見出し画像

2019/11/10 風をよむ「~トランプ大統領、再選?~」

「56%」―この数字は最新の世論調査で、トランプ大統領が「再選される」と回答した有権者の割合です。

画像1

しかも、与党・共和党支持者の85%のみならず、民主党支持者の35%までもが「再選されるだろう」と答え、注目を集めたのです。

来年11月3日の投票日まで、あと1年を切ったアメリカ大統領選…

画像3

アメリカ トランプ大統領「経済は史上最高!わが軍は史上最強!失業率は史上最も低い、雇用は史上最高!」
聴衆「史上最高の大統領だ!」
トランプ「ハハハ、史上最高の大統領だそうだ!」

画像2

聴衆「さらに4年!さらに4年!」

画像4

ニューヨーク・タイムズは4日、「トランプ大統領は2016年の大統領選以降、その優位性を維持している、もしくは勢いを増している」と報じるなど、現在のところ、トランプ氏優位の情勢が続いています。

画像5

トランプ氏 支持者「トランプ氏は常識的で、アメリカのために戦っているから大好き!」

画像6

トランプ氏 支持者「トランプ大統領は良い仕事をしている。何があっても常に支持する」

画像7

なぜトランプ氏再選を望む声が多いのか、その背景を専門家は…

画像8

前嶋和弘・上智大学教授(現代アメリカ政治)「トランプ大統領が強い理由がいくつかあって、やはり経済が強いってことは重要ですよね。経済が良いっていうことで、現職はよくやっているという風に見る人は多い。そして、民主党側にこれだ、という候補者がなかなかいない」

画像9

実際、ニューヨーク株式市場は、ダウ平均が7日、8日連日で過去最高値を更新。失業率も3.6%と、50年ぶりの低水準を維持するなど、経済は堅調に推移しています。

その一方で、国際社会から批判を浴びるような政策を、次々と実行に移してきたトランプ大統領。

画像10

アメリカ トランプ大統領「恐ろしくコストのかかる不公平なパリ協定からアメリカは離脱すると通告した」

4日には、地球温暖化を抑えるための枠組み、パリ協定からの離脱を国連に正式に通告。

画像11

アメリカ トランプ大統領「ずっと血塗られてきた砂漠を巡る争いは他の誰かに任せておけばいい」

画像12

また先月7日には、シリア北部からアメリカ軍をすべて撤収させる考えを表明。すると2日後の9日にはトルコ軍が軍事作戦を開始し、シリア情勢は一気に悪化したのです。

画像13

さらに去年5月には、オバマ時代のレガシーともいえる、イランとの核合意からの離脱を表明。

画像14

一方で、エルサレムをイスラエルの首都と認めるなど、国際社会からの非難を無視して、イスラエル寄りの姿勢を強めています。
 
こうした過激とも思える政策にもかかわらず、トランプ氏再選の気運が高まっているのはなぜか、その要因として、前嶋さんはさらに、トランプ陣営の選挙対策の巧みさを指摘します。

画像15

前嶋和弘・上智大学教授(現代アメリカ政治)「トランプ大統領というのは、2017年1月20日の就任の時そのまま再選の手続き、立候補の手続きをしている。この日から集会とかネットを通じてデータをたくさん集めている。ビッグデータを使って、絶対選挙に行かない人、絶対自分に投票する人は無視して、揺れている 人に対して戸別訪問をして、実際の得票につなげていく。データ集めが今、2020年に向けてかなり民主党より先行している」

画像16

こうした巧みな戦術に加えて、さらに、トランプ大統領が選挙戦を優位に進める鍵となっているのがインターネットによる情報発信、とりわけ「ツイッター」です。

画像17

トランプ氏 ツイッター(6日)「みんな私が大統領で本当にラッキーだよ!」

画像18

トランプ氏 支持者「トランプ氏はソーシャルメディアを通じて我々に語りかけてくれる。メディアを越えて私たちに直接語り続ける」

画像19

就任以来、トランプ大統領のツイート数は1万1000件。登録したフォロワー、いわば読者の数は6600万人に達するなど、

画像20

「ツイッターの達人」を自任しているとされるトランプ大統領。

画像21

ところが、ニューヨークタイムズによれば半数を超える6000件近くが「誰か、または何かへの攻撃」。そして2000件以上が「自分を褒める」、内容だというのです。

こうした偏ったネットでの発言が、現在のトランプ氏有利の流れを生んでいると、専門家は言います。

画像22

五野井郁夫・高千穂大学教授(国際政治学)「トランプ大統領は大統領選の最中から現在までずっと自分に対して攻撃してくるメディアは全部フェイクニュースだと突っぱねている。大手メディアには耳を貸さないように支持者を説得してきた。その結果、トランプ大統領にとって不利なものは一切信じないという風な支持者たちが今出来上がっている」

ネットを駆使して有権者の支持を集めるトランプ大統領。今後も今のペースを維持し再選を果たすのか、その行方に注目が集まります。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?