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天才AI研究者 レイ・カーツワイルとは?


ニューラルネットワークやカプセルネットワーク、AIの研究は目覚ましい発展を遂げています。そんな人工知能AIの話題で欠かせない言葉がシンギュラリティです。今回はシンギュラリティの提唱者レイ・カーツワイルさんについての記事です。


レイ・カーツワイルという人物

1948年、アメリカ・ニューヨークで生まれたカーツワイル氏。

父親は音楽家、母親は画家という芸術一家で育ちました。

12歳の頃に当時ではまだ珍しかったコンピュータに出会い、プログラミングに熱中したそうです。高校生の頃には統計分析や作曲プログラムを作っていたようで、学生時代から天才ぶりを発揮していたのでしょう。


STEM系の世界最高峰とも言われるマサチューセッツ工科大学に在学中に起業して以降、OCRソフトウェア(画像のテキストをデジタル文字に変換する技術)やスキャナー、文章音声読み上げマシンなどさまざまな技術を発明し、世に送り出しています。

そして30代の頃には世界的音楽家スティーヴィー・ワンダーと会社を設立しています。

ワンダー氏はカーツワイル氏の発明に興味を持ち、「機械を使って楽器をの音を再現する仕組みを作ってほしい」と依頼しました。そうしてシンセサイザーという鍵盤楽器が開発され、大いにヒットしたそうです。

40代以降は多くの本を執筆し、その中で「技術革新」に関してさまざまな予測を展開していきます。このことが彼が未来学者と言われるゆえんとなります。

40代以降は多くの本を執筆し、その中で「技術革新」に関してさまざまな予測を展開していきます。このことが彼が未来学者と言われるゆえんとなります。

「シンギュラリティ」という言葉を世間に初めて広め、彼を世界的に有名にした著書↓

http://stargate.inf.elte.hu/~seci/fun/Kurzweil,%20Ray%20-%20Singularity%20Is%20Near,%20The%20%28hardback%20ed%29%20%5Bv1.3%5D.pdf

カーツワイル氏の予言


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1990年〜現在(2020年)までに起こると予測した技術発展
カーツワイル氏はシンギュラリティを予測する以前に出した著書でも技術進歩に関する予測をしています。

『The Age of Intelligent Machines』(1990)で予測した内容の的中率は86%だったとカーツワイル氏本人は主張しているように、その一部は現在に至るまでに実現しています。

彼がこれまでの著書の中で具体的にどのような予測を立てたのか見ていきましょう。

・インターネット社会の到来、検索エンジンの誕生

・コンピュータの小型化

・ブロードバンドインターネット(光回線など)はどこでも利用できるようになる

・2000年までにチェスや囲碁で人間を打ち負かすAIが誕生する

・バーチャルリアリティの生成がされ、映像が投影される眼鏡の誕生

・2015年までに家庭用ロボットの普及している可能性がある

このようにカーツワイル氏が2010年代までに起こると予測した多くのことが的中しています。

彼がこうした予測を始めた1990年代は、パソコンがやっと一般に普及し始めた時代です。彼の将来を見通すような分析力もさることながら、たった十数年でここまで発展したコンピュータや人工知能(AI)の技術にも驚きです。


現在〜2045年までに起こると予測した技術発展

次に、カーツワイル氏が2020年以降の未来で起こると予測する技術発展に関して説明します。

彼はGNR技術が発展していくことでシンギュラリティの未来に近づくと考えています。


GNR技術
G(Genome Science・遺伝子技術):遺伝子を人工的に操作する技術。医学や生物学の分野で多く研究されている。「ゲノム編集」という新たな技術によって、遺伝子改変されたデザイナーベビーやクローン生物の誕生、若返りも近い将来可能になるといわれている。
N(Nano-technology・ナノテクノロジー):原子や分子のスケールにおいて、自在に制御する技術。太陽電池や3Dプリンターなどもナノテクの結集された製品。データ科学との組み合わせで高性能な製品や薬を研究・開発されている。
R(Robotics・ロボット技術):ロボットの構成、制御、情報認知、知能などの多分野にわたる技術。 IoTやビッグデータを活用したAGIなどの人工知能の開発で私たちの日常にも浸透してきている。

この3つの分野が同時並行で革命的に発展していくことによって、人間と社会の革命的な変化が進んでいくとカーツワイル氏は主張しています。

上記の技術の発展で将来の社会をカーツワイル氏は次のように予言しています。

2045年にシンギュラリティは本当に実現するのか


今までカーツワイル氏はインターネット社会の発展など、さまざまな予測を当ててきていますが、シンギュラリティに対しては懐疑的に考えている研究者は少なからずいます。

ピューリッツァー賞を受賞した作家ダグラス・ホフスタッター氏は、2045年までに人間を人工知能が超えるという予測は実行不可能であると主張しています。

シンギュラリティ予測の概念であるムーアの法則を示したことで知られるゴードン・ムーア氏でさえ、それは決して起こらないとしています。

一方でシンギュラリティが注目されるようになった背景には、2012年以降のディープラーニングの発展があります。近年、自動運転車などさまざまな分野で研究・開発、実用化が進んでいることから、GNR技術の発展にも大きな影響を与えそうです。

例えば、これから先の10年でナノテクノロジーが大きく進展するとありましたが、これにもディープラーニングの技術が寄与していくと考えられます。


終わりに


今回は天才・レイ・カーツワイル氏の人物像や研究内容を紹介しました。

皆さんは私たちの住む世界は2045年にどうなっていると思いますか?

テクノロジーは必ず誰かが完成させるため、止まらないでしょう。

私たち人間ができることの役割を見失うことなく、スキルを身に着けて時代の流れを追っていくしかありません。


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