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マッコウクジラより深く潜るアカボウクジラ

驚きの海洋哺乳類(とミオグロビンがいっぱい)

アカボウクジラをご存知だろか?
私は知らなんだ。

深海ほぼ3000mの潜水能力を有する驚異の生物。
衛星で紐付けたタグの記録で2992mまでの潜水が記録されている。これは深海への潜水で有名なマッコウクジラより更に500mも深く潜水潜水する。こちらの動画によるとこの水深まで来ると1㎠あたり3000tの水圧が掛かりここらの深海魚は地上ではもうプルンプルンになってしまうくらいのものなのだとか。(7分41秒から)
Wikiは英語の方が詳しい。
極限状況の記録だったのではないかという考察がなされてはいるが観測された潜水時間は最長3時間42分である。
哺乳類???? そう紛れもなく哺乳類。細胞レベル、遺伝子レベルでペシャンコにならない??? 4時間近くの潜水???

以下ドイツ語wikiよりDeepL後引用

長く深く潜り、主にイカを捕食する。ノースカロライナ沖での最大潜水深度は約3000m、潜水時間は3時間42分で、すべての哺乳類の中で実測潜水深度と潜水時間の記録を保持している[1]。南カリフォルニア沖での1000回以上の深海潜水を分析した結果、平均潜水深度は1400mであることが判明した[3][4]。これらの潜水は、筋肉細胞内に酸素運搬タンパク質であるミオグロビンが特に多く含まれていることによって可能となる。リグリア海における7頭のアカボウクジラの潜水を科学的に評価したところ、水深1900mに到達した。1回の潜水時間は平均1時間であった[5]。

なんたる驚異の生物。なんたる生物の驚異。(マッコウクジラも無論)

(妄想余談 海生爬虫類 イクチオサウルスとかああいうやつ、の時代にももしかしたらそういう深海に潜航できるミオグロビンマシマシ装備の種が存在したのかもしれない。Nobody knows もっとも深海に適応した種がいなかったからその後のもっと浅い海にできたニッチにも再び進出はできなかったのかも)

アカボウクジラは深海に潜水する時は胸郭を折りたたむとか肺も畳むとかミオグロビンマシマシ以外にも様々な適応があるようだ。そりゃ1㎠あたり3000tの水圧に耐えるのだからさもありなん。いや、分子レベルで色々まずいと思うのだが…


深海とまではいかねども海棲哺乳類 代表格のクジラ肉にはミオグロビンが豊富である。
クジラ肉昭和中期に小学生だった私は給食で鯨の唐揚げよく食べたもの。硬くって色黒で臭みの強い肉だったけど、あの黒みの原因がミオグロビン。

鯨肉はとにかく赤みが濃い。
まぐろが赤身なのもミオグロビン、そしてその機能は

例えば筋肉の酸素要求が血液からの供給を超えた場合などにのみ酸素分子を放出し、緊急時の酸素貯蔵庫として機能する。

wiki

ミオグロビンマシマシは潜水時間が長い海獣には不可欠の進化

らしい

興味深いのはアザラシとクジラのミオグロビンの進化を調べるとそれぞれ進化が独自なものであるのだとか。(ちょっと略しすぎ?)
なのに結局 潜水にはミオグロビンの構造を進化させている。
哺乳類としては酸素の供給をカバーするのはミオグロビンの増量がデフォで水圧に耐えるための構造の変化があったと…
そして
アザラシとクジラでは、この構造安定性を獲得する仕組みが異なっていた (岡山大学の研究より)
ミオグロビンは赤色筋肉(持久力に関わる筋肉)に存在し、酸素が不足した場合に対応できるように酸素を蓄える働きをする

だが筋肉に挫滅などが起きた場合は血中に大量に放出されて腎機能にダメージを与える。血中ミオグロビン量はそのメルクマールになるらしい。

クジラ類に関してはついでに止血の能力もないらしいので怪我というのは命に関わる大事であるらしい。(詳しい人教えてください)

結論:  

アカボウクジラをはじめとするクジラ類 哺乳類としておかしくない?
あと進化は気が狂ってる。(しつこいけど1㎠あたり3000トンだよ。魔法?)


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