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坂本慎太郎LIVE2022キャバレーニュー白馬

坂本慎太郎LIVEのFilm上映@味園ユニバースを見に行ってきた。
このイベントへ行くのか数人に聞かれた時に
『航海スケジュール的に行けません』
と答えていたので、行ったことが嘘にならないよう弁明から始めようと思う。

スケジュール

最近Instagramで航海スケジュールを公開している。

公開中の航海予定

これには航海の他にプライベートやレーベルの活動も記入しており、ついでに気になるLIVE情報のメモにも使っている。
上記の予定を立てた時点では、坂本慎太郎の日は貝塚から名古屋への航海中という事になっていた。
それが当日の朝に転機を迎える。天気が良くなったのだ。
当初は8日の午後から悪天候との予報が出ており、それにぶつかる前に名古屋へ向かっておこうという段取りだった。
その悪天候が8日→9日頃にズレたので、当日のウチに関係各所へ連絡をとり名古屋向けの出港日を遅らせた。
そうして晴れて坂本慎太郎を観に行けるようになったというわけ。

坂本慎太郎と僕

坂本慎太郎を知ったのは僕が17歳の頃だった。
当時僕は受験勉強で図書館の自習室へ通っており、休憩時は貸出コーナーへ行って読書を楽しんでいた。
その時に偶然手に取った本が坂本慎太郎の画集だった。
その本に衝撃を受け、受験が終われば坂本慎太郎率いるゆらゆら帝国のLIVEへ足を運ぶようになった。

坂本慎太郎LIVE2022キャバレーニュー白馬

会場の味園ユニバースはキャバレーをリノベーションして作られた、昭和の雰囲気が漂うライヴハウスである。
その日の舞台には三面鏡のように複数のスクリーンが配置されており、開演前はDJがその横でplayしていた。
18:00を回った頃にOnTimeで坂本慎太郎のアナウンスが流れ上映が始まった。

メンバーはベースのAYA、ドラムの菅沼雄太、管楽器の西内徹にギター・ボーカルの坂本慎太郎からなる編成である。
この度の編集は、電気グルーヴのドキュメンタリー作品でも知られている大根仁監督が勤めていた。16ミリフィルムで撮られており、70sのアメリカンニューシネマのような、素粒子の荒い画質が元キャバレーの雰囲気と合っていた。
またメンバーの正装の衣装が上述の時代を思い起こさせ、まるで映画のワンシーンでライブハウスに迷い込んだカットのようだった。
3面のスクリーンには異なる角度で撮影された映像が流れており、メンバーの表情を立体的に見れた。

それは違法でした

一曲目は"それは違法でした"からスタートした。
坂本慎太郎のコード弾きから始まり、
『なんや、ゆら帝と変わらんやん』
と思っていたが西村氏の添える吹奏楽が加わると、ゆらゆら帝国とは全く違うアプローチだと気付かされた。

スーパーカルト誕生

2曲目は"スーパーカルト誕生"
『2000年前それは生まれ、2年後にこの世は滅びた』
この歌詞が読まれた時に感極まって涙が溢れた。
坂本慎太郎は表現者であり詩人なのだ。
客観的に物事を抽出する力に長けている。
何気ないこの歌詞を聴いた時に僕の中の坂本慎太郎像が復活し、感情が爆発してしまった。
15年前の学生時代、近場の坂本慎太郎のLiveには必ず足を運んでいた。
働き出してからも坂本慎太郎のLiveチケットを購入していたが、毎度の如く航海で行けなかった。
この度の上映会は言うなれば、働き出してから叶わなかった念願の坂本慎太郎だったわけで、積年の思いが溢れ出たのだろう。

死者より

その後数曲を挟んでシングル曲"死者より"が演奏された。
坂本慎太郎がギターを手放してコンガを演奏しているパーカッシヴなPVとは違い、ギター演奏を添えたアレンジが加えられていた。

愛のふとさ〜仮面をはずさないで

西内氏の管楽器から始まるアダルトな色気を放つ"愛のふとさ"。それはライブでも健在であった。
その後坂本慎太郎のギターが印象的な"仮面をはずさないで"が演奏された。
この辺りでスクリーン内の会場は大盛り上がりを見せ始める。

シングル曲

盛り上がった流れのまま
"幽霊の気分で"
"まともがわからない"
"あなたもロボットになれる"
というシングル曲を連発した。そして
"君はそう決めた"
へと移った。
『一人で何かをやろうとしてる』
そう歌い始めるこの曲は、ゆらゆら帝国解散後の坂本慎太郎の心境を語っているのだろう。
グループを解散してレーベルを立ち上げ、この頃の坂本慎太郎はギターやボーカルの他にベースなども自分で演奏している。
その頃はライブ活動について
『イメージがつかない』
と避けていた。それがこんなに仕上がっているライブをするに至っている事が、一ファンとして飛び上がる程に嬉しく、また感慨深い。

終曲〜アンコール

"ディスコって"という曲で本編は締めくくられた。
その後ステージから捌ける事なくアンコールが始まった。
グリム童話のような、可愛さと不安が共存する"ある日のこと"。
そしてLike a fable tourの総括のような"物語のように"で幕を閉じた。
その後エンドロールが流れた先に再びメンバーが登場し、喝采のなか大ラストの曲が演奏された。

ツバメの季節に

コロナ期に発表された、まるで当時のパンデミックを問いかけるような曲である。
こちらも西内氏の管楽器が良い仕事をしており、空っ風のような寂しさが彷彿とされていて良い。
アウトロに向かって西内氏と坂本慎太郎の掛け合いが高まっていき、上映は幕を閉じた。

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