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2019/3/3 風をよむ「“決裂”…そして日本は」

●物別れに終わった米朝首脳会談

●拉致問題の進展は?

●東アジアにおける日本の役割とは…

街の声「びっくりしました。え?まさかって」「うーん、まぁちょっと心配はしていたんですけど・・」「う~ん、よくわかんないですね・・」「2歩後退1歩前進とか言ってますけど、うーん、そうなのかしら」   

事実上の決裂という結果に終わった、米朝首脳会談第2ラウンド。

とりわけ、日本が最重要と位置づける「拉致」問題について、 安倍総理は、会談前日、こう期待感を示していました。

安倍首相「トランプ大統領から、前回と同様に今回も協力を約束する旨の力強い発言があった。第2回米朝首脳会談が拉致、核ミサイル問題の解決につながっていくことを強く期待をしております。そのために引き続き 日米で緊密に連携をしてまいります」

しかし、フタを開ければ、米朝首脳会談では、拉致問題どころか、肝心の非核化についての合意も得られませんでした。

会談を終えて帰国の途についたトランプ大統領は、機内からの電話で、 拉致問題について、二度にわたり日本側の考えを金正恩党委員長に伝えたことを安倍総理に報告。

これをうけて安倍総理は、

安倍首相「次は、私自身が金正恩委員長と向き合わなければいけない、とこのように決意をしております」

また、この間、祈るような気持ちで米朝首脳会談を見守ってきた拉致被害者の家族は・・・

飯塚繁雄さん「私たちは、どういう状態であろうともあきらめませんから、もう一回政府にどうなったんだという話はしていきたいと思う」

しかし、米朝双方とも、会談後の記者会見では、拉致問題についての言及はなく、両首脳が「拉致問題」で、どこまで突っ込んだ話し合いをしたかは不明です。

日本と北朝鮮を巡っては、拉致問題以外にも、いくつもの困難な問題が横たわっています。

非核化の要求はもとより、これまで6回にわたり日本上空を通過した、テポドンなどのミサイルも、日本には深刻な脅威であり、北朝鮮の自制を強く求めなければなりません。

さらに、外交上の大きな課題とされている、戦後処理に関わる、様々な問題。

今回の米朝会談の一ヶ月前、安倍総理は国会でこう述べていました。

安倍首相「北朝鮮との不幸な過去を清算し国交正常化を目指します。そのために米国や韓国をはじめ国際社会と緊密に連携して参ります」

拉致問題などを解決した上で、国交正常化実現に、意欲を示した安倍総理。

こうした日本側の姿勢に対して、米朝会談が始まった27日、北朝鮮側からは、厳しい言葉が投げかけられたのです。 

     
2月27日、朝鮮労働党の機関誌・労働新聞には、次のような論評が掲載されました。

労働新聞「日本がやるべきことは、特大型反人道的犯罪に対する国家的・法的責任を認め、徹底した謝罪と賠償をすることだけだ」
  

日本は第二次世界大戦後、過去の清算をしっかりしていない唯一の国だと論評し、厳しい非難を浴びせたのです。

朝鮮半島については、その歴史認識を巡って韓国も非難の矛先を強めるなど、二国間での解決が難しい問題となっています。

様々な課題を抱える日本と北朝鮮との関係。今回の、米朝首脳会談の進展次第では、日朝国交正常化への糸口も見えてくるのでは、との指摘もありましたが、その道筋は、まったく見えていません。
    
果たして、今回の米朝会談の物別れという結果をうけて、日本は、どのように、北朝鮮に向き合うべきなのでしょう?また、東アジアの平和と安定のため、日本が果たすべき役割とは何なのでしょうか?

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