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パルスパワー工学の面白さ

皆さんは「パルスパワー工学」という学問をご存じでしょうか?

今回は、私の研究にも深く関係しているパルスパワー工学の面白さを紹介します。

パルスパワー工学は電力変換の一つで、簡単に言えば、電気エネルギーを貯めて、瞬時的に(パルス的に)その貯めたエネルギーを放出することで、瞬時的に超高密度なエネルギーを発生させ、それに伴って様々な現象を生じさせる学問です。

こんなことをして、どんなメリットがあるのか?と思われた方もいらっしゃると思います。

瞬時(ナノ秒オーダ)的に超高密度エネルギー(MWオーダ)を発生させることで、対象に付着している菌やウイルス、寄生虫だけをピンポイントに殺すことができます。

具体例としては、パルスパワー研究で有名な熊本大学と某企業の共同研究から、生のサバやアジに付着したアニサキスだけを殺して、刺身となる鮮魚自体には熱を与えない技術が実用化されました。

定常的な高電圧・大電流をかけてやっても、もちろんアニサキスを殺すことはできるのですが、同時に鮮魚にも熱が通ってしまい、刺身としては食べられなくなってしまいます(おまけに電力損失も半端ないです)。

他にも、雷が多い年は稲がよく育ち、さらにキノコが多く発生すると言われています。

これは、雷のパルスパワーによって、稲やキノコに何らかの影響が生じ、発育が向上したのではないかと考えられています。
(おそらく、パルスパワーによって細胞の一部が破損されて、細胞修復の際に、より強固な生体へと成長するからではないかと私は考えています。(筋トレの理論と同じで))

このように、パルスパワー工学は少ない電力で、超高密度なエネルギーを瞬時的に発生させる学問で、殺菌や生物、医療、材料など様々な分野で応用されているとてつもなく面白い研究分野です!

是非興味を持たれた方は、熊本大学や岩手大学のパルスパワー研究室を見てみて下さい!とても面白い研究がされています!

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