見出し画像

アイヌの神事と節分の関係

結論(疫病神を退散する方法)

  • 再生できないようにバラバラにする。

  • 強烈なニオイ、トゲで追い出す。

  • 日本の節分、欧米のハロウィンでもみられる悪魔の追い出し方である。


節分といえば、「鬼は外、福は内」と言いながら、豆をまいて鬼を追い払ったり、歳の数だけ豆を食べたり、ヒイラギの枝に焼いたイワシを刺して軒先で飾ったり、恵方巻きを食べたり、復習があります。

2023年は、千葉県に行けば、節分に必要な食材、すべてそろう説を唱えました。千葉県は、イワシの漁獲量、落花生の生産量が日本一です。詳しくは、下の記事をお読みください。

2024年は、世界中で、古今東西、節分のような風習が見られることに注目して紹介します。

北海道旅行で白老を訪れたとき、ウポポイに行き、アイヌ文化について学びました。このことがきっかけで、本州に戻ったあと、アイヌ文化についてより深く学びました。学んでいくうちに、以下のことに気づきました。

「人類は、同じようなこと考えている。」

アイヌ文化でも、節分のような風習が観られます。日本の節分は、欧米のハロウィンのような風習も見られます。すなわち、アイヌも欧米もつながっていると感じました。

今回は、アイヌ文化と節分のつながりについて考察してみました。


アイヌとは?

アイヌは人間という意味。北海道は樺太(サハリン)から千島列島()オホーツク人、本州から和人がやってきて交雑して誕生しました。狩猟採集、交易などしながら暮らしていました。

アイヌの魔除け

当時、不治の病と言われていた結核、天然痘。結核も天然痘も疫病神が運んできたと考えられていました。疫病神を退治し、寄せつけないために、さまざまな魔除けを行っていました。

結核をもたらす疫病神への対処法

結核をもたらす疫病神は、囲炉裏の上に吊るすためのフックに住んでいて、結核のもとを煮炊きする鍋に落として食事とともに感染させると考えられていました。

結核の疫病神を追い払うため、不意をついてフックを吊るしているロープを切り落とし、屋外でバラバラに打ち砕き、再生できないように撒きました。

さらに、家の中を清めるために、塩、灰を撒きました。大相撲で、お相撲さんが土俵に塩を撒いて、悪い気を追い出すように、アイヌの方々も塩、灰を撒きました。さらに、イケマの根を噛んで、毒のある汁を吐き捨てながら、奥の神窓(入り口反対側の窓で神が出入りする場所)から出入り口に向かって「フッサ!」と言いながら、清めていました。 

天然痘をもたらす疫病神への対処法

胆振地方では、強烈な匂いを発する行者ニンニクとトゲをもつハリセンボンを食べると天然痘を運ぶ神から逃れられると信じられてきました。

行者ニンニクという臭いの強いもの、ハリセンボンというトゲのあるもので疫病神を避けてきた文化、は、日本の節分、欧米のハロウィンにつながります。

日本の節分の魔除け

日本の節分にも、アイヌの行進呪術のように、ニオイとトゲを利用して魔除けをしていました。日本では、鬼が自然災害や病気を招くと考えられていました。

鬼を寄せつけないため、トゲのあるヒイラギの枝に焼いたイワシを刺して軒先に飾ります。焼いたイワシのにおい、痛いヒイラギのトゲで鬼を追い払い、悪い気を払います。

豆まきは、豆が地面に落ちる音で鬼を驚かせて追い出します。これも、アイヌの魔除けに似ていると感じました。

ヨーロッパのハロウィン

ハロウィンは、10月31日にあります。ケルト族(ブリテン諸島(アイルランド、スコットランド、マン島、グレートブリテン島ウェールズ地方)、フランスのブルターニュ地方)が開いた収穫への感謝を表すお祭りの前日がハロウィンです。

この日は、日本のお盆のように、ご先祖さまの魂が家に戻ってくると信じられました。しかし、ご先祖さまとともに、悪魔もやってくると考えられていました。ヨーロッパの悪魔には、魔女、ドラキュラ、フランケンシュタインなどがいます。

悪魔を追い払うため、カボチャの中身をくりぬいて、怖い顔のパーツに切り取り、火を灯した「ジャック・オ・ランタン」があります。悪魔を驚かせて追い払います。

また、悪魔の一つである、ドラキュラは、ニンニクのニオイが苦手で、ニンニクを与えることによって追い払うことができると言われています。

ハロウィンについて、詳しいことは、こちらの記事をお読みください。


今回は、アイヌの神事から、節分とのつながりを見ました。強烈なニオイ、トゲで悪魔を追い出す風習が世界各地で見られることがわかりました。

古事記、ギリシア神話、メソポタミア神話など、世界各地でつくられた神話も共通点は多く見られます。現代のようにインターネットもなければ、人々の往来もほとんどなかった時代から、世界がつながっていたことは「不思議だな」と感じました。

今回の参考文献

アイヌ文化の生活、祭りから日本とアイヌのつながりまで網羅した一冊でした。

よろしければサポートお願いいたします!いただいたサポートは、よりよい記事の作成、クリエイター支援などnoteのクリエイター活動に利用させていただきます!