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熊野 (その1)

小説を読んで行ってみたかった土地

ずっと昔から、熊野に入ってみたかった。世界遺産になる前の、熊野古道の苔むした写真が、印象的で忘れられなかった。それも好きだったのだが、小説に受けた影響が非常に大きかったと思う。QEDというシリーズものの小説だ。別のページでお話しさせていただいたが、日本史の話を土台にした、ミステリー小説だ。非常にマニアックだと思うが、とても大好きなシリーズだ。この小説を読んでいると、舞台になった場所に本当に足を運んでみたくなるから不思議だ。ということで、機会を探して行っていみたいと思っていた。
ある時、たまたま休みを3日ほど取れたので、妻と交渉してみた。私が昔から熊野に行ってみたいことは知っていたので、了解は取れた。ただし、一人で行けと言われた。子供が見て楽しめるものではないから、というのが理由だ。私としても、非常にありがたい提案だ。子供たちを連れていって、楽しめる土地だとはとても思えない。残念ながら、まだ子供はこれらに興味は持っていないので、それこそWin-Winの提案だったと思う。そこで、一人で高速バスに乗って旅に出かけていった。

巡った熊野三山

那智滝も印象的だと思ってはいた。それ以上に、熊野三山にとても行ってみたかった。上記の通り、読んでいた本の影響が非常に大きかった。熊野本宮大社、熊野速玉大社、熊野那智大社の3つだ。基本的には、自力でなんとか行く旅が大好きだが、今回ばかりは諦めた。自力で行くのがあまりにも難しいと感じたからだ。時間と値段、効率を考慮した時に、自力で行く選択を諦めた。もし自力で行きたくなったら、またその時考えようと思った。
なので、熊野三山を回れるツアーに申し込んだ。高速バスで当日紀伊勝浦について、すぐツアーに行ったのだから、私もまだまだ若いなと思った。子連れでは絶対にできない、無茶な旅行は楽しい。

熊野本宮大社(大斎原)

大斎原(おおゆのはら) ふりがながなければ絶対に読めないと思う。

始めに熊野本宮大社に着いた。真っ先に大斎原(おおゆのはら)に向かった。小説の影響というのは大きい。普通は真っ先には向かわないかも知れない。ただし、間の悪いことに何かの撮影をやっていたため、中に入ってみることができなかった。非常に残念ではあったが、現地でこの大斎原を見られただけでも、来た価値があったと本気で感じたものだ。バスからも見えたのだが、この雄大な景色はとても印象的だ。資料館もあったが、時間がなかったので先に熊野本宮大社にも向かった。

八咫烏がとても印象的な鳥居周辺

この辺りの伝承を考えると、やはり八咫烏は欠かせないな、と思っていた。静謐な環境で佇む本宮はとても印象的だった。本宮などの写真は撮らないようにしている。鳥居がぎりぎりだ。自分の中で、止まらなくなってしまうため、制限を設けるようにしてるのだ。神の聖域に近い、祭られた場所で写真を撮って回る気には残念ながらなれなかった。なので、ゆっくりと景色を目に焼き付けて参拝してきた。こんなところに本宮を立てて、昔の方はどうやってたどり着いたのだろうか、と思いを馳せた。車もなければ、道も舗装されていない。それでも参拝したいと思った方がいると思うと、感慨深い。
私が昔産まれていたら、どうしていただろうかと考えたが、私も徒歩で詣でていただろうと思う。それくらい、行けて良かった場所だと強く思った。

熊野速玉大社

熊野速玉大社

次に、熊野速玉大社へ。途中で昼食を食べ、バスで一足飛びに向かった。こちらは、境内の中にあるナギの木が非常に印象的だった。こちらも非常に落ち着いた雰囲気だった。やはり神域とされる所は、非常に落ち着く。残念ながら短い時間しかとられていなかったので、さくっと参拝してきた。こういうところでも自分の都合でゆっくり出来ないのが、ツアー旅行の難しい所。でも、1日で3箇所回れるのは非常にありがたい。使い方が難しい。

この後、熊野古道、那智滝、熊野那智大社を回ったのだが、それを書き出すとこれの倍以上かかりそうな気がするので、次の機会に譲ろうと思う。

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