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耕す、は英語で言うとCultivate。町を耕すとCultureになる。

今日は、いろんな終わりがあった。

①シン地主さんとの交渉が終わった
今まで長年お世話になっていた地主さんが土地を手放され、去年末に新しい地主に引き継がれた。
新しい地代や更新料の交渉が今日、終わった。
最初は絶望的な値段だったが、まあ、これならしょうがないだろう、という値段まで下がり、落ち着いた。
私の父と私の借地はそのまま更新だが、この際にと土地を買った人、この際にと土地を地主に売って出ていく人、様々なようだ。

地主がほんの数軒分を買っただけでも、これだけ動きがあるんだなぁ。

②演劇「よみほぐし」が終わる
うちの店から3軒ほどのところにあるコミュニティ食堂「おぐセンター」の二階で、俳優であり、セラピストでもある辻村優子さんが、たった一人の観客に対してもみほぐしをしながら、物語る、という不思議な一人芝居。

途中に休みの日を入れなから合計14日間、一人1時間で、1日3公演というスケジュールが明日終わる。

穏やかに流れる語りの最後の方で、天ふじの名前を叫ぶセリフを入れてくださっている。そのおかげで観劇の後にうちの天ぷらを買ってくれたり、写真を撮ったりしてくれる方もいて、私が観劇した次の回は演劇のライターの方で、たくさん天ぷらを買ってくださった上に、「劇場と銭湯がある町」の記事の中に、西尾久も入れてくださり、天ふじの名前まで。

ついに劇場のある町として認定されたのは感無量だった。

 明日が千秋楽。私に比べたらはるかに小さな体でバックを背負って通う後ろ姿。この3週間、彼女にとっても世界的にも?初めての企画で、14日間✕3公演をすべて予約で埋まり、一人でやられてこられたチャレンジ精神は端から見ていて感動する。今まではほとんど閉まっていた「おぐセンター」の二階が、公演の前後に開いたり閉まったりして、気配がするのも嬉しかった。

彼女の語る物語の中に、「こねる」「たがやす」などの言葉があるが、こねたり耕したのは、観客の体や心たけでなく、西尾久という町も、こね、耕し、揉みほぐして、新陳代謝を促してくれたんだと思った。

私の店は明日は休みで、その公演中は法事でいないため、あの気配を店から感じるのは今日で最後だった。

3週間にわたる楽しい時間をありがとうございました。

③白衣の洗濯との戦いが終わった、かも
最後はしょうもない話。
天ぷら屋の白衣は油が着いて、なかなか汚れが落ちない。この20年くらい色んなアルカリ性の強い洗剤なども試してみたが、全く解決しない。繊維の間に油が入って、それが何かの反応で固形化して硬くなり、ゴワゴワになってしまう。
ふと、ひょっとして、油が繊維の中で固まっているのは油とアルカリ成分が反応した結果じゃないか、と思い酸性のクエン酸水に一晩浸けてみた。

それが直接の原因がどうかわからないが、ゴワゴワがかなりなくなり、溶けたのか黄ばんでいた色も白に近づいた。

20年越しの戦いが、今日終わったかもしれない。

 …

明日の法事が終わると、ゴールデンウィークまで用事がなくなる。私の日常もほぐれてくる。

そして旅へ。

湯治だ。楽しみだ。