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「Retrial:実験室」千穐楽に寄せて


何度だって見たい!!


そう思わせてくれる舞台に、この先どれくらい出会えるだろうか。就活やらなんやらで追い込まれ、泣きながら何かに縋るように当日引換券を取った自分、よくやった

They武道が存在していた頃から認識はしていたけれど、私は宇宙Sixや小川くんをずーーっと真剣に追ってきたわけではない。生で見たことももちろんなかった。でも、追って来なくても、彼らの辿った道はなんとなくわかるわけで。Retrialという題名を背負い、彼らはどんな思いで舞台に立つのだろう。なんだか、今見なければいけない気がしたんです。

踊って、歌って、ボケて、ツッコんで、むちゃ振りして、応えて、笑って、フライング(?)して、お芝居して。

できないことないんか。


舞台に立つために生まれてきたんかこの人たちは。そうだよな、そうに決まってるよな。

きっと脚本は当初とあまり変えてないんだろうな。でも、2020年4月にこーてぃーに「スキャンダルバリア」やらせようとしてたと思うとかなりドSですねマギーさん笑 意図せず色々な意味が積み上がって少しチクリとくる台詞になってしまったけれど... 彼らからの「過去も抱えて進むよ」というメッセージにも聞こえたな。

こーてぃーと江田ちゃん。2人は場に流れる空気の色を手品のように変えてしまう人。2人が笑えば嬉しくなるし、2人が悲しめばみんな悲しむだろって。自由に伸び伸びとやってるようで、実はスイッチャーの役割をしていた気がする。確実に会場に沢山のタネを散りばめて、全てを種明かしするように弾けさせて、そのたびに違う景色をお客さんに見せる。エンターテイナーだ、本物の。

原くんは舞台に立った時、ひときわ存在感があって輝く人。手が届きそうなほど身近で明るいお兄さんでありながら、決して触れられないようなアイドル性を同時に見せられる人。きっと原くんはこのゲージを自由自在に調整できて、それによって役を演じ分けているんだろうなと思う。だからどんな座組に入っても溶け込めるし、どこの舞台でも評価される存在になった。そして舞台に立っているときの彼は何より楽しそうだ。頭フル回転で、汗だくで、それでも爽やかで楽しそうなんだ。きっと彼はこれからも沢山の役を生きて、より深みのあるパフォーマーになっていくんだろう。すごくすごく楽しみ。そして、いつかは彼がゲージをアイドル性の方に全振りした舞台も観られたら。どこまでも期待が膨らむ素敵な人だと思った。

小川くん。今回の舞台において、小川くんの存在ってものすごく大きかったと思うんですよ。彼の適応力や判断力がめちゃくちゃに優れているのが見て取れる。この4人じゃなきゃいけなかった。きっと「代役」という見られ方をしてしまうし、本人もそう感じてしまうことはあったと思う。でも、彼は宇宙に差し込んだ優しい光のようだった。Retrialを可能にしたのはその光だったし、航海を明るく、希望に満ちたものにしてくれた。クルーの一員になれたことを喜んで軽やかに駆け回る姿は、愛らしくて、でも不思議としっかりとした芯を感じさせた。ぐらぐらと傾く宇宙船の中をひょいひょいっと動き回って、知らぬ間にバランスを取っているような。そんな小川くんに、クルーのみんなは救われたんじゃないか、とさえ思った。

舞台に立ってくれてありがとう。

素敵な姿を見せてくれてありがとう。

宇宙のその先の、まばゆい光を予感させてくれてありがとう。

千穐楽、おめでとう。




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