あと少し、
小説家には「なりたい」って、
今でもそう思ってるんだ。
けれどこの手が動かない、
昔のようには進まない。
できるのならば書きたいけれど、
いつもなおざり、後回し。
昔はあんなに書けていたのに
何を言われてもめげなかったのに
学校を辞め、それまで書いてた小説ノートを全部捨てたら
ぐわりと夢に引き摺り込まれて、
ただひたすらに眠り続けて
目覚めたときには書けなくなってた
今でも頭の中は空想
設定ノートは山積みになる
だけど、どうして?
いざ文章、と意気込んだって空回り
きっと苦しい記憶と共に
どこかへ落としてしまったのだろう
取り戻したい、でも怖い
辛いことまで思い出したら
また動けなくなりそうで。
もうあの時とは違うから
やってみたいと思ってはいる。
でも目の前は一面の霧、
どうすればいいかわからない。
「愛することは傷つくことさ」
昔の私が嗤って言った
そうだとしても、書かなきゃきっと
私は死んでしまうから。
あと少しだけ何かが変われば
取り戻せそうな気がしますので
言葉の欠片を紡いでいくよ
ぼんやりとした月の下。
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