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天久鷹央の推理カルテ

書名:天久鷹央の推理カルテ
著者:知念実希人
出版社:新潮社
発行日:2014年10月1日
読了日:2019年5月1日
ページ数:286ページ

<感想>

令和1冊目はこちら。
「レゾンデートル」を読んで
初めて知念作品の面白さを知り
今回、こちらのシリーズを読みました。

レゾンデートルの重厚なサスペンスと違って
こちらは比較的コミカルでありながら
ミステリー要素があってすごく面白かった。

超人的な知識・記憶力を持つ
頭脳明晰、博覧強記の主人公の天久鷹央。
若干27歳にして病院の副院長。
そして病院を横串で診察する統括診断部の部長。
他の科で「診断困難」とされた患者が頼りにやってくる。
診断能力はどの部長よりも長けていて
科を超えて診断していく姿は
まさに…ドクターX大門美智子の様である。

このキャラクター設定がすごく良い!
自分以外をみんな”お前”って呼び捨て。
ドS要素たっぷりだけど愛くるしい。

外来に来る患者、入院患者をバンバン診断していく。
そんな中で天久鷹央のアンテナに引っかかる
謎の現象、病気。
そこから広がる事件、ミステリー。
鷹央の推理力、洞察力がずば抜けていて
全てが医療・メディカルと繋がり
謎解きしていく展開がとても面白い!
特にこの主人公と小鳥遊優とのやりとりが
とても上司・部下と思えないけど
どこか互いを信頼している感じが
グッと読者を惹き寄せて離さない。

<目次> ネタバレ無

・プロローグ

・泡

統括診断部のHPに寄せられた依頼。
市民の憩いの池からカッパが出現した!
小学生の依頼を真に受けて現地調査へ向かう…。
カッパの正体は…。

・人魂の原料

7ヶ月目の新人看護師佐久間千絵。
夜勤中に病棟で蒼白く光る人魂を見てしまい
鷹央に相談する。唯の怪談なのか?
この人魂は…。

・不可視の胎児

中絶したはずなのに突然赤ちゃんを身籠った!
と叫ぶ17歳の女子高生。
何度診察しても妊娠はしていない。
なぜ?想像妊娠か?なんだ?

・オーダーメイドの毒薬

入院中の患児の母親に
医療過誤で訴えられた鷹央。
診断が間違っていたのか?
その余波で診断部の縮小の決議が迫る。
訴えを退けられなければ
事実上の診断部解散である。
間に合うか?!

・エピローグ

<登場人物>

※イラストの引用元・出展:
https://www.shinchobunko-nex.jp/special/180027.html

▪️天久鷹央
・天医会総合病院の副院長
・統括診断部の部長
・高校生にも見える27歳
・場の空気を読めない
・論理を曲げない信念

▪️小鳥遊優
・25歳、鷹央の部下
・身長180cm超、大学時代空手部
・5年外科医を務め、内科医へ
・大学病院から天医総合病院へ派遣中
・診断学のイロハ学ぶ

▪️天久真鶴
・30歳、鷹央の姉
・病院事務長

▪️鴻ノ池舞 :1年目女性研修医、噂・色恋沙汰好き


▪️小田原香苗:43歳、産婦人科部長、15歳の一人息子がいる
▪️熊川   :小児科部長
▪️天久大鷲 :天医会総合病院の院長、鷹央の叔父、合理主義者(経営命)
▪️磯崎   :顧問弁護士

<天医会総合病院>

・600を超える病床
・東京都東久留米市

<メディカル用語>

・夜盲症
・ビタミンA過剰症
・潜水病
・突発性気胸
・C型肝炎
・アルコール性肝炎
・シアナミド
・アセトアルデヒド
・ブルンベルグ徴候
・カルバマゼピン
・代理ミュンヒハイゼン症候群

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