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さらけ出しの威力とは?〜成長につながる問いかけコーチング#89

あなたは「さらけ出し」できていますか?

「さらけ出し」の威力とはなんでしょうか。あなたは「さらけ出す」こと自体をどのように捉えていますか?

最近、人材育成やマネジメントの領域でも「弱さのさらけ出し」というのは一つの大きなテーマとなっています。「さらけ出しができるリーダーこそ信頼を集める」と言い切られることもありますが、自分の弱さをさらけ出すというのは、なかなか難しいですよね。リーダーだけではありません。誰もが難しいと感じることです。

では、なぜこの「さらけ出し」は威力を持つのでしょうか。

人間はどうしても自分の弱いところより、強いところを見せたいと思ってしまいます。だからこそ余計なマウントを取りに行ったり、自分の方が優位であることを他者に示してしまうことがあります。特にリーダーにとっては、「メンバーよりも優位に立っていないといけない」という思い込みに縛られ、弱さをさらけ出すなんてもってのほかだという考えも多いのではないでしょうか。

しかし、組織のリーダーもそうですが、実生活においても、ちょっとした弱音や自分の都合の悪いことをきちんと言える人は信頼できると思いませんか?

責められたり、信頼を失うかもしれないような都合の悪いこと、もしくはちょっと格好悪いことを相手に素直に伝える。これが逆に相手からの信頼を得ることにつながると言われています。

もしかするとあなた自身も経験しているかも知れません。あなたが本当に信頼している人との間では、ちょっとした恥ずかしいことも相談できるのと同じように、無防備の状態を示すことが、裏を返すと自分も相手を信頼しているという証拠になり、その無防備の状態こそが強さや勇気の証に変わっていくんですね。

この状態は英語で言うとヴァルネラビリティ(Vulnerabiity)と言います。ヴァルネラビリティとは直訳すると脆弱性という意味ですが、心の弱さやもろさのことを表します。発音が難しいので日本ではなかなか浸透しないと思いますが(笑)、リーダーシップにおける大事な要素の一つであると言われています。

前回、感情表現はトレーニングだと言いましたが、弱さをさらけ出すこと、これも実はトレーニングなんですね。今までやっていないことは、すぐにはできるようになりません。

今まで考えていたリーダーといえば、強さをみんなに共有し、ぐいぐい引っ張っていくタイプのリーダーかも知れません。これはこれで素晴らしいスタイルですが、リーダーというのは、実は信頼できる仲間にはきちんと弱さをさらけ出し、自分のちょっとずるいところや情けないところ、そんなところも正直に話していくことで結果的に信頼を得て、強さと勇気を手にしているのです。

私自身も思い返してみると、ラグビーでキャプテンや監督をしているときには、仲間には自分のダメさ加減を隠しことなく披露していました。だからきっと、みんなも信頼してくれていたのだと思います。今はチームこそ持っていませんが、これからも変わらず周囲の仲間には弱さをさらけ出していこうと思います。繰り返しますが、これはトレーニングです。あなたもさらけ出す勇気を持って、日々を過ごしていきましょう。

※ 本記事は、中竹竜二Voicyチャンネル『成長につながる問いかけコーチング』より、内容を再編集し、記事化したものです。


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