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『不格好経営』を読んで

 私はDeNAの名前を知っていても、実際に本書に出てくるようなサービスを利用したことが無く、「あーあれね」とはなりませんでしたが、本書は経営者が書いた本として有意義だったと感じています。全体的なストーリーとしては、南場社長の紆余曲折した社長人生となりますね。

 とくに面白いと感じたのは、マッキンゼージャパンにいた著者の南場社長が、経営で四苦八苦していることです。

本人も仰っていましたが、経営者になりたいから「コンサルタント」になる、そこはイコールではないということが分かります。

みなさんは、少なからず、将来経営したいから、コンサルタントになりたいと思ったことがあるのではないでしょうか。

しかし、かの有名なマッキンゼーでコンサルタントをしていた著者がこれだけ苦労を重ねているのですから、そこはイコールだと捉えないほうが良いですし、それを踏まえてクライアント先に行くべきなのでしょう。

 「コンサルタント」とは経営のことなら何でも知っているのか?

知っていなくてはならないのでしょうけど、決してそうではないとも言えそうです。時には、クライアントのほうがよく理解していることもあるのではないでしょうか。また、「ああすればいいのに」というようにどこか上からになってしまうこともあるでしょう。このように「アドバイス」をするのは簡単なことかもしれません。

しかし、本当に経営者の悩みを解決するのには、アドバイスから始まり、そこからプロジェクトが終わるまで、ともに走り抜けるコンサルタントであるべきですし、できることなら紆余曲折を一緒に乗り越えるべきだと感じました。

 走り抜けるには、責任も伴います。なぜかというと、結果が出た後まで走るからです。リレーを思い出してみてください。ゴールでぴたりと止まりませんよね?必ず走り抜けろと言われます。このリレーのように、経営者と一緒にプロジェクトを完遂するようなコンサルタントであれば、頭でわかっていても実際は上手くいかない、そういった現実を経営者と共に味わうことができるとおもいますし、そうでありたいと思います。

 今後仕事をする上で、自分のせいで、クライアントにお手数おかけすることもあるかと思います。ないとは限りません。そんな中でも、最後まで走り切る勇気は持って、最後まで責任をもって完遂することだけを考えたいと思いました。経営だけではなく、上手くいかないことは世の中に沢山あるので、それをどう乗り越えるのかのほうがとても大事なことだと本書は教えてくれているような気がします。

以上となります。
最後まで読んでいただきありがとうございます。

東京コンサルティングファーム
【マレーシア拠点】
佐々木海翔

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インド、フィリピン、マレーシア、トルコ、インドネシア、ベトナム、バミャンマーで働く11名の喜怒哀楽の物語。 【新卒海外研修】(連載中) http://www.kuno-cpa.co.jp/recruit/shinsotsu-kaigai/