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楽天市場 その 強み は 店舗結束 にあり 忘れるな 楽天 うまいもの大会 の魂を

 楽天市場 の 強み って一体なんだろう?経済圏の利点とか色々言われるけど、出店店舗の側からすれば、店舗同士で形成されるそのコミュニティと結束にあると思う。それを感じられるイベントが「楽天 うまいもの大会 」であって、毎年恒例だが、2019年もJR名古屋タカシマヤで開催され、10月24日から約1週間に渡り行われた。僕もこの地に来ると、ニッポンの“商い”の魂を感じて胸が高鳴る。


楽天 うまいもの大会 今年もニッポンの“商い”の魂が結集

その1「Okawari」

1.「おかわりっ!」の声が響く お惣菜の新風を起こす「Okawari」

 数多くのショップが集まり、それこそ甲乙つけがたい食品が並ぶわけだが、ここにある各ショップの声に耳を傾けると、一つ一つにドラマがある。今年、話を聞いていて感じたことは、ここに集まる人たちは今という時代を生き抜くための「挑戦者」でもあるということだった。

 売り場で「おかわり」というブランドが目に止まった。鮭とキノコのホイル焼など、食卓を彩るお惣菜を冷凍食品にして、作り立てのような食卓を一瞬にして演出するというものだ。

 手掛けているのは、まるすぎ 。社長の長谷川勝久さんによれば、もともとは企業に配達するお弁当屋と懐石料理の料亭をやっていた。が、料亭が女将の引退を機に閉店したことで新たな事業を模索していた中で発案されたのが、このお惣菜を冷凍にするというものだった。

 企業向けのお弁当屋は早朝から稼働するが午前8時には作業が終了する。長谷川さんとしては、そのあとの工場の稼働させて効率化を意図したものでもあった。ただ、商材には彼なりに思いがあり、化学調味料は一切使わず、無添加であることを謳って、冷凍食品ながら、品質には自信があった。 

2.生まれ変わった「おかわり」のネット通販

 この商品は、売れない時代もあったが、コンサルタントを起用してから売上は登り始め、今やコンサルタントが掲げていた目標も達成するようになって、状況は一変する。

 ただ、ここで長谷川さんがしみじみ言うのは、事業に対する本気の度合いだ。コンサルタントの力もさることながら、変わったのは長谷川さんの意識であり、同社が色々な事業をやっていたことを理由に、この「おかわり」の事業が片手間となっていたのも事実で、本腰を入れてからと言うもの、状況が変わったのだと言う。

 今では弁当などの他の事業に対して、このネット通販の事業の割合は、4割を占めるほどになった。そしてこの「おかわり」の事業もまた企業向けの案件が増えてきており、カタログギフトなどにも起用されるようになった。まさに、先ほど話した品質が評価された格好だ。挑戦なくして、企業の成長なし。まだまだ彼の挑戦は続くのである。

その2「ますよね」

1.自慢の「本ズワイガニ」実演で手応え!ガッツポーズ〜ますよね


 「ますよね」も挑戦の会社である。ますよねはネット通販では老舗の企業であり、もともと蟹問屋に端を発する。

 問屋業をやる傍ら、福井の敦賀市で実店舗として産声をあげたのは今から20年以上も前のこと。催事を実践しながら、全国にそのカニの魅力を伝えて来たが、先代社長の発案で、17年ほど前からネット通販を始めたのだった。

 今や二代目となり、そのイズムが引き継がれた橘高社長はこのイベントに特別な想いを持っていた。彼もまた、ここで挑戦して見せた。かつて、楽天市場に出店したのも挑戦であるように、楽天との関係性は常に挑戦の中で築かれるものでありたいと、この会社としては催事経験は数多くあれど、初めて実演販売を行った。

 ガラス張りの向こうで、蟹の中でも身が引き締まっていて高価な「本ズワイガニ」が並ぶ。それらは、ご飯の上に贅沢に乗せられ、さらにウニといくらをのせて魅せた。

 話している最中にも、橘高さんには続々と嬉しい報告が入る。1日200食限定と言っていたのにもかかわらず、開始1時間でもう30個以上が売れているといい、「想定以上の反応」と会心のガッツポーズを見せた。

その3「クロネコパティスリー」

1.名古屋で花咲くカヌレの“カーニバル”〜クロネコパティスリー


 この場には実に色々な業態が集まる故、挑戦のありようも様々。ところで、最近、感度の高い女子の間で話題になっている「カヌレ」というスイーツをご存知だろうか。フランスの洋菓子であるがここ2〜3年の間に急速に脚光浴びていて、新しい商業施設ではそれを目玉商品と据えることすら多い。
 そんなカヌレで勝負を挑むお店が「クロネコパティスリー」。もともとこのお店の運営会社「プロジェ」の幹部はメディア出身であり、商品などをプロデュースする力に長けており、その嗅覚とそのプロデュース力で世に様々な商品を送り出してきたが、そこで惚れ込んだ商品というのがこのカヌレであった。 

2.スタッフが一丸となっている理由は自信があるから。


 同社は催事をメインに進めており、その名を「スイーツカーニバル」と言って、持ち前のプロデュース力を、逸品のスイーツで発揮させてきたのだ。その回数たるや何100回にも及ぶからプロ中のプロだ。そのプロが、数多くのお客様の声に後押しされて、催事以外でも購入できる機会をと楽天市場の門を叩き、作ったのが、「クロネコパティスリー」なのだ。

 まさに、挑戦であった。また催事に詳しい彼らだからこそ、この「楽天うまいもの大会」のパワーを知っていたし、ここに出られることの意義も重責感も知っていた。

 普段は6種類なのだが、このイベントに向けて、更に4種類追加して、勝負をかけてみせた。特に、カヌレグラッセを用意したが、通常、グラッセは、常温での扱いが難しい。それでも、最高級のパフォーマンスを披露した。

 最後に、この勢い理由を改めて伺うと、実にシンプルながら納得のコメントが返ってきた。「例えばですが、スタッフ自体がこの商品は美味しくないなとか、高いなと思っているものはやっぱりお客様も買わないんですわ」と。

 そしてこう続ける。「皆、うちの商品に自信を持っています。働く全員が自信を持ってお客様にお勧めして、そこにチームワークも生まれて、結果、満足いただくことに繋がっているので、今日も万全です」と胸を張って見せた。

その4「ちこり村」

1.育まれた「ちこり」への愛がここで形を為す〜ちこり村


ここにも挑戦が見られた。「ちこり村」という店だ。そもそも「ちこり」というのはヨーロッパ原産のキク科の野菜のこと。

 同社の社長は15年前、ヨーロッパ出張で「ちこり」に遭遇し、それが、赤ん坊の手のような可愛らしい見た目をしている事に惹かれた。しかし「ちこり」について、日本では「すごく苦いもの」など誤った理解も少なくなく、肩を落とす。

 意を決して、同店を運営するサラダコスモが「もやし」など、水耕栽培を得意とするメーカーでもあることから、自ら栽培して、認知を拡大させようとしたのだ。

 「ちこり」の根を芋に見立てて、焼酎を作る等、型破り。認知拡大のためにやっていたことだったが、結果、同社自体の商品の幅が広げることとなり、店名も「ちこり村」と変えて、今に至る。

 今回は、「有機黒ニンニク」でイベント限定のメガ盛りで挑んだ。8000円の強気な価格設定だが、初日の午前中で1日分を完売した。アンデス地方の標高3000mの大地で栽培し、7年越しで開発したもので、イチゴの糖度の2倍以上。このメガ盛りを理解し、購入する彼らのファンにこそ、この店の強さがある。

 値段の高さに目がいきがちであるが、実はそれが割安であることを、このお店のファンは誰よりもわかっていたのである。このファンとの間の信頼関係は、地道に積み重ねた、この店の努力と結晶の跡である。

 魂は商品に宿り、その商品は店にファンを作る。しかしその魂は様々な人の勇気ある「挑戦」によって生まれるもので、だから感動もある。また、新たな歴史が挑戦者たちとともに、この地で、生まれる。

その5「みなと」

1.震災 の窮地を救った 楽天 が魅せた商店街の価値

 また、うまいもの大会に出店していた常連の宮城県石巻市の明太子店「みなと」は、今回のこととは別に、震災時のことになぞらえて、「うまいもの大会」の価値を語ってくれていて印象深い。


 話に答えてくれたのは「みなと」木村朱見さんである。「みなと」は、この震災の中にあって、津波の被害が特に大きく、たらこを製品化するための業務に関わる倉庫など多くが水に浸かり、仕事を再開できる目処など、到底なかった。その想像を超える被害に、社員は皆、憔悴しきっていたのだ。
 ただ、思いがけず外からの声に促されるようにして、彼らの“エンジン”がかかって行ったというのだから、不思議な話だ。その声の主こそ、彼らが出店していた「楽天市場」の担当者の声。
私たちは東京で6月に震災復興の為のイベントをやろうと決めました。今こそ『みなと』さんもそこに出て、頑張りましょう!
 実は、楽天は震災直後から、小田急百貨店と交渉しており、その被害から間もない6月下旬に「楽天市場東北グルメ応援市」を企画して、東北地方の店舗に対して、出店を呼びかけていたのだった。
 結果、「楽天市場 東北グルメ応援市」には「楽天市場」に出店している東北6県のショップから23店舗(青森2店、秋田3店、岩手4店、福島2店、宮城8店、山形4店 )が出展し、水産加工物、麺類、調味料、スイーツなど約150品目を販売することとなったのだ。

2.目標が生まれると、人はそこに向かって動き出す

 とはいえ、現場の意識としては、「本当に大丈夫なのか・・・」当初は、その思いしかなかった。それが本音だ。ただ、その楽天の熱意に押されたのもあるし、「自分達を鼓舞して、頑張ろう」という気持ちもあった。
 悩んだ挙句、「みなと」はそのイベントに取り組む決断を彼らはしたのだった。しかし、そこに向けて動き出すうち、彼ら自身がそこに「生きる目標を見つけた」ような気になってきたと木村さんは話す。
 気がつけば、被災した会社の施設の中で、泥をかき分けながら「6月にこのイベントに出るために、仕事をやるんだ!」って声を掛け合っていた。
 水も電気も1ヶ月以上通らず、再開の目処が立たない中でも、「みなと」の社長は「一人たりとも解雇はしない」と公言していたという。
 そして、木村さんは当時は不安しかなかったから気づかなかったけれど、今思えば「楽天は一生懸命、私たちを外へと連れ出そうとしてくれたのだ」と振り返る。彼らがこのイベントで決死の思いで持ち込んだのは下記だった。

3.復興の為に、皆が動いて、それが力となった。

 僕は思う。上の社長の一言、一人たりとも解雇しないという言葉にしても、膨れ上がる廃棄処分の金額と社員を雇用するための金額を思えば、どんなにか苦しい局面だったろうと。でも、だからこそ、重ねて思うのだ。
 一歩踏み出す勇気。踏み出さなければ何も事態は変わらない。絶望の中で、彼らはその行動を選んだことで、前進したのだ。その意味で、楽天の一言は大きかったし、彼らが変化するきっかけになった。
 誰かが声をあげなければ始まらない。力を振り絞って一刻も早く立ち上がり、イベントでもなんでも掴み取って、売上を立てることは自らの事業を、社員を守る上で、きっと大きな意味を持つだろう。
 そして、「みなと」は「楽天市場東北グルメ応援市」の舞台に立った。この日のために、製造環境を整え、保健所の協力もあって販売許可も早々取得できたけど、でも、その工場の多くが水に浸かってしまったからその商品は作れても、1〜2種類しかない。売り上げは立つのだろうかという不安はあった。
 お客様に告知する環境もサーバーがダウンして整わなかった。だから、お客様は集まるのか、そんな不安もよぎった。けれど、ひたすら奮い立たせてこの日を迎えた。なんでもいい。やるんだ!と皆が懸命になって仕事をした。
 すると、当日、驚くことに、そのイベントには実に、多くのお客様が詰めかけていた。自分達の力ではなしえない大きな力が働いていた。

4.あの時の行動がなければ奇跡はなかった

 関係者総出で、このイベントの告知をしたのであって、また、一方で、このイベントを知るや否や、中には新幹線に乗ってまで、きてくれたお客様がいたほどだった。中には彼らが出店していた催事「楽天 うまいもの大会」の常連客もいたという。楽天市場に集まる店舗が催事を通して、集まり、そして力を合わせる、まさに「商店街」イズムが溢れたものなのだ。
 この復興イベントは、うまいもの大会同様に、楽天市場に出店する店舗の支えあいがお客様の満足度を高め、その商品を堪能し、そこに活力を得て、売る側も、買う側も勇気をもたらした。
 あのとき、もし嘆いてばかりで勇気を持って一歩を踏み出さなければ、今はなかったのかもしれない。その一歩の重みを感じるとともに、諦めないことの大事さを身をもって感じた。
 そして、彼らは、いつもと変わらぬ表情で、その年の秋に開催された「楽天うまいもの大会」に、参加していたのである。でも、その裏側では「みなと」の社員一同、皆、こう叫び、泣いたというのだ。「私たち、ここに帰ってこれたね」と。楽天市場はネットの企業だけど、彼らがもたらしたのは、楽天市場内の店舗同士の支え合いだし、商店街さながらの信頼なのだ。

楽天市場 その 強み は 店舗結束 にあり 波風たってもうまいものイズムを忘れるな

 近頃、楽天は大きくなって、その役目が変わって、送料無料ラインの話題然り、店舗と楽天の間に、少しばかり波風が立っている様にも見受けられ、らしくないなと個人的には思う。僕は彼らにお世辞を言うつもりはないけれど、楽天は店舗と寄り添って、掛け声かけて、泥臭いけど、エイエイオー!ってのが一番似合っている。
 こんな時こそ、初心に帰って、こんな風な「うまいものイズム」に帰るべきだと思う。今よりもっと、楽天も、しつこいくらいに店舗と寄り添ってコミュニケーションを取ればいい。
 商店街の魂を感じさせてくれたこのイベントの精神はニッポンを素敵に変える力を持っている。楽天市場の魅力は経済圏?いやいや、店舗同士のこの結束にあるんだと、そう僕は言いたい。何故なら僕が店舗と話してそう思うのだから。
 今日はこの辺で。


ペンは剣より強しと言います。だから本気でここで書く一言、一言で必ず世の中は変わると思っています。そのあたたかなサポートが僕への自信となり、それが世の中を変えていくはずです。