コロナ禍の流行りもの…とはいっても縁は異なもの味なもの

「ウィズ・コロナ」「ポスト・コロナ」でその筆頭格は「外遊び」であろう。

「外遊び」という言葉であえて「アウトドア」としなかったのは、「アウトドア」といってしまうと「キャンプ」のみになってしまいそうだから。「ゴルフ」や「バイク」といった「外遊び」も混ぜてやりたい。

この中で「バイク」…実は自分もその1人である。この秋に小型二輪の免許を取得し、11月から125㏄原付二種のバイクに乗っている。

このバイクブームは男女を問わない若い人たちやおじさんの復活組が中心のムーブメントだが、私の場合は「若い人たち」でもないし「復活組」にも該当しない。いわゆる趣味としてのバイク乗りは今年の春先までは長い人生の間で一度も興味を持ったことはない。

「コロナ騒ぎでバイクに乗る」…原因と結果だけを記すとこれに尽きるのであるが、この原因と結果の間には数々の偶然がある。それはまるで「風が吹くと桶屋が儲かる」「わらしべ長者」的な壮大な物語なのである。その経緯について、他の方に聞いていただくというより私の備忘録的に綴っておきたいなと思った次第で。


①コロナによる外出自粛で2020年の初冬以降は家にいる時間が増えた。

コロナで外出自粛が叫ばれる中、県内の移動はそれほど言われていなかったので昨年は梅雨明けから晩秋までは地元長野県内で趣味である山登りをしまくっていた。

例年であると人気の山域は朝から駐車場が満杯。それが嫌でピークシーズンは近くの里山で満足していた。ところが去年は首都圏からの往来が激減したので朝思い立って出掛けても登山口の駐車場はガラガラ。長野県在住を活用し県内狭しと歩きまくっていた。

ところが毎年11月頃になり、山から雪の便りを聞くと私の山登りのシーズンは終了になる(冬期でもスノーシューハイクには出かけますが、「山登り」は家族が心配するのでやらない)。

そういう時期になると例年は日帰り温泉巡り(温泉好き)や名所旧跡巡り(歴史好き)、美術館巡り(アート好き)に勤しむのだが、屋内に人が集まるのでコロナ禍においてはどうも気が進まなかったのだ。

②ギターの練習を再開することに決める。

大学生の頃からギターは持っていたのですが子供が生まれてからはほとんど手にすることがなくなった。せっかくなので家にいる時間が増えたのを利用して真剣に打ち込もうと決めてみました。

③「ギターが弾けるようになる」のではなく「お気に入りの1曲をしっかり弾けるようになる」に方針決定。

今まで「ギターを弾いた」といっても気に入った曲の一部のフレーズを弾いて満足してしまい、一応音楽理論なんぞもかじってはみるものの途中で飽きてしまい中途半端なところで一旦停止、そのあとまた思いつきで再開するが全てを忘れまた一からのスタート…の繰り返しであった。

そこで「ギターが弾けるようになる」のではなく「曲が弾けるようになる」に集中してみようと自分の中で決定的。

④課題曲をオジー・オズボーンの「クレイジー・トレイン」に決定。

今まで弾いたことがない曲を弾いてみたいと昔のCDを引っ張り出してきたが、年を経ても色褪せないランディ・ローズのギターに惹かれこの曲を選択。

⑤ギターフレーズを耳で覚えるため「クレイジー・トレイン」のYouTube動画を見まくるついでに「オジー・オズボーン」、「ブラック・サバス」、この曲の教則の動画を観まくる。

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この曲のCD、タブ譜は持っていたが細かいニュアンスや弾き方を知るために暇さえあれば検索していろんな動画を見ておりました。

⑥「ブラック・サバス」を観まくったせいか、YouTubeのトップ画面に様々なヘヴィメタルバンドの動画が登場するようになる。

YouTubeって見た動画に関係した別の動画やチャンネルが色々出てくるんですよね。

⑦そのお勧め動画にやたらと白塗りの坊さんが登場する。

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このスクリーンショットはこの記事に載せるために最近撮ったものです。昔からハードロック、ヘヴィメタルが好きでしたので「人間椅子」というバンドは知っていました。しかし、身の回りに特に熱烈のファンがいなかったこと、どちらかというと海外のバンドの方が好きだったこともあり彼らの曲を聞いたことはありませんでした。

⑧あまりにも頻繁に登場するので観てみたところ、曲、歌詞、見た目、世界観…全てがカッコ良すぎて一気にファンになる。

いや~、私も色んなバンド、アーチストを聴いてきましたが、まさに「ジャパニーズ・ヘヴィメタル」とはこういう音楽のことを指すのではないかとバットで頭を殴られた級の衝撃を受けました。

⑨「人間椅子」のファンになったことから、このバンドのギター&ボーカルの和嶋慎治氏のYouTubeチャンネル「哀愁のワジマシーン」を見始める。そこで氏の趣味であるキャンプやバイクの動画を見る。元々キャンプは趣味であったが、少しだけ「バイクって楽しそうだなぁ」と思い始める。

このチャンネルの動画の中で和嶋氏が「バイクの魅力」について次のような内容の話をしておりました。

「皆さん、時々空を飛ぶ夢を見ることありません?バイクに乗ってる感覚ってあの夢で空を飛んでる時の感覚に似てるんですよ」と。この言葉がしばらく私の心に引っ掛かっていました。

⑪2021年1月、親父からの提案により実家の建て直しが決まる。

2年前に大病をした親父。33年前に中古で購入した実家は既に築48年。断熱性も乏しくそこいら中にガタがきて「寒くてこんな家に住んでたら寿命が縮まる」と実家の建て直し、建て直し後の同居の提案を受け了承。

⑫実家取り壊しのための両親の仮住まいへの引っ越し、片付けが始まる。ガレージに眠っていた私の50㏄スクーターの処分を親父から迫られる。

25年前に通勤用に購入したものの1年も経たないうちに遠くの支店に転勤になってしまったので全く乗らなくなってしまったスクーター。それでもと親父が古いカーペットと養生シートで梱包しておいてくれた。久しぶりにその封印を解くとエンジンはかからないものの見た目は綺麗であった。

⑬スクーターを乗れるように整備してもらったらどのくらいかかるのだろう?…と、バイク屋さんに見積依頼。思ったより安かったので直してもらう。

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古いスクーターなので売っても二束三文であろうとダメ元で依頼。近頃は近所も自転車で出掛けることは少し億劫になっていたので「買うよりは直した方が安いよ」の言葉にちょっとしたところに出掛ける足替わりに直してもらうことに。

⑭ネット上で50㏄スクーターでツーリングをしている人が結構いることを知る。試しに50㏄スクーターで近所にツーリング的に出かけ始める。そしてそれにハマる。

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50㏄のカブでツーリングをしている人がいることは自動車でのドライブの途中ですれ違っていたので知っていたが、スクーターで100キロ超のツーリングをしている人がいることを知って自分も挑戦してみる。すると和嶋氏が話していた「空を飛ぶ夢と同じ感覚」を体験し感動する。

⑮毎週仕事でお邪魔しているお客様が、実は私と同じく50㏄でのツーリングをしていることを知る。さらに50㏄に我慢できず原付二種の免許を一週間前に取ったことを知る。そしてその人から原付二種の免許を取らないか?と勧められる。

この方はホンダのカブでツーリングをしていたのですが交通量の多い国道を制限時速30キロで走るのが段々怖くなり車と同じ流れに乗りたいと小型自動二輪の免許を取得。教習中にもっと大きいバイクに乗りたくなり卒業しすぐに今度は普通二輪の教習を開始した(結局最後は大型まで取ってしまった)。

私も取りたいという思いがなかったわけではないが、免許を取るのに10万円、その後バイクを買えば10~30万円…これだけの大金を自分のためだけに使いたいと家族に言える勇気はこの時点ではなかった。

⑯知らないうちに日常会話の端々でバイクの話をしていたのか、奥様から「バイクの免許を取りたかったら取ったらどう?」と許可をいただく。

多分ウチの妻のことだから免許取得、バイク購入の費用については「あなたが稼いだお金だから好きにしていいよ」と言ってくれると思っていましたが、何年か前に義兄、つまり妻の兄がバイク事故で怪我をしていることからバイクに乗ること自体を反対されると思っていたんです。しかし、「そりゃあ、心配は心配だけど免許取るとしたら今しかないでしょ?もうすぐ住宅ローンの返済も始まるし…取りたいなら免許取ったら」と賛成してくれました。


…というわけで、8月に教習所に申し込みをし9月より教習開始。10月末に卒検に合格し11月より晴れて51~125㏄の原付二種、小型自動二輪を運転できるようになりました。

そして私のファーストバイクはYAMAHAのYBR125。

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このバイクに乗ることになったのはまたもう一つの運命的な物語がありますのでまたの機会にお話いたしとうございます。

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