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ほわちょこ創作の裏側vol.2 朗読配信企画 編

このたびの新型コロナウイルスでお亡くなりになられた方にはお悔やみ申し上げます。また、医療従事者をはじめ大変な状況の中社会を動かし続けて下さっている皆様に心より感謝致します。


ほわちょこ創作の裏側vol.2 -朗読配信企画-


劇団ホワイトチョコが好き。の後藤です。
朗読配信企画にご協力いただいている出演者・スタッフの皆様、そして配信を聴いてくださっている皆様に心から感謝いたします。今日は、朗読配信企画を中心に、ここ最近感じたことや思ったことをつらつら書いてみたいと思います。読み苦しいところもあるかと思いますが、ご容赦下さい。

◼️朗読配信企画はどのようにしてはじまったか

3月末頃、主宰の一人である響乃ちゃんの呼びかけがきっかけでまず「見上げる魚と目が合うか?」の配信が決まりました。

🎥期間限定配信はこちら
https://youtu.be/lDNn5k5K_CY

公演やイベントの自粛がはじまったのが2月末位からだったので、プロフェッショナルとして舞台に立ち続けていた響乃ちゃんは、いち早く何か劇団で出来ることはないかと動き出していました。

そこからさらに、家に居ながら出来ることはないか、という話になり、今回の企画が動き出しました。ここ最近の公演でほわちょこに関わってくれた役者さん達にお声掛けし、その方々が快く参加してくれ、現在のように配信ができている、という状況です。

◼️ジングルとイラストについて

私はこれまで"朗読"は退屈だというイメージを持っていました。(当初持っていた言葉へのイメージであり、表現方法の否定ではありません。素晴らしい作品は沢山あります。)自分自身のためにも、そのイメージを変えるにはどうしたら良いか、ということをまず考えました。

また、ちょうど3月末に文化庁長官から出された、『明けない夜はない!』(https://www.bunka.go.jp/koho_hodo_oshirase/sonota_oshirase/20032701.html)という感情論に心底失望し、大切なものは自分の手で大切だと示さねばなるまい、と強く決意したのでした。

大切なものだと視覚的・聴覚的に伝えるためには、そして作り手の思いの手触りと温度感を伝えるためには、パッケージに工夫が必要だと考えました。

□ジングル

配信を継続して続けるには、例えばラジオのジングルのように"いつもの"音楽があるといいなと思い、神宮司健監督の『夢見るバク』(https://sasagotunnel.wixsite.com/yumemirufilm)で主題歌を歌われていたときからファンだった千野浩子さんにはじめと終わりの音楽をお願いしました。はじめの歌を聴くとワクワクし、終わりの歌は1日の終わりを感じます。

実は通常ver.とレトロver.を用意してくださっていて、作品によって使い分けているので、是非注目してみてください。

🎥千野浩子さんのYouTubeチャンネル
https://www.youtube.com/channel/UCTF_Rn8VH-vB1ViikvFOoIA

□イラスト

こちらもジングルと同じで、やはり"いつもの"イラストがあるといいなぁと思い、山梨出身のデザイナーさんを探していたところ、omisoさんに出会いました。

企画の思いを汲んでくださり、見ているだけで癒される素敵なイラストを描いてくださいました。

イラストに登場しているももまるくんがとても可愛く、LINEスタンプもあるので是非使ってみてください。([ももまるのはなし]https://line.me/S/sticker/6054672/?lang=ja&ref=gnsh_stickerDetail)


🎨omisoさんのHPはこちら
http://kn.o0o0.jp/

◼️特別音楽朗読作品『夢のような昼と晩』について

音楽を絡めたプロデュースがしてみたいという願望を叶えて頂いたこの企画。

contrepan(コントラパン)さんという山梨出身の2人組バンドさんが好きで、今回この小川未明の作品の世界観をより彩ってくれるのではないかという思いで、音楽を依頼しました。

日常のきらめきと、誰かを思う時間、世界についてなど現在への思いがギュッと詰め込まれていると思いこの作品を選びました。そしてそれを音楽と効果音の力で、お二人はすべて表現して下さいました……

響乃ちゃんの朗読の明るさと暖かさ、伝える言葉がとても素敵なので、是非是非是非聴いて下さい。

🎥『夢のような昼と晩』
https://youtu.be/16HsX7K9Cvo

contrepanさんのこのMVも必見です。音楽だけでなくアートワークも素晴らしい。。

🎥「新しい世界」
https://youtu.be/v0CYZAcYJJU

◼️支援に心から感謝します

□山梨日日新聞に掲載されました

大変ありがたいことに、5月13日の山日新聞に掲載していただきました。取材してくださった記者の方は配信も聴いてくださり、力を貸してくださいました。形に残る記事になるのは、舞台関係者にとっては本当に嬉しいことです。

📰オンライン記事はこちら
https://www.sannichi.co.jp/article/2020/05/13/00421222

□山梨県立県民文化ホールの特別サイトにも掲載されました。
https://kbhyama01.wixsite.com/stayhome-yamakbh


◼️個人的なこと

□仕事について
わたしは都内の劇場業務に従事しています。
緊急事態宣言発令後は自宅待機・在宅勤務となり、劇場は閉鎖されました。
最近再開に向けての準備で劇場に足を踏み入れたのですが、いつも賑やかだったバックヤードはしんと静まり返り、人がいないため清掃さんがあらゆる床をぴかぴかに磨き上げ綺麗にまっさらになっていて、まるで今後のスケジュールみたいだ…と皮肉を思ったりしました。2月末から6月末までの公演が全て中止になり、現在ある補償では到底賄いきれないほどの損失があり果たしてこれから劇場は運営していけるのか、私は職を続けられるのか、不安だらけです。

東京都では段階的に自粛要請を解除していくと発表がありました。
https://www.asahi.com/articles/ASN5H3PP3N5HUTIL00Q.html

また、具体的なガイドラインもあがりました。
https://www.bunka.go.jp/koho_hodo_oshirase/sonota_oshirase/20200206.html


しかし、実際にどうなっていくのか分かりません。

三密である稽古がいつできるようになって、いつ上演が出来るようになるのか。夏以降になるのか、1年後になるのかはたまた……とまったく先が見えていない状況です。対策をしたとしても、劇場を訪れるお客様の不安が拭えるのにはかなりの時間が必要だと思います。

文化も様々な団体が声を挙げ、支援のクラウドファンディングもいくつも始まっています。インターネットで演劇界隈が謎に炎上していますが、文化だけを守ってほしいということはまったく言っていません。それぞれの業種で、それぞれ声をあげていくしかない。そして、選挙にいく。

□創作への気持ち

この事態になって、様々なアーティストが作品を発表していますが(ほわちょこも含めですが)、形に残るものを作ることが必ずしもよいことだとは思いません。何も作らなくてもいい。「おうち」というフレーズが嫌いになってもいい。

演劇や文化は魔法じゃないです。人の命は救えません。聴いた人に救われて欲しいとかおこがましくて思いません。ただやりたいからやる、そのシンプルさを大事にしています。好きなことを自分が好きだからやっていて、それを誰か一人でも面白がってくれる人が居てくれたら嬉しいです。

今はただ、日常が守られることを祈っています。

家族に医療従事者がいますが、そういう人に光があたってヒーロー扱いされるのではなく、ただただその人たちの日常や健康が守られて欲しい。それが最優先。という気持ちです。


◼️といいつつも、私が救われたもの

私はでんぱ組.incというアイドルグループのようなクリエーションを目指していて、目標はもふくちゃんというプロデューサーなのですが、彼女達のクリエイションが素晴らしすぎたのでお伝えします。

🎥「なんと!世界公認 引きこもり!」
https://youtu.be/lAfPuUaSZQc

リモート制作で約1週間?くらいで完成したMV。

ファンから集まったイラストと、600人分を超えるコーラスを全部入れ込んだというプロの気概を感じる作品。

そして昨日はオンラインライブを開催していて、VJがすごすぎてオンラインなのに生の感動があってとわけわからないくらいかっこよかった。

ライブ配信の新しい形を見ました。まだアーカイブとして買えるので是非見てほしいです。

✏️オンラインライブが紹介されている記事
https://news.yahoo.co.jp/byline/munekataakimasa/20200517-00178876/

 
その時その時で見せられる最高品質のものを
作っていくしかないな、と思いました。


◼️最後に-今後の朗読配信企画について

このあとも、書き下ろしラジオドラマや
色々な作品がまだまだ配信予定なので
楽しみにしていただけたら嬉しいです✨

ホームページからも作品一覧を見られるので是非お聴きください。
https://teatrosuona.jimdofree.com/


最後までお読みいただきありがとうございました。また皆様に劇場で会える日を心待ちに、支えにしながら過ごしたいと思います。

後藤

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