BUCK-TICK 『No.0』感想


このアルバムは、なかなか内容が濃いですね。メッセージ性の強い曲が多いからそう感じるのかも。

それではレビュー、始めます。


1.零式13型「愛」

不穏かつ重厚な雰囲気を纏った一曲。

アニイのドラムが勇ましい。



2.美醜LOVE

「ビシュウラァブ!」というインパクト大なフレーズが耳に残る一曲。

歌詞はド直球ですよね。ほんとに。

「Don't you know? You know what?」の部分がすごい好き。



3.GUSTAVE

猫キチによる猫賛歌。

ほんとは犬派だけど、ライブで一緒にキャッキャってやりたい。



4.Moon さよならを教えて

水底から見上げた水面に月の光がきらめいているような、そんな美しい情景が浮かぶ、とても綺麗な曲。

櫻井さんの優しい歌声を聴くと、心が澄み切っていくような、そんな気持ちになります。癒し効果抜群。



5.薔薇色十字団 -Rosen Kreuzer-

へ、変な曲!(ド失礼)

曲の感じがCREAM SODAぽいなーと思ったら、やはり星野さん作曲でしたか…!!



6.サロメ -femme fatale-

この曲、かっこいい。好きです。特にBメロがお気に入り。

この官能的で退廃的な世界観は、櫻井さんだからこそ表現できるんだなあと、改めてBUCK-TICKのボーカリストの凄さを再確認いたしました。



7.Ophelia

メロディも歌詞も、儚く幻想的。

この曲を聴くと、ミレーの「オフィーリア」が目に浮かびます。



8.光の帝国

ライブだと、櫻井さんがパルプフィクションのジョン・トラボルタ並みの横ピースをキメてくる曲(まだ生で見たことない)。

なんでそのポーズに行き着いたのかすごく気になる……気になりすぎて曲の感想が出てこないよ………。



9.ノスタルジア -ヰタ メカニカリス-

歌詞が難解すぎて逆に面白い。

サイバーパンク的であり、スチームパンク的でもあり……

とにかく色んな要素が混じってる、アングラ感の強い不思議な曲。

曲の世界観が、なんとなく寺山修司ぽいなぁとも思ったり。「田園に死す」という映画を思い出しました。

今井さん、寺山修司とか好きだったりするのかな。



10.IGNITER

とにかくエネルギッシュで熱い曲。

夏にぴったりだと思います(暑苦しいわ)



11.BABEL

魔王・櫻井敦司しか歌えないでしょこんなすごい曲。

というぐらい、インパクトが強い曲。

ユータさんのベースがゴリゴリでめちゃくちゃかっこいい。



12.ゲルニカの夜

初めて聴いた時、ものすごく衝撃を受けました。

兄と2人で映画館に出かけた少年。

突然空が狂い出し、街は燃え、兄の躰は吹き飛んでいく。

戦争の恐ろしさを実感し、曲を聴きながら涙が出そうになった。

「そんな夢見て 目覚めた  早く家に帰りたいよ

早くママに会いたいよ」

と最後に歌っているが、私は、これは夢オチではないと感じた。

少年は、自分の死に気づいていないのだろう。

心にズシリとくる、とても哀しい曲。



13.胎内回帰

こちらも、前曲に続いてメッセージ性の強い曲。

特攻隊の青年が、母への愛を胸に、自ら死の道へ突き進んでいく。

歌詞がこんなにも心に突き刺さるのは、やはり櫻井さんの表現力が卓越しているからに他ならない。



今回のアルバムは、ほんとに傑作だと思います。

ユーモア溢れる曲、反戦を歌った曲、愛を歌った曲…。

こんなにジャンルがバラバラの曲を詰め込んでも、まとまりのあるアルバムに仕上がっていることがすごい。


さて次回は、BUCK-TICKアルバムレビューは一回お休みして、椎名林檎さんのアルバム『三毒史』をレビューしたいと思います。たぶん。


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