況であることがわかってきました。

私たちTBSは、日本全国にニュースを届ける民放キー局であり、関東地域を担当しているローカルメディアでもあります。「地上波のテレビ放送で24時間情報を伝えることはできないけど、デジタル&SNS上でなら困っている人の役に立てるかも」と考えました。

そして大規模停電発生から2日後の9月11日、webやSNSを担当するデジタル部門のスタッフが集まり、手探りの状態(完全ジンリキ)ではありましたが2つのことを始めました。

①「TBS NEWS」サイト内に災害特設サイトの立ち上げ
twitter「TBS NEWS防災」アカウントでのライフライン情報発信

 

こちらが災害特設サイトのトップ画面(PCで見た場合)です。

※通常はWEB「TBS NEWS」ですが、大規模災害が発生した時には下のようなデザインに・・・

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ページ上部にはメインの記事に加えて、避難所情報や給水所、充電できる場所、入浴できる場所などをまとめて掲載しました。

またtwitter「TBS NEWS防災」で発信している内容も埋め込み・・・

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ページ下部には、各自治体の防災サイトなどへのリンクのまとめも。

スマホでみるとこんな感じです。

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「回線状況の悪い環境でも開けるように」「なるべく重たい動画などは使わず、通信量が少ないように」ということで超シンプルなデザインです。


併せて行ったtwitterでの発信内容を一部ご紹介します。被災者が「本当に必要としている情報」とは何か。現場で取材する記者やカメラマンの話も聞きながら、思いつくものを調べていきました。

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まずは避難所、食糧、給水場所の調査から開始。そして、入浴サービス、赤ちゃん用ミルクの配布、キッズスペース、災害ごみ、罹災証明書の申請方法、困りごと相談、ボランティアの受付・・・などなど、発信する内容は多岐に渡りました。


「電波あるかな?」「電池あるかな?」

「そもそも本当に大変な状況の人ってこの情報見れない?」

「高齢の方はtwitterとか見てないよ!」

「でも、お孫さんとか、知り合いの方が気づくかもしれないし」

こんなことを議論しながら、

「だれか一人にでも、少しでも役立つ情報が届けば」の精神で、

平日日中は3~4名、休日も緊急シフトを組み2名態勢で各自治体の情報や取材中の記者から集めた情報、およびSNS上で得られた情報を精査して発信を続けました。

投稿数は9月11日~24日までの累計で約1400ツイート。

twitterでいただいた反応の一部を掲載させていただきます。

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携帯電話の充電もままならない中過ごされている被災地の方々にとって、最適な形で情報発信できているのか・・・。手探りの中始めた私たちでしたが、「少しは役に立てているのかも」と思えた瞬間でした。

テレビ局は地上波放送がメインの仕事です。ただ、放送枠が限られていることもあり、伝えきれないことがあります。テレビだけでなく、デジタル&SNS上でのこうした取り組みも災害時の私たちの役目だと思います。チーム「JINRIKI」だからこそできる、もう少し細かく、もう少し寄り添った情報発信を目指して。これからも続けていきます。


(デジタル編集部 災害報道チーム  志田直樹・今井真由)