本を出版したら起きた3つのこと

本を出版したら起きた3つのこと

チャーリーです。

2018年は「ビジネスモデル2.0図鑑」を出版したことが自分にとって大きな出来事でした。出版不況といわれる中、本を出すことの意味が問われやすい世の中ですが、じっさいに本を出版することでいろんなことが起こったので、まとめてみたいと思います。かなり個人的なことなんですが、ビジネス書出すとこういうことが起こる人もいるのか、ってくらいに思ってもらえたらと。

大きく分けて以下の3つ。

1. たくさんの仕事につながった
2. たくさんのメディアに出た
3. たくさんではないが印税が入った

順々に紹介していくよ!

1. たくさんの仕事につながった

さまざまなお問い合わせをもらい、仕事につながったので一部を紹介してみる。

Nサロン「ビジネスモデル図解キャンプ」

Nサロンは、日経とnoteが新たにはじめるサロンで、限定100名の参加者がいろんなすごいコンテンツに参加できる、というもの。3ヶ月で約7万円(!)する、一見ハードルが高い金額ですが、内容をよくよくみると、かなりお安いんじゃないかと思います。ぼくらビジネス図解研究所は「ビジネスモデル図解キャンプ」という、つくった図解を見せあいながら学び合う参加型のコミュニティをつくります。図解を通じてビジネスの仕組みをクリエイティブに学びたい方はぜひ。ビジネスに苦手意識がある、という方、歓迎です。その苦手意識を「ビジネス面白いかも?!」に変えます。キャンプ、という名前をつけたのは、単なる座学じゃなくて、参加者同士が自分でアウトドアで過ごすときのように、学びを自分から得て、参加者同士が学び合う場にしたかったからです。その効果を最大限発揮するための環境づくりをしたいと思っています。そもそも、日経とnoteがタッグを組んでどんなコミュニティをつくるべきか?僕も微力ながら会議に参加して意見を出させてもらいました。今回の、ビジネス×クリエイティブという2つの化学変化を生み出す場をつくるというコンセプトは、ビジネス図解研究所が目指すところともとても重なるので、日経とnoteのみなさんと一緒にこの場を盛り上げていけたらいいなと。

プレスリリース↓

Nサロン公式サイトはこちら↓


Schoo「ビジネスモデル図解教室」生放送

Schooで「ビジネスモデル図解教室」という授業をやりました。インターネット上で生放送されるというもの。2018年12月21日に第一回目の授業をし、1月11日に第二回目の授業をします。二回目の授業では、一回目で出したビジネスモデル図解の宿題を、その場で生放送レビューするというものです。ビジネスモデル図解の宿題が1/6(日)23:59までなので、ぜひみんな出してみてください。やさしくレビューするので大丈夫。一回目の授業見逃したって方も、以下の記事で授業のスライド全部公開したので、見てもらえばだいたいわかる。二回目の授業ぜひ聞きに来てください。

授業の詳細はこちらから↓


HOPE by NewsPicks

NewsPicksが発行するフリーマガジン「HOPE」創刊号の制作に関わらせてもらいました。「希望のビジネスモデルを図解する」というテーマで、ぜんぶで8つのビジネスモデル図解を掲載。そもそも、どんなビジネスを選ぶべきか?というところからお話させていただくなど、企画面でもご相談しながら進められたことがよかった。都内を中心に5万部発行され、あっという間にはけてしまったとのこと。

詳細こちらから↓


Cacoo にツールキット導入

300万人以上が利用するビジュアルコラボレーションツール「Cacoo」に公式テンプレートとしてビジネスモデル図解ツールキットが導入されました。ビジネスモデル図解ツールキットは前から無料で公開してたけど、パワーポイントにダウンロードして使う形式だったので、Cacooみたいにブラウザ上で使えると便利だねってことで導入することに。テンプレート一覧に「ビジネスモデル図解」という項目ができたのでそこから使えます。ぜひつかってみて!!!

そのときのプレスリリースはこちら↓


NewsPicksアカデミア「クリエイティブの正体」

NewsPicksアカデミアに「クリエイティブの正体」というテーマで櫻田さんと対談しました。前から櫻田さんと深く話してみたかったので、いい機会をいただいたなと。クリエイティブとは逆説である、というのが僕の主張でした。くわしくはイベントレポートがあがってるので、気になる人はみてほしい。

アカデミア会員(有料)じゃないと見れないけど、動画も公開されているので気になる方はぜひ。


「SAP Leonardo NOW Tokyo」登壇

SAPが主催するSAP Leonardo NOW Tokyoというカンファレンスにて登壇。「日本企業型イノベーション創出における最重要ポイント  〜新製品・サービス開発の最前線で活躍するプロフェッショナルから「創発の本質」を学び取ろう〜」というタイトルの講演。なんかすごそうなタイトル。トラスコ中山の土屋さんや、ランドログの明石さんや、ネットプロテクションズの秋山さんや、SAPのデザイン思考マスターの原さんらとのセッション。まだまだ話したかった!ビジネスモデル2.0とESG投資の話をのりのりでぶっこんで飛ばしすぎたかと思ったけど、登壇後に参加者の方からおはなしわかりやすかったですと言われて一安心(?)。


長野県立小諸商業高校で授業

長野県立小諸商業高校の1年生向けに授業をしました。「ビジネスって面白いの?」というテーマで話す、ビジネスモデルを図解する考え方や実例を紹介する2コマ連続(計100分)の授業。角川アスキー総合研究所さんよりお声がけいただき、経済産業省中小企業庁が主催する「学びと社会の連携促進事業(起業家教育)」という高校生向けのアントレプレナーシップを育成するプログラムの一貫でした。先生フォローしたよってツイッターですぐに検索されたり、ふだん使ってるメルカリの話を聞いたりと、スマホでなにかするのが当たり前になってる世代がこれからどんなビジネスを考えてくのか、楽しみ。学ばなきゃ、じゃなくて、面白いからつい知りたくなる、という状態になれるかどうか、が鍵だと思うので、すこしでも、ビジネスって面白いかも?と思える授業になれてたらうれしい。そしてうれしいことに、長野とは別の鹿児島の高校の教員の方から授業や部活動でビジネスモデル図解ツールキットをつかいたいという連絡をもらった。教育のためならなんにでも利用してもらって構わないと返信。もしこの投稿を見ている方に高校や大学、教育関係者の方がいたら、ぜひご自由にお使いください。

ビジネスモデル図解ツールキットを紹介する記事はこちら。


日経MJで連載

日経MJにビジネスモデル図解を連載しました。全14回で、8月から11月までの3か月間の連載。連載したのは以下の14図解でした。

AmazonGo、俺のフレンチ、ポプテピピック、WAmazing、Warby Parker、EVERLANE、ZOZOSUIT、b8ta、ポリポリ、ecbocloak、サカナバッカ、プチローソン、ミッケラー、拼多多

読んだよーって教えてくれたみんなありがとう。noteと日経の提携の取り組みをきっかけに生まれた今回の連載。これに限らず、これからもnote×日経でいろんな取り組みが行われてくとおもうので、こうご期待!


日経ビジネスモデル図解ワークショップ

日本経済新聞社主催でビジネスモデル図解ワークショップを開催しました。様々なバックグラウンドの方、約50名に参加してもらい、ビジネスモデルを図解することについてお話して、ワークショップをしました。全3時間で、講演2時間、ワークショップ1時間という盛りだくさんの内容でしたが、最後にグループごとに発表するときにはしっかりプレゼンテーションできていて、参加者の熱量を感じました。

当日の様子は日経からレポートがあがってるので気になる方はぜひ。


徹底研究!! GAFA 執筆寄稿

洋泉社が発刊するGAFAムック本に、ビジネスモデル図解を寄稿しました。Google home、Amazon Go、Internet.org (facebook)、Apple Watchの4つの図解を紹介。ここまで多角的にみれるGAFA本は中々ないのでぜひ。発売されたあとに、このGAFA本、ビジネス図解研究所が担当した部分の5ページ、出版社の方に、ぜんぶ公開していいですか?って聞いたら、快諾してもらったので、noteで無料公開してます。ぜひ!


NPO未来ラボとのコラボ

NPO未来ラボのみなさんに向けて、ビジネスモデル図解をお話しました。事前に、NPOビジネスモデルを図解してきてもらい、それをレビューして、図解をもっとわかりやすくする、ということもやりました。NPOの可能性を拡張している彼らのようなコミュニティと一緒に、なかなかビジネス上の経済合理性が得づらいといわれているソーシャルビジネスやNPOのマネタイズについて、最適な解を見出していきたい、という思いがあります。

詳しい経緯や、実際にやったソーシャルビジネスモデル図解はこちらの記事へ↓


図鑑対談

代官山蔦屋書店で、ビジネス書図鑑の刊行記念イベントに登壇しました。著者の荒木博行さんとは前からの知り合いで、図鑑対談が実現。ビジネスモデル2.0図鑑と照らし合わせながら、出版で得られたこととか、裏話とか、図解についてとか、いろいろお話しました。ビジネス書図鑑は、35冊の「とっつきにくいけど奥深いビジネス書」をイラスト付きでまとめた本。U理論、バリュエーションの教科書、ティール組織、夜と霧、影響力の武器、イノベーションのジレンマ、自分の小さな箱から脱出する方法などなど、本の選定が最高。中身もはっとすることが多くておもしろいので、興味あるひとはぜひ。

当日の様子をまとめてくれた記事はこちら↓


ビジネスモデル図解のコンサルティング

ビジネスモデルの相談ができないか、という依頼も増えてきました。そんなときは、お話しながら情報を構造化し、ビジネスモデルを図解するコンサルティングとして請け負います。画像は、Surpassさんのビジネスモデル図解をしたときの図。こういった図を、ディスカッションしながらつくりあげていきます。単にいわれたとおり図解をするのではなく、そもそも誰にどんなことを伝えていくべきか?をビジネス・マーケティング上の観点から一緒に考えました。その上で、その伝えるべきメッセージを図解というアウトプットに落としていきます。

絶賛ご依頼募集中なので、お気軽にご連絡ください!お問い合わせは以下まで!(とつぜんの宣伝)

contact@bizgram.org

株式会社Surpassさん↓


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2. たくさんのメディアに出た

日経新聞に掲載

日経新聞に2回、掲載いただきました(といっても、出版社の方が広告出稿をしてくれたということだけど)。日経新聞にこれだけの大きさで載ると、いろんな人から見たよって声かけてもらう率が半端じゃなくて、みんな日経読んでるんだな偉いな...という気持ちになった。


週刊東洋経済に掲載

週刊東洋経済のBooks&Trendsというコーナーで見開きでインタビューが載りました。ビジネスモデル2.0図鑑の大事なポイントについて語りました。お正月におばあちゃんのところに帰ったら、この東洋経済をにぎりしめて見たよって言ってくれておばあちゃん孝行がすこしできてうれしかった。ここらへんから文字書くのつかれてきて小学校の感想文みたいになってきている。


PHP研究所「THE 21」掲載

PHP研究所が発行する雑誌THE21の「新刊超訳」という新コーナーの第1回としてインタビューを掲載してもらいました。


NewsPicks特集

NewsPicksに『ビジネスモデル2.0図鑑ができるまで』という特集で取り上げてもらいました。前編後編の二部構成。前編は、出版のきっかけの話や、ビジネス図解研究所というコミュニティで本を制作した話や、ビジネスモデル図解の3×3のルールなどを話しています。後編は、なぜビジネスにクリエイティブが必要なのか、といったようなより深い内容を話しています。伊藤レポート2.0や無形資産、ESG投資などについても触れました。後編てふつう前編よりみられないけど、今回は後編こそよんでもらいたいので、ぜひ後編まで読んでください。

前編↓

後編↓

ビジネスモデル2.0図鑑は、100の図解が並んでいるさまがキャッチーなので、ついついそちらに話が集中しがちですが、本で本当に伝えたかったことは、実はすべて序章に詰まっています。今回の取材では、序章で書いたことを補完するようなことも多く書かれているので、本とセットで読んでもらえると、なぜビジネスモデルを考えるのか?これからのビジネスモデルに求められるものは何なのか?についてより理解が深まる内容になってます。ぜひ。

AbemaTV出演

Abema PrimeにVTR出演しました。noteの書き手として、ドリブルデザイナーの岡部さんと僕がVTRで紹介されました。

↓ドリブルデザイナーの岡部さん


advanced インタビュー記事

宣伝会議グループの株式会社マスメディアンがはじめる新メディア「advanced」にインタビューを掲載してもらいました。ここまで経緯を詳細に語ったのは初めてかもしれない。記事中に出てくる折り紙の画像、僕が小さいときに折り紙にハマっていたエピソードを話したら、実際に当時僕が折っていた折り紙を再現してくれたんです。まあ画像がなかったかららしいですが、そこまでやってくれるメディア、なかなかない、と思って、好きになりました。

Tokyo FMラジオ出演

TOKYO FM「エバンジェリストスクール!」の特別番組(17:00~19:00)にコメント出演しました。大学生向けにコメントがほしいということだったので、当時じぶんが大学生だったときに言われたらうれしいことってなんだろうと考えてコメントさせてもらいました。

エバンジェリストスクール! 公式サイトはこちら↓

ほかにもたくさんのメディアで紹介いただいたりしたのですが、長くなってきたのでこのあたりで一旦締めさせてください。

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3. たくさんではないが印税が入った

お金の話、気になる人も多いんじゃないかと思って、入れてみた。印税ってどのくらい入るの?って聞かれるんだよね。

印税はだいたい、10%くらいが業界標準みたい。僕も今回10%。10%というのは、1冊2600円の本だと、1冊売れたら260円印税としてもらえるよ、という意味です。ビジネスモデル2.0図鑑は1冊2,600円なので例のとおり。そんで、その260円が発行部数で掛け算されるわけです。

印税 = 発行部数 × 260円

ってこと。ここで勘違いしやすいのは、どれだけ本が発行されたか、なので、どれだけ売れたか、じゃないんです。実際に書店とかで売れたかどうかは印税には関係なく、売れそうな見込みをもとに、本が発行されたら、印税が入るという仕組み。だから、本の発行部数が増える「重版」というのを著者は喜ぶんだよね。僕も本を出すことになるまでこのあたりの仕組み全くわかってなかった。

ビジネスモデル2.0図鑑の発行部数はいちおう現状非公開なので、合計額をはっきり言えないのは了承いただきたいんだけども、6刷重版まで決まったので「数万部」になってることまでは自明かと。ちなみに、上に書いた式にあてはめると発行部数1万部あたりで260万円です。

まず前提として、本の売上は個人ではなく、会社の売上になってます。個人の売上として考えたら大きいけど、会社の売上として考えるとそこまで大きくないんですね。なぜ会社の売上にしてるかって言ったら、会社のビジネスと直結している内容の本だからです。しかも、この印税の中には、手伝ってくれたメンバーに対しての支払いや、経費や、自分が本をつくったことで生まれる機会コスト(もし本をつくってなかったとしたら、その間べつの仕事で売上だせていた)があるので、売上はまだしも利益として見ると、大きいものではないと思います(それでも弊社みたいな小さな会社にとってはありがたいけど)。

それよりも、この記事に書いたように、金額にはあらわれない価値のほうが大きいです。さまざまなお問い合わせをいただき、多数の企業とのコラボレーションや、メディア掲載など、本を出版していなかったら得られなかっただろう機会がたくさんありました。ふだん、インターネットばかりにいる僕ですが、インターネットだけではない届かない層というのがこれだけ広いんだ、ということをすこし実感できた気がします。

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ということでここまでで、「ビジネス書を出版したら何が起こる?」について、個人的な話だけど、順に紹介してきました。ありがたいことに、この記事にあげたものは一部で、他にもたくさんあるし、2019年以降でまだ公開できない状態のものなどは載せていません。リソースが限られてしまうため、どうしてもすべてのご期待にそえないのですが、コラボレーション、コンサルティング、講演やワークショップの依頼等、いいお話があればいつでもお気軽にご連絡ください。もう一度お問い合わせ先を載せておきますね。

contact@bizgram.org

これからも、「ビジネスって複雑でなんかわからない」みたいな声をひとつずつ、「ビジネスって面白いかも?」と思えるようなものをつくっていきたい。かつて自分がそう思ったように。そんなポジティブな気持ちこそ分断をのりこえると思うし、図解はそのためのコミュニケーションツールだと思っています。そして『ビジネス図解研究所』はまさにそのためのコミュニティ。これからもコミュニティを通して「ビジネス」×「図解」をたのしみながら追求していきたいと思います。

以上です。


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