AKIに対するバイオマーカーの変遷

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/38519236/

AKIのバイオマーカーに対する開発がすすんでいますね。簡単なまとめがKIに記載されています。

尿中NGALはかなり有名になっており、保険でも測定できるようになっていますよね。肝腎症候群と尿細管壊死(ATN)の鑑別に使えるようです。テルリプレシン(terlipressin)は肝腎症候群の治療薬としてアメリカなどでは認可されているようです。腎予後改善の薬剤は少なく、日本でもぜひとも使用してみたいですよね。

急性間質性腎炎はマーカーが乏しいことで有名ですが、尿中CXCL9, TNF-a, IL-9などが代表的なマーカーとして挙がっているようです。感染症との鑑別にどこまで有用かが肝ではあるとは思いますね。

尿中KIM-1、尿中Uromodulin、尿中YKL-40、尿中MCP-1、尿中Osteopontin 、血清TNFR1、血清TNFR2などもマーカーとして挙がっていました。donor腎やAKI後のCKD移行へのマーカーとして検討されたようです。

ここらへんは保険で測定できないのでどこまで有用なのか実感できないのが残念ですね。

尿細管もしくは浸潤する免疫細胞にこれらの多くは発現していますので、尿細管の保護や免疫細胞の除去などができるといいのかもしれませんが、そういった直接的な薬剤はこれといってない?のが現実でしょうか。早期の発見やより厳格な治療方針が立てられるのかもしれませんね。尿中NGALを臨床にとりいれてどこまで役に立つのか実感してみようかと思いました。

今日は結構な雨でした。通勤1時間だとなかなかしんどいです。


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